今後の就活ちょとヤバイかも
すでに、このブログで「外国人の管理職が増加するかも」と書きました。
あくまでも予告のつもりだったのですが、事態は予想以上に早く進展しており、今日の日本経済新聞では「コマツの中国16子会社、社長すべて中国人に」と第一面でデカデカと掲載されています。しかも「幹部候補も育成」とのこと。
パナソニックでも来年度の採用予定者の約8割を海外で、国内でも留学生を積極的に採用していくそうです。
コマツではすでに日本人と現地人材で昇進や待遇に差をつけていないそうですから、これは日本人にとってはちょっとヤバイ事態というほかありません。
市場のグローバル化、国内の人口減少という事情から、企業にとっては当然のことでしょうけど、これからの新卒就職に大きな影響を与えそうなのです。
人事コンサルタントの城繁幸さんは「現役学生は新卒バブルに踊る(=入試で燃え尽きて4年間ブラブラする)ことのないように、社会人は肉食系で多国籍な後輩に食われないように頑張りましょう」(週刊SPA7月6日号)と突き放していますが、果たしてどう頑張ったらいいものか。
問題を整理すると、日本企業でも日本人ということは何もアドバンテージにならず、会社の入り口から、昇進、あるいは転職レベルでも、ボクたちは外国人と競わなければならなくなるということです。
大学で初年次教育、キャリア教育、インターンシップがどうとか言っているうちに、企業のほうはさっさと国際化を進めているわけですね。
大学の教授の話でも、アジアからの留学生たちの意欲も馬力もまさに「肉食系」ですから、今の状態で彼らに就活で勝つのは至難だと思います。彼らに比べたら日本人の若者は明らかにお坊ちゃんお嬢ちゃんであり、太刀打ちできないでしょう。
かくて、新卒の採用者に外国人が増えれば、日本人の新卒採用の枠はそれだけ少なくなってしまいます。今のところの就職難は景気のせいですが、こうなってくると「構造的」なものに変わってしまうわけです。
留年などして景気回復を待ったところで、この事態が進行するだけですから、いよいよ就活が困難になっていく可能性があります。
では、日本人の新卒予定者も転職組もどうしたらいいのでしょうか。
まず、できることは、彼らが失敗することを神様に祈ること。というのは冗談ですが、取りあえずは英語でしょうね。それもTOEICで高得点といったスタティックな実力だけでなく、交渉や説得できる英語力を身につける。
次に、専門能力、専門的なスキル。アジアの人たちがまだまだ苦手で専門家が少ない分野です。たとえば、ある会計専門職大学院に留学している中国人に聞くと「中国は資本主義が始まったばかりなので、本格的な会計に精通している人が少ない」そうです。
ならば、公認会計士レベルの専門知識とIFRSですよね。
しかし、誰もがすぐにそうした専門スキルを身につけられるわけではありません。城さんの言う通りに、大学4年間をブラブラしないで頑張るほかないのですが、今の段階で学生にはまだまだリアリティが乏しいので、モチベーションを持ちにくいでしょう。
うーむ、何か打つ手はあるんだろうかと考えて出た結論は、「そうだ中国へ行こう」です。短期留学でもいいから、行くっきゃありません。それで、彼らの熱気に触れながら、彼らができないことを見つける。
北京大学に留学していた日本人の女子留学生に話を聞いたことがありますが、現地では噂通りに並ぶことをしないと言います。それでバス通学だから大変だったそうです。しかし、そんな経験をすると「すごく根性がつきますよ」と付け加えてくれました。
ほらね。短期留学でもインターンシップでも何でもいいから、とにかくアジアに出てください。それが、これから最も有効な就活対策になっていくのではないかと思うのです。
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