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2011年8月10日 (水)

就職難と暴動

 イタリアのミラノからフィレンツェに行く列車で、サッカーファンの集団と乗り合わせたことがあります。

 

 ボクは座席をちゃんと予約していたのですが、やたらに混んでいて、その席には若者たちがすでに座っていました。拙い英語で「ボクの予約席じゃないか」と言いながらチケットを見せたのですが、相手は日本人サッカー選手の名前を連呼するだけで、言うことを聞かない。実は、この時点でボクは彼らがサッカー観戦に行くとは知らなくて、アタマに来て日本語で怒鳴りつけました。外国人相手のせいか、意外にも素直に席を譲ってくれましたが、何という礼儀知らずな連中だろうと憤慨していたわけです。

 

 ところが、ある駅に到着すると、その列車から数多くの若者たちが、ノボリみたいな大きな旗を持って降り始めました。ボクの回りも同じで、ほとんどが下車して、一気に列車の中は閑散としたのです。そのかわりに、駅のプラットフォームに大勢の若者たちが集まって、どよめくように歌を始めました。中にはスキンヘッドにナチのハーケンクロイツを入れ墨した若者もいたので、コトここに至って、初めて事情が分かったわけですね。全部がそうではないにしても、試合で何かあれば、フーリガンになりかねない勢いだけは分かりました。

 それを考えると、後で冷汗がどっと出ました。

 

 知り合いに聞いてみると、ヨーロッパでは若年層の就職率が低く、しかも格差社会ですから、そうした不満をサッカー観戦で晴らす傾向が強いそうです。イギリスで超零細の支社を持っていた頃も、近所のスタジアムでサッカーの試合があると、盗難や暴行があり得るので、外に出るなと言われたことがあります。

 

 もちろんサッカーに罪はありません。フーリガンという言葉があるように、一部のファンが暴徒化することがしばしばあったのですが、その背後には就職難や所得格差による根深い不満があるということです。

 

 イギリス各地で暴動が起きているという昨日の報道を見て、その頃のことを思い出しました。テレビによれば、相変わらず大卒者でも就職難が続いているほか、景気が悪くなると、その皺寄せは立場の弱い移民などに集中します。実際に、店舗に侵入して掠奪している人たちに白人はほとんど見かけません。世界同時株安なんて言われますから、おそらくこうした暴動は頻発していくのではないでしょうか。

 

 では、日本はどうなのか。ちょうど文部科学省の「学校基本調査」(速報値)が発表されたばかりなので、2011年卒業者の就職率を見てみると61.6%。昨年が60.8%ですから、0.8ポイントほど良くなったようです。例によって、この数字は全卒業者に対する就職者の割合なので、大学院進学者や留学・専門学校などへの入学者を差し引く必要があります。それで計算すると、実質就職率は77.0%となります。

 

 この中には「一時的な仕事に就いた者」も含まれているので、それを実質的な無職として母数に加えた「正社員」としての就職率を最計算すると、73.8%にダウンします。少なくとも、この調査の実数として「一時的な仕事に就いた者」が1万9146人、「左記以外(それ以外)の者」として8万7988人。つまり、大学を卒業しても約11万人近くが非正規雇用または無業者ということになります。

 

 これは全卒業生に対して19.4%となり、新卒の5人に1人は非正規雇用または無業者という驚くべき比率なのです。これはあくまで平均であって、各大学が公式発表した就職率では50%以下というところもあります。つまり、その大学を卒業しても2人に1人程度しか就職できなかったわけです。

 

 もはや「就職超氷河期」などというレベルではなく、大学の存在や教育意義までも問い直さざるを得ない緊急事態だと思いませんか。

 保護者としては、せっかく4年間の教育投資を行っても、就職の見込みが乏しければ、専門学校のほうが短期で学費が安くて就職率も高いではないかとなります。卒業後に始まる日本学生支援機構への奨学金返済も、非正規雇用や無業者には大きな負担となって、返済できない人が増加するでしょう。

 

 この学校基本調査によると、極端に就職率が低下したのは昨年からで、これは2008年秋のリーマンショックによる国際金融危機の影響で企業が求人数を絞り込んだと考えられるでしょう。加えて今年は東日本大震災に、世界同時株安と超円高ですから、就職環境には悪材料ばかりです。

 その一方で、大学進学率は50%以上で、いつの間にか誰も言わなくなりましたが「全入時代」といってもいい。

 

 新卒でうまく大手企業や安定企業に入社できた人は、会社や労組が守ってくれますが、それに失敗すると非正規雇用が常態化していきます。ここが日本の新卒就職の大きな問題であり、人生におけるほんの一時期の失敗が生涯に及ぶことになるのです。

 それを解消するためには、年功序列の撤廃に伴う雇用の流動化しかないとボクは考えています。要するに、地位や立場給でなく、厳密な職能給にして、転職を常識的な行動にしないと、再チャレンジを阻むだけでなく、意欲や向上心まで殺すことになるのです。

 

 このままでは、正社員と非正規雇用または無業者の格差固定が強まっていき、いつかヨーロッパのように不満が爆発する時がくるかもしれません。

 

 ボクがせいぜい考えられるのは、一定規模以上の会社に一定数の新卒の採用義務を課して、2~3年後に彼らを再選抜するということでしょうか。いずれにしても、「痛み」をみんなで共有しない限りは、ひたすら格差社会に突き進むような気がするのです。

 

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