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2010年6月 4日 (金)

あるキャリアチェンジの話(前編)

ボクが自分でブログを始めたのは、大変に不愉快なことに遭遇したからです。

 もともと某出版社のサイトでブログを不定期に掲載していたのですが、ある時に見てみると閉鎖されているではありませんか。ボクには事前にまったく何の連絡もありませんでした。

 それでメールで問い合わせると、「すいません」(もっと丁寧でしたが、ボクにはそれしか感じられませんでした)というだけ。テキストが戻ってくるわけでもなく、それっきりで終わり。あまりに無礼なので、それなら自分で作ってやろうと思ったのが発端です。

 しかし、あのブログで書いた内容の中には、自分でもまあまあだと考えているものがあったので、パソコンの中から探し出して、今の立場で訂正しつつ再録してみます。もう読んだと感じられた方々にはご容赦を。

 2008年秋のリーマンショック以前は、日本でも金融がミニバブルの状態となっていました。その頃に、妻が夫を殺してバラバラに解体し、あちこちに捨てた事件が発生。大変に失礼ですが、女優の小雪さんに似た女性が犯人として起訴されました。この頃の金融系ビジネスの活況を念頭にして、以下をお読みください。

********

 この事件は、当初から「セレブ妻」や「偽セレブ婚」と騒がれていましたが、ボクにはどうも違和感がありました。彼らが住んでいたのは、確かに東京都内の新築高級マンションでしたが、賃貸で月額20万円。それで果たして「セレブ」なのでしょうか。

 六本木ヒルズなんて、家賃が月100 万円の住戸だって特別ではありません。

 それでもセレブ夫婦に起きた事件のように報道したのは、夫が勤務していたのが外資系証券会社の子会社、いわば現代で最も「儲けている」と考えられている業種だったからだと思います。ライブドア事件の時も似たようなものでしたが、いわく、お金持ちのセレブでもこんなに悲惨な事件が起きますよ、という見せしめ的な風潮すら感じます。

 しかし、事実は全然そうではなかったろうと、ボクは考えているのです。

 以下の感想と分析は、あくまで新聞や雑誌の報道に基づいており、ボクが調べたことではないので、勘違いや誤認もあり得ることを事前にお断りしておきます(間違ってたらゴメンねという意味)。

 その上で注目していただきたいのは、殺されたMさんの経歴です。客観的に見ても、極めて現代的なキャリアアップに成功した、かなり優秀な人だったと思います。

 報道によれば、彼は中央大学を卒業した後に、弁護士を目指して法律事務所でアルバイトをしていたそうです。殺された時の年齢は30歳ですから、今から約8年前。1998年~99年は司法試験合格者が着々と増員された頃です。しかも司法試験では有名な中央大学(おそらく法学部で間違いないでしょう)出身ですから、そのまま受験生を続けていれば、遅くとも3~4年後には合格できたのではないでしょうか。

 ところが、彼は結婚を機に司法試験を断念。法律事務所から不動産会社を経て、外資系証券会社の子会社で、不動産信託の会社に入社したとされています。ここで、年収1000万円以上といわれる待遇を得ました。

 昔の伝統的な常識であれば、司法試験が無理なら、同じく法律系の国家資格である司法書士、あるいは行政書士に転向します。最近はなぜだか行政書士も超難関になってしまいましたが、あの当時は、司法試験を断念しても、わずか半年で行政書士に合格したという人が実際にいたほどです。

 彼は、こうした法律系の定石ルートでなく、不動産会社を経て不動産信託へと転身しました。このあたりの感覚がスゴいなぁと、ボクは思うわけです。人間は、苦労して得たものを何とか捨てずに活用していこうと考えるのが普通です。おそらく在学中から法律を勉強してきたはずであり、中でも司法試験にハマると「足抜けはヤクザより難しい」などといわれています。合格すれば、どんな年齢であろうと、少なくとも弁護士にはなれますからね。

 それを断念するだけでなく、法律系からいささか遠い、投資・金融系の分野である不動産信託会社を選んだ。しかも、外資系です。転身に葛藤はあったはずですが、後で述べるように、時代性を十分に理解していた人だと感じられます。

 ここで不動産信託を簡単に説明すると、不動産の「証券化」と、その前後の運用ということになるでしょう。たとえば収益性の高そうな駅前のビル1棟を買おうとすれば、途方もない資金が必要になりますが、その権利を小口の証券に分けることで複数の投資家が参加できます。

