笠木恵司の主な著書

  • キャリア・チャレンジ2009-2010
  • 資格試験合格後の本
  • 学費免除・奨学金で行く大学・大学院進学・休学・留学ガイド
  • 価値ある資格厳選200
  • インターネットでMBA・修士号を取る
  • 腕時計雑学ノート
  • 「国際標準」ビジネス資格完全ガイドブック
  • 日本で学べるアメリカ大学遠隔学習プログラム
  • テレビ局完全就職マニュアル
  • 資格の達人
  • MBA入学ガイドブック
  • 学んで! 遊んで! 役に立つ! インターネットキャンパス
  • 日本で学べるアメリカ大学通信教育ガイド

お気に召したら、ポチっと↓

  • 笠木恵司のブログ

福助くん その6

  • D_p1000397_s
    福助くん、9歳の秋です。 ちょっと長めの散歩をして、世田谷公園へ。 紅葉と福助をご覧くださいまし。

福助くん その5

  • 赤いサルビア♪
    2010年秋の福助くん。とある週末に埼玉県所沢市にある航空公園に行ってきました!

福助くん その4

  • 1 毎年恒例の・・・
    今さらですが、今年の花見の福助くん。ご近所の目黒川に行ってきました。

福助くん その3

  • 1 田舎に行ってきました!
    飼い主の田舎に行ってきた福助。うららかな春を迎えた大自然のなかで、いつもと違った表情に。

福助くん その2

  • 定位置
    平日は会社にいる福助。こんな感じの毎日です。

福助くん その1

  • 5djustice3f5d5575e032a1
    笠木の飼い犬。甘えん坊でちゃっかり屋の8歳。雄。

« バーゼルワールド2011雑感(3) | トップページ | バーゼルワールド2011雑感(5) »

2011年4月 4日 (月)

バーゼルワールド2011雑感(4)

 いやあ、すごい日本人時計師が登場しました。しかも、まだ28歳ですからねえ。

 何から説明すべきか迷ってしまいますが、まずはAHCIをご存じでしょうか。日本語に訳せば「独立時計創作者アカデミー」となり、時計関係者から「アカデミー」と呼ばれている集団です。ハイレベルな技術を持つフリーランスの時計師が参加しており、カラブレーゼやアンデルセンなどを輩出してきました。

 このスゴ腕時計師が集まったアカデミーが設立されたのは1984年。アジアでは唯一、中国のキュー・タイユーがメンバーでしたが、今年初めて日本人をメンバー(準会員)として迎え入れたのです。それだけでも素晴らしい快挙であり、事情が良く分からない人は、たとえばオリンピックの陸上100メートル競争で、外国人ばかりが常連の決勝戦で日本人がメダルを取ったようなものと考えてください。

 このアカデミーへの参加は会員の推薦が必要なのですが、あのフィリップ・ディフォーを自ら訪ねたというから、若手ながら根性も度胸も本物です。

 彼の名前は、菊野昌宏。バーゼルワールド2011のAHCI展示会場で自分のショーケースを持っていました。その中には、やはり日本人時計師では初の永久カレンダー・トゥールビヨン(グランド・コンプリケーション)が展示されており、並外れた技術力を証明しているのですが、もっと驚かされたのは「不定時法」を表示する腕時計があったことです。

 これがあったからこそ、フィリップ・ディフォーが推薦したというのが正確な順序になるでしょう

 この時計については、またもや説明が必要になります。

 日本では明治6年(1873年)に太陽暦が導入されるまでは、夜明けと日没までを6等分、日没から夜明けまでを6等分していました。電灯がない時代にはとても便利な方法ですけど、夏場は昼間の時間が長く、冬場には短くなります。たとえば同じ「巳」の刻でも、夏と冬では単位時間の長さが一定していないので「不定時法」と呼ばれたわけです。

 このため当時の時計は、テンプを昼用と夜用の2つ備えて、そのオモリの位置で振動速度を調整したり、ダイアルそのものを夏冬で取り替えるといった方法で対処していました。そして、江戸後期にはダイアル上のインデックスの間隔を次第に変えていくという複雑な「自動割駒式」の時計が考案されました。

 この「自動割駒式」和時計を、菊野さんは何と腕時計にしてしまったわけです(撮影:2点ともに、堀内僚太郎)。

Kikuno1_2

 この腕時計では、辰、巳、午といったインデックスにあたるコマが、夏は間隔が広くなり、冬は狭くなることで「不定時」を表示します。しかも、夏から冬時間に一気に変わるのでなく、1年をかけて次第に広くなり、再び狭くなっていきます。

 巳の刻といっても、今では誰にも通じませんけど、この時計の現代的なメリットは、その日の「日の長さ=明るい時間」と「夜の時間」が分かることです。昼と夜の時間が同じ春分の日には、このインデックスのコマは均等に並び、それから昼の時間が最も長い夏至に向けて、次第に辰、巳、午、未というコマの間隔が広がっていき、逆に夜の部分を表すコマは間隔を狭めていくわけです。

 ダイアルでは、ブルースチールの装飾針の先端が「不定時法」の時刻を示しており、昼と夜で構成された1日を表示するため、24時間でダイアルを1回転します。これだけでは実用的ではないので、その上部の金色の針が通常の12時間による時分を表示します。つまり、普通の時計としても使えるところがポイントなわけです。

 とにかく、これまで見たこともない時計であり、とっくに忘れ去られたはずの「不定時法」を世界で初めて腕時計として蘇らせたところに、素晴らしいオリジナリティを感じます。

 この不定時法は、ヨーロッパでも古代に使われていたということで、菊野さんは昼と夜をそれぞれ12分割した「西洋版不定時法」による腕時計も発表しています。

Kikuno2_2

 こちらは昼のインデックスが白地に黒、夜の部分が黒地の白抜き数字になっているので、昼と夜がもっと分かりやすいですよね。

 ムーブメントのベースはETAですけど、ブリッジや前述のブルースチールを含めて、ほとんどが彼のハンドメイド。こうした時計技術もさることながら、傑出したアイデア、オリジナリティではありませんか。

 AHCIの展示会場で彼と立ち話をした後に「他の日本人時計師のように、きっとスイスの時計ブランドにスカウトされて、こちらで活躍することになるんでしょうね」と訊ねてみました。

 すると「いえ。僕は日本で時計を作っていきたいのです」と答えました。

 これには感動させられました。実に嬉しいじゃないですか。ぜひとも日本で頑張っていただきたいものです。

 いずれ様々なマスコミで取り上げられるでしょうが、この心意気を忘れずに、スイスも驚くような時計づくりに挑戦してほしいと思います。

ランキングに参加しています。お気に召したら、ポチッと↓

笠木恵司のブログ

« バーゼルワールド2011雑感(3) | トップページ | バーゼルワールド2011雑感(5) »

時計」カテゴリの記事

*禁・無断転載

  • このブログ内に掲載されているすべての文章、画像の無断転載、転用を禁止します。他のウェブサイトなどへの転載を希望する場合は、必ず著者へご一報ください。
2019年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

Amazonウィジェット

無料ブログはココログ