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2009年12月24日 (木)

「美味しい資格」

 資格の本をいくつか書いてきたせいか、「美味しい資格」をテーマにした取材を受けたことがあります。どう説明しても読者受けする内容ではないので、あまり理解してもらえなかったようですが、美味しい資格を排他的な「利権」が伴うもの、または永続的に「ぶら下がれる」「しがみつける」ものと定義するなら、極めて限られています。

 というより、自由な民主主義社会にそんな「美味しい資格」なんてあってはならないのです。

 たとえば国家公務員1種試験に合格して官僚になることも資格の一種と考えれば、話は明解でしょう。

 衆知のように、この試験に合格して省庁に採用されれば、キャリア官僚として特別な出世ルートがあり、トップを目指した競争はあるにしても、退官後は様々な天下り先を渡っていくことができます。

 ここから先のことは民主党が厳しく批判してきましたが、要するに人生でたった1回の難関試験に合格すれば、何があろうと優遇されるという仕組みです。厳密には、1種に合格したからといって必ず省庁に採用されるわけではありません。入試偏差値の高い国立大学や私立大学という看板も必要になるので、「人生で2回の難関試験」と訂正すべきかもしれません。

 いずれにせよ、若い頃に合格したという実績がずっと効力を発揮し続けることに変わりはないはずです。しかし、たかが試験ですよ。それで好成績だからといって、仕事も優秀とは限りません。「昔は神童、大人になったら只の人」という言葉もあります。

 医学部では解剖実習でショックを受けて自主退学する学生が一定数いるといわれます。それと同じように、試験の成績が良くたって、行政という仕事に向いていない人だっているはずです。

 にもかかわらず、自分から辞めない限りは、特権が永続的に保証される。こんな封建的な仕組みは、自由社会にあってはいけないのです。正しくて公平な自由競争が、より役人としての能力を向上させるだけではなく、国民の利益につながる行政を生み出すのではないでしょうか。

 この国家公務員1種を資格に置き換えれば、「美味しい資格」があってはならないことを理解できるはずです。

 しかしながら、司法試験も公認会計士試験も、せっかく規制緩和(法科大学院ルートによる新司法試験や公認会計士試験制度の大幅な簡略化)したはずなのに、またぞろ合格者数の抑制を行っています。そりゃ合格者の数が限定的で少ないほうが、利権も排他的に守れるので「美味しい」に決まっています。でもね、それでは弁護士や公認会計士という看板にぶら下がり、しがみつく人を増やすだけではありませんか。

 ちなみに、アメリカでは試験で特定の点数以上を取れば、何人だって合格できます。おかげで、弁護士も公認会計士も有資格者は100 万人以上といわれています。もちろん有資格者全員が弁護士事務所や監査法人に勤務しているわけではなく、民間企業で働く人のほうが大多数でしょう。

 つまり、試験という入口は日本よりも広い代わりに、出口にあたる合格後は専門的な事務所に就職する段階で競争があり、弁護士や公認会計士になっても競争は避けられません。大切なのは、それによって日本にかなり生息している「ことなかれ主義」の弁護士などが淘汰され、最終的には消費者利益につながるということです

 もちろんアメリカのように「訴訟大国」になりかねないという危惧もあるでしょうが、それなら裁判をもっと公平・合理的なものにすれば済むはずです。敗訴ばかりの判例分野で、無理に訴訟するなんて弁護士はほとんどいないでしょう。実は、それも「勇気」であり「社会正義」であり、消費者利益につながるのですけどね。

 いずれにしても、一度それを取得すれば一生涯に渡って「美味しい資格」なんて絶対に作ってはいけないと思うのです。よってボクはキャリア官僚制度にも、行政による合格者数の抑制にも大反対です。

 考えてもみてください。司法試験はかつて合格者が年間500 600 人程度で合格率は3%。このため5年から10年の「司法浪人」は常識でした。おかげで裁判官も検察官も弁護士も超の付くエリートであり、特権階級だったのです。では、そのすべての人たちが職責に基づいた清廉潔白な法律家だったでしょうか。懲戒請求を受けた弁護士なんてほんの僅か、ですか? 社会・世相に逆行した珍妙な判決や、無罪の人を死刑に陥れた検察官は皆無だったのでしょうか。

「権力は絶対的に腐敗する」といわれますが、「美味しい利権」が温存される資格だって次第に腐敗していくのです。だから司法制度が大きく改革されたのではないでしょうか。

 それ以前に、旧制度では何年も司法浪人を続ける余裕がないので最初から断念していた志望者が、新制度によってチャレンジ可能な時代になりました。その中にこそ、本当の市民社会を守れる弁護士がいるかもしれないのです。

 医学部だって同じで、私立の高額な授業料を工面できなくて(卒業までに家1軒分以上の学費が必要)、あるいは授業料の安い国立大学に合格するほど偏差値は高くなかったけど、実は「赤ひげ」になるべき素質を備えた学生もいたかもしれない。

 なのに、医者が過剰になると特権が守られないからと、医学部の入学総定員という蛇口を行政が絞った結果が今なのです。

 制度も資格も、有資格者の生活を守るために存在してはいけないのです。政治家も同じで、お手盛りの議員特権にぶら下がるための職業になってしまえば、望ましい政治なんて期待できないではありませんか。だから、ボクは同郷ですが、名古屋の河村市長の改革案に全面的に賛同するわけです(10%減税は可決しました)。

 こうした理由から、「美味しい資格」も「美味しい職業」も自由で民主的な社会であろうとするなら、あってはならないのです。小泉政権のおかげで、「市場原理主義は悪」だと勘違いする人も少なくないようですが、仮に弁護士が同業と競争のない「美味しい」職業になれば、それこそ金持ちや権力者からの「美味しい依頼」しか受けつけなくなりますよ。

 もちろん今でも冤罪を追求する素晴らしい弁護士もいますが、個人の正義感や倫理や道徳だけに期待するのは、「ボランティア精神」に期待することと同じだと思います。

 自由競争の結果として貧富の差が極端になってきたのは、たとえばボクシングから階級をなくして無差別で戦うことになったからです。フライ級とヘビー級が同じリングで殴り合えば、試合を見なくてもどちらが勝つかは簡単に想像できます。

 原始時代じゃないのですから、市場原理主義にも厳しくて公平なルールが必要だったのです。それを作らないで自由競争だけを促進すれば、資本が大きな会社が勝ち、富裕な人がますます豊かになるのも当然の結果です。

 それが資格であるなら、所定の勉強を経て試験に合格することがリングに上がる基本的なルールであり、その上で有資格者同士が切磋琢磨することが、市民や消費者の利益につながります。

 何よりも、ボクたち自身が資格や職業に特権や利権を求めると、こうした不合理で封建的な制度を存続させることになるのです。これほどの不況になってくると、そんな気持ちも大変によく分かりますが、今や弁護士も増員で過剰気味といわれています。美味しい特権がまだ残されているのは、国家公務員1種や地方公務員上級(不況下で公務員は相対的に美味しい職業になりましたけど)、代議士や地方議員くらいなので、数ある国家資格よりそちらを狙うべきでしょう。

 おっと、後者は正確には選挙という「試験」がありますけどね。

 これがボクの個人的な意見では決してないことを、行政書士を事例として、次に詳しく紹介します。

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