震災後のPTSD
東日本大震災から10か月が経過しました。
テレビでも報道されているように、現地の復旧・復興はじれったいほど遅れており、加えて失業保険が打ち切られる時期を迎えるそうです。短期の仕事はあっても、正社員の職は乏しいため、将来への不安は募るばかりではないかと推察します。何度も批判してきましたが、これこそ野田首相が「不退転の決意」かつ「ネバー・ネバー・ネバー・ネバーギブアップ」で取り組むべき課題ではないかとボクは思うんですけどねえ。消費税なんて、払うのはボクたちでも、行動は国会の中だけのことではありませんか。
さて、例によって有料原稿の仕事なので、詳細には書けないのですが、とにもかくにも激動期を乗り切った被災地で、これから問題になるのがトラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)だそうです。
ベトナム戦争の帰還兵がアルコール中毒や深刻な不眠などに悩まされたことから、こうした心的障害の研究が始まったといわれますが、レイプ被害なども同様で、身体の傷はいつか癒せても、心の傷は長期に渡って本人を苦しめることになります。
普通に考えれば分かるように、震災直後は救援やら居場所の確保などで慌ただしく、そんなことを感じる余裕なんてありません。また、震災後しばらくしてから心理カウンセラーも数多く動員されていたので、表面的にはおさまったように見えます。
けれども、何とか形だけでも落ち着いた段階から、今度はトラウマやPTSDが深刻化してくる可能性があります。ボクが取材した大学教授は、「コミュニティのトラウマ」にも注目していました。個人はもちろんですが、それが地域共同体にも強い影響を及ぼしていくことになるというのです。
大都市部では地域のコミュニティはほとんど崩壊しているので想像しにくいのですが、単純に考えても、放射能汚染で住民が分散したり、転出者が多くなれば、昔から住んでいる人にとって強い喪失感につながるでしょう。親族などを亡くした人にとっては二次被害・三次被害に匹敵すると表現すべきことかもしれません。
ボク自身に同じような体験はないので、これ以上の想像はむしろ失礼だと思うので控えますが、こうした心の側面からの復興支援に取り組んでいる大学の先生がいることを知っていただきたいなと思ったのです。
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