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福助くん その4

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福助くん その2

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2010年1月 7日 (木)

大人のウソと子供のウソ

 大学の教授を取材すると、学問というのは本当に面白いと感じさせられます。

 それで大学関係のムックを制作する時に、「学問は面白い」というサブタイトルを付けたことがありますが、「フン、学問がそんなに面白いかねえ」と思いがけず冷笑した人がいて、ちょっと困ったことがあります。

 こういう人は、きっと親などから無理に勉強させられてきたのでしょう。そんな人でも社会に出てから自主的に勉強すると、俄然、興味がわいてくるのが普通です。でも、彼にとっては学問なんて机上の幻想であり、ビジネスの現場にあることしか興味を持てなかったのかもしれません。

 でもなあ、それでは不自由になるばかりでね。知ることは人間を自由にするのだとボクは信じています。

 しかし、学歴と知性とは必ずしもイコールではないところが微妙でございまして、そのせいか日本人はかなり屈折した学歴観を持っています。「たかが東京大学じゃないか」という人ほどコンプレックスを隠していたり、最近は「学歴ロンダリング」という言葉も登場してきました。人間は学歴なんぞで判断できないというタテマエと、その正反対の崇拝的な心情がバカバカしくもデリケートに交錯しているわけですね。

 そんな学歴の問題をみごとにアケスケに分析した本を正月に読みました。『学歴分断社会』(吉川徹著、ちくま新書)です。

 それによると、まず大学とは高校までの勉強の「精算」ということになるそうです。これは著者の説ではないらしいですが、確かに高校進学率は97%くらいなので、高卒は学歴的な差異にはなりません。転職時に中学や高校の成績を聞かれることもほとんどありませんからね。

 だからこそ、どんな大学に入学したかは大事なポイントになります。

 つまり、小学校から高校までに至る勉強の成果を「精算」した象徴的な看板が、大学ということになるわけです。

 ボクは社会人の大学・大学院入学を長く取材してきましたが、実は企業サイドは社会に出てから得た学歴をあまり評価していません。最近は大学院進学者が多くなって少し違ってきたはずで、まさにそうあるべきなのですが、高卒時に入学した大学名にこだわるのはそういう背景があったのかと今さらながらに認識させられました。

 ボク自身は人間の可塑性を信じているので、後付けだろうと何だろうと、その勉強を正しく評価する学歴社会にするべきだと思いますが、この「精算」説は社会の判断をみごとに示しています。

 次に、「大学全入時代」という言葉に隠された真実も教えてくれました。

 この「大学全入時代」とは、大学の入学総定員が総進学希望者数を上回る状態を意味しています。つまり、大学の総平均入学倍率が1を下回るわけで、大学さえ選ばなければ誰でも入学できるということです。

 すでに、筆記試験によらないAO入試の入学者が半数近いといわれており、受験勉強すら必要なくなっているわけです。

 ただし、最近の大学・短大進学率は55%程度。著者によれば、これが「ガラスの天井」であり、いくら「大学入学のバルブを開いても」これで頭打ちなのだそうです。つまり、今の若者の半数近くが大学進学を希望していないのです。

 もちろん、専門学校を選んだり、家庭の経済力などもあるでしょう。行けるのに行かないのか、行けないから行かないのかは難しい問題であり、むしろ大学進学者が青天井で増加する社会のほうが奇妙ですが、著者が指摘するのは大卒者の増加で高卒者との「学歴分断線」が明確化してきたという事実です。

 しかも、非大卒者の親の子供も非大卒となり、この「学歴分断線」が固定化されつつあるらしい。それが「格差」を生み出し、親から子へ継承されているのではないかと。

 大学生の知性レベルや大学間の教育格差は別にして、昔は学歴が取り沙太されるのは就職時の1回くらいでした。しかし、今は雇用が流動化しており、何度も履歴書を作るのが普通です。この時に、高卒者と大卒者が一緒に面接を受ければ、やはり大卒者のほうが実際的に有利だと著者は指摘します。いやあ、勇気あります。大人のタテマエでは、絶対にそうは言わないですよね。

 長くなったので強引にまとめると、「学歴なんて実社会では関係ない」というのは明らかに大人のウソなんですね。しかし、それを子供が信じれば「勉強しない理由」になってしまう。「オレんとこは貧乏だから、勉強してもムダなんだよ」というのは、今度は子供のウソです。確かに貧困と子供の学力はデータ的に相関しているらしいのですが、それでも奨学金などを利用すれば決して無理ではありません。公表はされていませんが、入試段階で優秀で入学後も好成績を続けて4年間学費ゼロで卒業した人も実際にいます。

 大卒だから優秀とは限らず、高卒者でも素晴らしいスキルや技術を持つ人がいます。そうした多様な人たちがそれなりの待遇を得ること。それが目指すべき理想だと著者は最後にまとめており、ボクも大いに同感します。

 しかし、そのためにこそウソやタテマエで真実を隠蔽してはいけない。バカ大学生を嘲笑したり、貧困による格差を指摘した本は結構ありますが、これはなかなか鋭い視点による好著です。

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