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2009年12月25日 (金)

「行政書士」の本質

 ボクは、このブログを趣味や余技ではなく仕事の一貫と考えています。なぜ書くのかは別の機会に譲るとして、この理由から祝日も含めた休日以外は毎日更新してきましたが、来週から正月休みに入るので、今年はこの分で最後となり、次回は年明けの1月5日から開始する予定です。

 それでは皆様、良いお年をお迎えください。

 おっと、昨日予告した行政書士について紹介しなければなりません。

 国家資格は数多いのですが、行政書士は飛び切りユニークな存在といっても過言ではありません。基本的には、お役所に提出する「書類の作成代行」で報酬を得ることが独占業務になっています。規制緩和とはいっても、不動産の宅地建物取引業免許や建設業許可のように、日本には数多くの許認可事業があり、役所に提出する書類も7000あるいは1万種類近くあるともいわれます。行政書士も、資格を取って登録したら、そうした書類の作成代行をしておカネをもらってもいいよという許認可事業の一つであるわけですね。

 司法書士も同じく「書士」資格ですが、こちらは法務省や裁判所などを専門としています。このため不動産登記が収入の多くを占めているほか、会社登記や個人訴訟などの訴状作成代行もできます。最近では弁護士と同じく多重債務の処理で広告を出している司法書士事務所も目立ちます。

 ちなみに、イギリスなどではこうした法律的な書士系資格はなく、法廷弁護士と事務弁護士の2種類しかないそうです。

 この「書士」資格は明治5年(1872年)に制定された「司法職務定制」で規定されており、今の弁護士は「代言人」、司法書士は「代書人」となっています。当時はまだ文字の読み書きができない人もいたほか、維新後の新しい書式ですから、不慣れな人をサポートする意図もあったのでしょう。

 もちろん市町村への提出書類も同じ状況だったので、それを代行する行政代書人がいました。これが行政書士のルーツであり、大正9年には代書人規則が定められました。かなり古い資格ですが、行政書士法の成立で正式に国家資格となったのは昭和26年(1951年)ですから、長らくマーケット・オリエンテッドな資格だったわけで、この性格が現在にも至っています。

 それはともかく、この行政書士法では「その業務を行うことが他の法律において制限されているもの」を除外するという規定がありました。これこそが行政書士の際立った特徴なのです。普通の資格は特定の業務が明確に規定されているのですが、この行政書士は逆に「してはいけない」ことが規定されているわけですね。

 具体的には、前述の司法書士や弁理士など他の国家資格の業務に関連した書類の作成代行が禁じられています。少し歴史をさかのぼると、昭和55年に社会保険労務士法が施行されましたが、そのおかげで社会保険関係の書類作成代行も新たな禁止事項に追加されました。ということは逆に、それまでは行政書士がやっていたわけです。

 こう表現すると、禁止事項ばかりの資格に思えますが、実は「それ以外」のことのほうがはるかに幅広く、個人のアイデア次第でいかようにも応用できる資格なのです。

 外国人ホステスが数多かった頃には、外国人登録や在留許可延長の申請などで活躍した行政書士がいました。風俗営業許可も同様です。契約書の作成代行も認められたので、今ではそちらを専門とする行政書士もいるはずです。

 その一方で、運転免許場の近くに必ずある免許申請や更新の「代書屋」も行政書士の事務所なのですが、こちらはかつてのような賑わいは見られません。誰でもできる定型的な業務では、もう食えないということですね。

 実は、この行政書士は、国または地方公務員で行政事務を担当した期間が通算で17年以上(高卒以上の場合)であれば、無試験で登録できるという「抜け道」があります。ここからはあくまで根拠のない想像ですが、運転免許の「代書屋」はキャリア官僚以外の公務員天下りルートの一つだったとも考えられるのではないでしょうか。

 そして、資格における規制緩和の最先端を走ってきたのも、行政書士でした。いち早く受験資格を撤廃し(とはいっても20歳以上という年齢制限だけでしたが)、報酬規定も早々となくなりました。この報酬規定は価格カルテルみたいなもので、はっきりいえば独占禁止法違反ですよね。

 しかし、弁護士や公認会計士などの大物資格が報酬規制を撤廃したのは、つい最近のことなのです。

 ついでにいえば、先の大物国家資格が広告を解禁したのも最近のことです。昔は税理士にしても、不動産会社のセミナー告知に顔を出し過ぎたおかげで、地域支部から警告を受けた人が実際にいます。

 要するに、報酬も含めて市場での競争を避ける「談合的」な制度になっていたわけです。

 こんな制度が自由民主主義社会で許されていいはずがありません。

 かくて1998年には行政改革・規制緩和の一貫として総務庁が「公的な独占業務資格について資格要件や業務範囲の在り方を含めた見直し」と題されたぶ厚い報告書を提出。それに基づいて、資格の規制緩和が進められてきたわけです。

 前回述べたように、司法試験や公認会計士は逆行の気配を見せていますが、行政書士は規制緩和に関する優等生といえるでしょう。試験の合格基準も「法令等科目の得点が、満点の50%以上であること」など明解に決まっています。だから合格率も年によってかなり変動するわけです。

 公認会計士だって合格基準はありますが、「偏差値」であり、しかも昨年は論文試験の得点比率が51.0%でしたが、今年は急に52.0%とハードルを上げています。

 では、そうした規制緩和で行政書士は食えない仕事になったでしょうか。もちろん独立してもうまく行かず撤退する有資格者はいます。3年やってダメなら辞めたほうがいいという意見もあります。しかし、そんなことは、他の資格も、飲食店や流通業にしても同じではありませんか。

 前述したように、行政書士は個人の応用次第で成功可能な資格であり、その証拠にアマゾンを調べていただければ、行政書士で成功するノウハウ本がかなり出版されていることが分かります。

 ある行政書士さんは、「家系図」を新たな分野として取り組んでいます。地域限定ではニーズはほとんどありませんが、彼はインターネットを活用して全国を相手にすることでビジネスとして成立させています。たとえば横浜市で家系図を作りたいなどという人は1人か2人いればいいところでしょうが、全国をマーケットとして見れば、その何十倍にもなるはずです。

 地域限定ではビジネスにならなくても、全国を対象にすればマーケットとして成立するニッチなビジネスはほかにもあるはずです。それが可能になったのは、まさにインターネットのおかげといえるでしょう。

 いずれにしても、規制緩和したからといって資格がダメになるわけではなく、むしろ様々な新しい分野が活発に登場してお互いに切磋琢磨することになります。その事例が、行政書士ということなのです。

 入口を狭くして有資格者の利権を保護する制度と、入口を広くして市場で公平な競争を行う制度と、果たしてどちらが社会やボクたちにとってトクでしょうか。それより何より、合格者数を過度に制限した超難関資格は、職業参入の「障壁」といってもいいのです。

 日本国憲法第22条には「職業選択の自由」が明記されており、行政が恣意的に合格者数を制限するのは、これに違反することにならないのでしょうか。

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