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2014年6月18日 (水)

社内奨学金制度

 

 1998年頃だったか、アメリカ・シアトルのスターバックス本社を経営評論家と一緒に取材したことがあります。テーマは、給料以外で社員の意欲を喚起する方法でした。飲食サービスは他産業に比べて社員の定着率が著しく低いのですが、スターバックスは異例といっていいほど高かったので、その理由を取材するために渡米したのです。

 

 後の話にも続くので、この時に聞いたことを簡単に紹介しておくと、入社早期から「ビーンストック」と呼ばれる持ち株を購入できる制度を持っていました。社員はすなわち株主でもあるということで、全米各地で社員株主のための総会を定期的に実施。社長自ら経営状態や方針を説明してから質疑応答するということでした。また、社員からの提案をオープンに受け入れる環境が整備されており、ヒット商品のフラペチーノも社員提案が始まりで、発案者には報奨金が授与されたそうです。

 

 これらは取材当時の話であって、現在も続いているとは限らないので鵜呑みにしないで欲しいのですが、そんなスターバックスについて、昨日の日本経済新聞夕刊に「米スタバ、従業員に奨学金」という外電が掲載されていました。この記事によれば、米国で働く135000人の従業員を対象として、アリゾナ州立大学のオンライン講義を受講できる奨学金制度をスタートさせるそうです。2年間で最大3万ドルまでを補助しますが、返済する必要のない「給付」であり、勤務継続などの義務も伴わないとしています。

 

 かつて経費丸抱えで社員をアメリカに派遣留学してMBAを取得させたのに、帰国直後に退職した社員を「カネ返せ」と提訴した日本企業がありました。地裁で会社側が勝ったせいか、留学に際して帰国後何年以内は退職しないという誓約書に捺印させたり、学位取得直前に退学させるなど、実にセコいなぁと思わせる対策が目立ったこともあります。優秀な社員は、その会社を退職したとしても日本の財産であることに変わりないだろうと思うんですけどね。とにかく、バブルの頃にもかかわらず、こういうつまらない発想をする会社があったわけです。

 

 それに比べて、返済不要の奨学金で最大3万ドルですよ。さらに経済的理由で大学を中退する従業員が増えているとして、同大学の3~4年生に編入する場合は授業料を全学支給するそうです。このあたりの事情については、堤未果著『ルポ貧困大国アメリカ』『ルポ貧困大国アメリカⅡ』(岩波新書)をぜひ読んでみてください。アメリカの大学の学費がいかに高騰しているか、そして奨学金団体の民営化で大変なことになっている実態が報告されています。日本でも私立の学費は安いといえませんが、アメリカよりはずっとマシということがよく分かります。

 

 話を戻すと、この外電だけでは本当に無条件で135000人全員が奨学金を貰えるのかどうか、学業における達成要件の有無など疑問はいろいろとあります。それでも、ボクたちが参考にすべきことは2つほどあると思うのです。

 

 1つは、社会人の教育において、アメリカの企業は大学を信用しているということです。MBAを取ると初任給が上がるなんて典型的ですよね。ところが、日本では社内研修にこだわる傾向が強く、企業が大学教育を信用していないフシがあるのです。その証拠に、入社後に大学院に入学してMBAを取得しても待遇に反映されにくいですよね。その一方で、採用段階では入試偏差値の高い大学が優先され、最近では高校の名前で選別するとも言われています。要するに大学の教育内容ではなく、入学段階でのアタマの良さばかりを評価・判断してきたのです。

 それでは社員教育を大学に委ねるなんて発想が出てこないのは当然ではありませんか。これは勝手な思い込みもあって、ボクは某有名評論家に「日本の大学なんて全然ダメじゃないか」と叱られたことがあります。その当時でも大学は急速に変化しており、自分の経験だけでモノを言うなよと心の中で憤慨したことがありますけどね。

 

 ちょっと長くなりましたが、もう1つ。スターバックスでは大学教育だけでなく、社員も信用しているということです。少なくとも、そうした前提がなければ、こんな太っ腹な奨学金制度を導入しないでしょう。

 アメリカの人事政策は、朝に解雇を言い渡されて午後は私物を持って追い出されるドライなものと考えられていますが、そうした会社ばかりではないようです。

 

 むしろ、社員を、いや人間を信用することが、企業の信用につながると認識されているのではないでしょうか。誰だって自分を好きな人は好きになるけど、自分を嫌いな人や信用していない人を好きになったり信用したりしないですよね。それと同じで、飲食サービス業としてファンを維持していくためには、顧客に好かれることが最重要なので、まず最初に社員を人間として信頼し愛さなければいけない。従業員を大切にしない企業が、同じ人間である顧客を大切に思えるはずがないからです。

 そうした理念を社会的にアピールするという意味なら、今回の奨学金制度は優れて現代的で効果の高いマーケティングでありマネジメントではないかと思うのです。

 

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