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2010年10月21日 (木)

失敗の本質−戦略の本質

「オレは首切り役人なんだよ」

 新しく赴任してきた編集長は、バーボンのロックをガブリと飲んだ後で、ツバでも吐き出すような苦い表情で言いました。

 ボクがはるか大昔に5年ほど携わっていた、ある雑誌の話です。

 戦争でいえば、最前線は総崩れで、退却もやむなしという状況でした。何しろ、営業責任者が広告料を激安に設定したおかげで、いくら広告が掲載されても赤字という事態に突入していたからです。マージンもそれだけ少なくなるので、広告代理店だって動くはずがないのです。

「一度下げた広告料は、まず元に戻りませんよ」とボクが忠告したにもかかわらず、「特別キャンペーン期間ということにすればいい」とゴリ押しした結果でした。

 そんなこんなで、編集長が交替したのですが、ボクがいくら改善提案を出しても、まるで受け入れられません。理由を訊ねた時の答が冒頭のセリフです。さらに、「この雑誌は名刺替わりなんだよ」と言われました。ベラボーに経費のかかる名刺なんですけどね。

 そして、彼の通告通りに雑誌は休刊=廃刊となりました。こんなことは誰でも予想していたことですが、驚くことに、その反省というか失敗の理由について一度として検討されることはありませんでした。

 幹部の皆様は、お約束のように本社以外の関連会社に左遷されました。それが結論といえばそうでしょうけど、これでは何の経験にもなりません。失敗したならしたで、理由を分析しなければ次も同じことになってしまいます。

 そんな思いを引きずっていた頃に出会った本が『失敗の本質−日本軍の組織論的研究』(ダイヤモンド社)でした。今では中公新書になっているので、探せばあるはずです。

 これは目からウロコの名著であり、是非、皆様にオススメします。日本軍をここまで客観的に、かつ戦略的なミスを明解に指摘した本は初めてでした。

 その続編が、『戦略の本質−戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ』(日本経済新聞社)です。サブタイトルはいかにもなビジネス本ぽくて内容にそぐわないとボクは思いますが、やはりアタマの中がスッキリする本です。

 この本で分析されているのは、下記の戦争です。

●毛沢東の反「包囲討伐」戦

●バトル・オブ・ブリテン

●スターリングラードの戦い

●朝鮮戦争

●第4次中東戦争

●ベトナム戦争

 いずれも劣勢と見なされていた側が勝利した要因を、様々な視点から分析しています。元プロ野球監督の野村氏は「不思議な勝ちはあるが、不思議な負けはない」と言っていたように記憶しますが、一つの戦いにおける勝因と敗因は実はコインの裏表で、密接に関連しています。

 特にボクが深く納得したのは、「バトル・オブ・ブリテン」と「第4次中東戦争」でした。前者は当時最強だったドイツ空軍による英国本土爆撃、後者も破竹の勢いでシナイ半島まで占領したイスラエル軍に対するエジプト側の反撃がテーマです。

 イギリスもエジプトも、軍事面ではるかに劣っており、誰が考えても敗北は避けられないという状況でした。にもかかわらず、両国ともに勝利しました。その戦術的な方法は、同書を購入して読んでください。短い文章ではとても説明できません。

 ただし、戦略的な要諦はボクなりに理解できました。

 両国ともに、この戦争を「特定の目標と締め切り日」を持つプロジェクトだと認識していたことです。イギリスの場合は、ドイツ空軍に爆撃を諦めさせること。エジプトも、イスラエル軍のシナイ半島からの撤退です。

 つまり、戦争に明確な目的が設定されていだのです。

 その一方で、たとえばドイツ軍はロシアとの開戦など、戦争目的と方向がズルズルと無際限に拡大していました。イスラエルにしても、シナイ半島まで占領した時点で、どこまで中東戦争を拡大していくか、世界の世論もあって、戦略構築が混乱していたと考えられます。

 このため、イギリスも制空権を奪還したからといって、直ちにドイツに攻め入ることはしませんでした。エジプト軍も同じです。初期の戦略目標を完遂したら、その段階で作戦を終了。追撃などしていません。

 ボクはこれを読んで、「プロジェクト」というのは、こういうことなのだと深く納得したのです。

 企業経営の基本は「存続」ですが、仕事の局面ではこうした「プロジェクト」は何度も実施されます。そこで肝心なのは「目的と期間」なのです。どんな到達目標を設定し、いつまでに完了させるか。

 そのための戦術構築であり、人員や資材の最適配置なのだと感じいったわけです。

 このプロジェクトが、しばしば会社の屋台骨まで揺るがすことになるのは、「目的と期間」が当初の設定から逸脱して、希薄になっていくからです。「名刺替わり」なんて、まさにその典型でしょう。

 昔から「戦略」という言葉を使う人は少なくなく、菅政権でも「戦略的互恵関係」などと言いましたが、それがいかに内実を欠いた言葉の大安売りであるかを、しっかりと認識させてくれる名著です。

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