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2014年4月15日 (火)

洗脳

 

 子供の頃に、旋盤工だったオヤジが夕飯の途中で「これからはZDだからな」と呟いたことがあります。戦前の尋常小学校中退で英語なんてロクに知らないはずなのに、何となく嬉しそうに「ゼット・ディー」と繰り返していました。

 

 その意味を訊いてみると「ゼロ・ディフェクト」、つまり欠点や欠陥をゼロにしようという社内運動だったのです。何がオヤジをそんなに嬉しがらせたのかよく分かりませんが、最近の日本経済新聞連載「私の履歴書」で当時の工場などの雰囲気を理解することができました。

 

 トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎氏による執筆で本日は第14回となりますが、1960年に発売した2代目コロナの失敗から、QC推進本部を設置してデミング賞に取り組んだ経緯が紹介されています。その結果として「すべての従業員が責任を持つという意識改革が進んで製品の質は向上し、成果は64年に発売した3代目『コロナ』で大きく花開いた」とあります。

 

 上司と喧嘩ばかりして様々な会社を渡り歩いてきたオヤジですから、そんな大企業に勤めてはいませんでしたが、何しろ名古屋なのでトヨタの影響がじわじわと中小企業にも浸透していったのでしょう。大企業がやっている最先端らしきQC運動に自分も参加できるということが、プライドの高かったオヤジを興奮させたのかもしれません。

 

 そうした運動を否定するつもりは毛頭ありませんが、その一方で「創意くふう提案やQCサークルも活発になった」と著者が語るような状況にするためには、あまり良くない表現ですけど、ある種の「洗脳」が必要になると思うのです。脱落者はもちろんとして、QC運動を否定する人たちを出さないような「同調圧力」も不可欠ですよね。たとえば「そんなことをしたって豊田一族を儲けさせるだけだぞ」なんて大声で言うヤツがいたら、すべてぶち壊しですから。

 

 ある人がいみじくも指摘していましたが、この連載を読みながら思い出したのが鎌田慧による体験ルポルタージュ『自動車絶望工場』です。自ら季節工として潜り込み、「1972 912日火曜日」から始まる日記スタイルでトヨタの工場における苛烈な現場労働が克明に描かれています。あくまで個人的な感想ですが、会社員としての意識改革がQC運動とするなら、人間に可能な生産性を最大限に発揮させる労働改革が当時の「トヨタ式生産システム」だったのかもしれません。いわばアタマとカラダの双方で効率化を進めてきたともいえるのかな。

 

 もう40年以上も前のことですから、現在では技術革新によって工場のシステムや労働の内容なども大いに変わったはずです。ただし、使い捨てに近い非正規労働はどんどん拡大してきましたけどね。

 

 そうした雇用問題はさておき、ボクがつくづく感じるのは、「洗脳」というのは自ら望んでそうなることであって、一方的な支配・強制や催眠術まがいのテクニックでやれることではないということです。敗戦直後なら「負けたアメリカに追いつき追い越せ」という気分が日本全体に共通しており、その上でかつての軍国主義にかわる具体的なスローガンとしてQCが会得された可能性は否定できないですよね。そして、それをみんなで目指すという一体感が快感になっていたんじゃないかな。それと同じように、といえばこれまた語弊はあるでしょうが、客観的に見れば不合理極まりないカルトにしても、そこに「救い」や「心地良さ」を感じるからこそ入信しちゃったりするわけです。

 

 高度成長期に「夏場に遊び回っていたキリギリスが冬になって食べ物を分けてもらおうとアリさんのところに行ったら全員が過労死してました」なんて冗談は不謹慎として排除されただろうし、本人が望まないのに洗脳を無理矢理にデ・プログラミングしようとしても効果は乏しくならざるを得ません。

 

 結局は、あらゆる意味での「快感」を基本原理として人間は動くと考えるのが現実的であり、それは個人だけでなく、職場や産業、社会や国家レベルに至ってもまったく同じではないかと思うのです。そうした快感原理を利用したセミナー商法が今も存在しているわけですから、ボクたちは21世紀になってもなお科学的・客観的・批判的な思考を持ちきれない生き物だなぁと。それこそが「人間だもの」という見方もあるのではありますが。

 

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