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2010年10月 1日 (金)

やらないよりは……

  以前にも書きましたが、政府並びに行政が力を入れている「就職対策」は、ちょっと本筋からズレているのではないでしょうか。要するに、「やらないよりはやったほうが……」ということばかりなのです。

 でも、それが言い訳となって、ストライクゾーンへの「選択と集中」ではなく、むしろバラまきになっていないかと危惧します。

 特に大きなムダを感じるのは厚生労働省ですけど、これは以前に書いたので、今回は文部行政を中心に考えてみます。

 文部科学省では、大学に対する横並びの補助・助成金に加えて、2002年から公募・選定による「競争的」な財政支援を行ってきました。「21世紀COE(センター・オブ・エクセレンス)」に始まり、「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」「現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム(現代GP)」など、今では「国公私立大学を通じた大学教育改革の支援」として実に様々なプログラムが設定されています。むしろ、どんどん増えてきたといっていい。

 その中には地域活性化やキャリア教育というテーマもあって、これはこれで一定の役割を果たしてきたと思います。大学による地域貢献の多くは、このプログラムによる助成で実現したのではないでしょうか。

 キャリア教育にしても、それまでおざなりだった人材教育の側面を浮上させ、大学入学時点から社会に出ることを前提にした勉強を意識させるものです。これまでの大学にはなかった取り組みですから(立命館大学が1999年に初めてキャリアセンターを設置)、評価はできるでしょう。その実効はさておき、ですけどね。

 そして、2009年には「大学教育・学生支援推進事業」として「学生支援推進プログラム」(テーマB)を実施。これは「就職支援の強化など総合的な学生支援」としており、続いて第2次補正予算を財源として「就職支援推進プログラム」も公募・選定しています。

 ここまでなら新卒就活が大変だから、と納得できますが、今年度も「大学生の就業力育成支援事業」を実施しました。当初は130件の選定を予定していたのですが、「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」を踏まえて180件に増加したそうです。

 これに選定されると、5年間に渡って年間2000万円程度の補助金が交付されます。この金額の多寡はボクには判断できませんが、単純計算で年間に36億円となります。

 いえね、別にそれがイケナイなんて思いません。今時の子供たちですから、学生の就業力育成は「やらないよりやったほうがいい」し、それに補助金をつけることもいいでしょう。

 けれども、すでに大学設置基準を改正して「社会的及び職業的自立」のためのキャリア教育が来年4月から義務化されます。「大学生の就業力育成支援事業」で選定された180件は、そのためのグッド・プラクティス(模範的事例)と考えられますが、これでは大学の個性や自主性ってどこにあるの、と。

 重ねて言いますが、「やらないよりはやったほうがいい」けれど、ちょっと本筋がおざなりになっていないでしょうか。

 というのも、昨今の就職状況では、企業も就活本で出来上がったような学生に興味なんか持たないはずです。だって、そんな学生たちが山のように押しかけてきますから。では、何が通用するのか。文部科学省が「就業力」というのであれば、ボクはむしろ「修業力」ではないかと。

 大学生であるなら、「修業」とはやはり大学での勉強ですよね。たとえばドイツの哲学書を原文で2年間かけて読み通したなんてことでもいいじゃないですか。ドストエフスキーなら評伝含めて全部読破して分析したでもいい。確かに社会に出たらそんなことはほとんど役に立ちませんが、何かの勉強や研究に集中して没頭した経験は仕事に必ず役立ちますってば。

 ボクも実はそうですけど、文学部なんて就職には最も縁遠い学部と言われてきました。それでも、なくなったりはしていません。もしも、企業が半端な即戦力を求めているのであれば、大学に文学部なんてとっくになくなっていたでしょう。あったとしても教員や研究者養成が目的となって定員はかなり減少していたはずです。

 ということは、企業は経済学や経営学的な知識を持つ人材だけを評価しているわけではないってことです。

 どんな学部でも、勉強は必ず役に立ちます。さもなければ、大学生にしかできないことに力を込めて一定期間集中する。そういうことを支援・叱咤激励するのが本筋だろうとボクは思うわけです。

 採用担当者による「キミにとって大学とは何だったのか」という質問に対して、明確で根拠が確かに認められる回答ができることが就活の基本ではないでしょうか。

 だから、何度も言いますが、「ウチは就職教育なんかしません。そのかわりに教員と教育は一流。だから諸君も成績が悪ければビシビシ留年。強制退学もあり」という大学もあっていいのです。

 もう一律でカタにはまった金太郎飴の学生なんて、大企業も求めていないし、それでは日本は変われません。様々な大学が様々な教育を行い、様々な学生を育成することで、飛び抜けた人材が生まれてくるとボクは考えます。明治期の高等教育はごく僅かな帝国大学と数多くの私学が競うようにして発展してきました。上からではなく、そうしたマーケット側のエネルギーが今こそ必要ではないでしょうか。

 大学の構造的な問題や教員の資質ということもあるでしょうけど、文部科学省が予算を牛耳って大学を思うように管理しようとするのは、もはや時代に逆行しているとボクは考えます。生物多様性の大切さも言われているじゃないですか。

 1991年の大学設置基準の大綱化は、そういう意味だったはずです。

 その条項の中に「大学は、学部等の専攻に係る専門の学芸を教授するとともに、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性を涵養するよう適切に配慮しなければならない」(第192項)とあります。そのための方法や方向はもっといろいろあっていいのになあと思うわけです。

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