 これが「証券化」です。そのビルに入居したテナントからは毎月の家賃収入が得られるので、そこから必要経費や維持費、それに運用手数料などを差し引いたお金を、総口数に分けて配当するという仕組みです。

 老朽化したビルを建て直す、あるいは隣地と合わせて再開発する場合も、この証券化は有効に機能します。銀行だけでなく、市場から直接に資金を調達できるので、機動的で効率の良い不動産活用が可能になるのです。たとえば駅前の山本ビルといった特定の不動産を小口化する証券化もありますが、現在のトレンドになっているのは、投資家から投資法人に集まった資金を、不動産投資信託委託業者が受託して、株式や債券ではなく、不動産に対して投資運用するというものです。

 こうした不動産投資信託は、1960年頃に米国で開発された手法で、英語ではReal Estate Investment Trustとなることから、これを略してリート(REIT)とも称されます。投資家にとっては、株式投資のようなハイリターンは期待できませんが、運用するのは不動産だけですから、比較的ローリスクで賃料などの手堅く安定的な収益が得られることが魅力となります。

 こうした不動産の証券化には、不動産の正確な資産査定が不可欠となります。

 たとえばオフィスビルとして運用した場合の収益や、売却した時の価格などを精密に算定しておかないと、配当利回りなども予測できないからです。このため、不動産投資信託事業には不動産鑑定士による鑑定が義務づけられているのですが、さらに、その上位にあたる資格の創設も検討されているようです。

 ですから、不動産鑑定士という資格もなかなか魅力的ということになります。他の資格にはない、国土庁など役所からの地価調査の依頼があることで知られていますが、不動産投資信託分野に進出して、大型案件にかかわればかかわるほど高い報酬も期待できるというわけです。これまでは3次まである長期の試験制度がネックでしたが、06年度からは短答式と論文式の一回2段階試験に変更されているので、今ならオススメの資格だと思います。

 ちょっと寄り道しましたが、ともかく、こうした投資用不動産の調査・取得や運用、売却などの実作業を行うのが、Mさんが転職した会社だろうと想定できます。

 中でも、外資系となると、別の事情も考慮しなければなりません。

 というのは、少し前に、バブル崩壊で不良債権となった不動産を、外資系の金融・証券会社が集中的に安くまとめ買いしていたことがあったからです。これを「バルク・セール」と呼んだのですが、そうして買い叩いた不動産は日本中に及ぶともいわれています。

 しかし、もはや不動産を保有しているだけで価値がどんどん上昇するような時代ではありません。これらの不動産から購入価額を上回る収益を得るためには、オフィスビルにするなどの有効活用をしなければならない。そこで不動産信託を利用するというのは、無理のない理屈ではないでしょうか。

 そうした「バルク」の不動産を扱っていなかったとしても、彼はしがない司法浪人から劇的にキャリアアップしました。ビル1棟でも購入や建築に数億円はかかります。信託報酬もそれなりに高額になるので、彼の収入が1000万円超というのも十分に納得できます。

 その一方で、妻は名門女子大学を卒業しても、念願の航空機客室乗務員にはなれず、派遣社員だったそうです。仮に、妻のために、彼が敢えて司法試験を捨てて、キャリアチェンジを決意したとするなら、これほど悲しい結末はありません。

 でも、彼女が報道のように、本当にセレブを望んでいたのであれば、なぜ貧乏なはずの司法試験受験生の頃に結婚したのでしょうか。その気になれば、医師や若いITベンチャー経営者との合コンの機会はいくらでもあったはずです。なのに、なぜ彼女は、司法試験に合格もしていない彼を選んだのでしょうか。

 ボクにも経験があるのですが、若い頃の貧乏なんて、そんなに辛いことではないはずです。何しろ未来があるのですから。

 Mさんがキャリアアップしていく過程で、2人とも大切な何かを置き忘れてきたとしか考えられないのです。であるなら、殺したとされる妻が離婚を選ばなかったことも納得できます。もしかしたら彼女にとって、最も幸福だったのは、むしろ経済的に不安定な結婚当初だったのかもしれません。

 しかし、男は、夫であろうとすれば、それに甘んじることはできないのです。収入が男の価値を決めるのであれば、いつまでも受験生を続けるわけにはいかないでしょう。これ以上の憶測は失礼なのでやめますが、およそ「セレブ志向の妻」による犯罪ではないと、ボクは推量するのです。(続く)

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