年功序列
日本企業が海外展開を活発化して、新卒の外国人採用も増加。なんてことは、もはや耳タコの話題だと思いますが、それによって問題になりそうなのが、やはり年功序列賃金なんですよね。
たとえばアジアの某国から日本に留学してきて、猛勉強して英語や日本語を覚えたとしましょう。もちろん、それ以外の勉強も必死でやります。そして、それなりの好成績を得たせいか、有名な日本企業に入社できたとしますよね。「やったぜ!」みたいな感じで鼻高々で故国に電話すると、家族や親戚も大喜びです。
けれども、意気揚々と入社した後で、初任給をもらって愕然とするわけです。これは日本人も同じでしょうけど、「これだけかい」という失望です。アルバイトのほうがまだ高給だったような気がしたりしてね。ボク自身も昔はそう感じました。「勤続年数が多くなればなるほど給与も上がっていくんだからさ」と言われてボクたちは納得せざるを得ませんでしたが、果たして外国人はどう感じるでしょうか。
福利厚生も十分だし、生涯に渡って安定した雇用が約束されているとしても、故国の期待を一身に背負って日本にやってきたアジアの人に10年先20年先はいかにも遠く、何とも満たされない思いが残るのではないでしょうか。
だったら外資系のほうがいいじゃんか、と転職してしまう人だって予想できます。
それに気づいて、人事制度を国際標準化する企業も出てきたようですけど、これはまだまだ一部に過ぎません。
掛け声だけは「国際化」とはいっても、会社の中はちっとも国際標準ではないわけですね。人材の国際化を進めながらも、人事や賃金制度はちっとも国際化されていない。こういう不満がそろそろ噴出してこないかと、実は気がかりなのです。
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