諦めが早すぎる
もう10年以上も前から、某ブランドのあるタイプの靴を愛用してきました。色も黒と決めていることから、購入する時も二足一緒で、一方は日常履き、もう一方は取材用としてきたのです。
このうち取材用の靴がいささか疲労してきました。4月下旬には例によってスイスの時計展示会に出張するので、これを補充しようとデパートに出かけたわけですよ。ブランドもタイプも色も決まっていますから、普通は素早く終了するショッピングなのですが、残念ながら指定のサイズが在庫切れ。「メーカーにも在庫がなく、新規入荷はゴールデンウィーク明けになるそうです」と説明されたので、「それでは間に合わないので結構です」とボクは売り場を後にしました。
さて、この店員の応対を皆さんはどう思いますか。「普通」と考える人が大半でしょうね。ボクもしつこく引き留められるのは好きではないので、これはこれで正解のように見えなくもありません。
けれども、ですよ(このフレーズ最近多いですね)。特定のブランドの特定の色の特定のサイズが在庫にない、だから仕方がないというのであるなら、売り場に人間の店員が必要でしょうか。たとえば巨大な靴の自動販売機を置いておいても結果は同じで、しかも人間を雇うより圧倒的にローコストじゃないですか。インターネットに「本日の在庫状況」を詳細にアップしておいてもいいですよね(これってマジにいいアイデアだと思いますけど)。
ボクも事前に電話で問い合わせておけば良かったと後悔しましたが、いずれにしても、せっかく客が売り場にやってきたわけですよ。にもかかわらず「在庫切れ」を理由に追い返すような結果になるのは残念だと感じないのでしょうか。ちょっと諦めが早すぎねぇかとボクは思うのです。
想定される優等生の反論は「ないものはないのだから売れないですよね」とか何とかでしょう。けれども、それで追い返されたボクはどうすればいいのか。別のデパートに探しに行けばいいだけですが、それはそれで面倒ですよね。かくして、そのデパートを手ぶらで後にすることは不快感しか残らないのです。昔の共産圏のデパートじゃないんだから、もうちょっと親身になって客のケアを考えろよってね。
しかし、何度も繰り返すようですが、指定の商品がたまたま在庫にないわけです。であるなら、ボクがそのブランドのそのタイプの黒い靴になぜこだわるのかを訊ねてみるなり自分で考えてみれば、それと似たような靴がオプションとして浮上しませんかねぇ。たとえばそれを勧めてみることが、人間の店員にしかできないコンサルティングなわけですよ。
しつこい勧誘は論外にしても、店員として給料を貰っているなら、そのような販売努力をするべきです。それこそが「あなたがそこにいる理由」なのに、あまりにも諦めが早すぎる。これって、そのデパートの靴売り場に限ったことではないようにも思います。
後日談ですけど、新宿の某デパートの靴売り場でもやはり在庫は切れていましたが、その後の対応はまるで違うものでした。やればできることを、現実にやっている人たちは案外少ないということにも気づいたほうがいいようですね。
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