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2015年3月 6日 (金)

悪の凡庸さ

 

 ヒトラーが率いたナチスドイツは600万人のユダヤ人を虐殺したといわれています。現在でも破壊によって隠蔽された強制収容所を探している研究者もいるようですが、日本人のボクにとってどうにも理解しがたいのは、それが人種差別や憎悪によるものだったという解釈です。

 

 現代の日本でも民族・人種差別は問題になっているので、鬱積した社会や自分に対する不満や怒りのはけ口として、関東大震災(1923年)直後のような虐殺事件が発生する可能性は否定できません。けれども、その被害者が何百万単位となれば、量は質へと変化して、話はまったく違ってくるじゃないですか。

 強制連行するだけでも人員と手間がかかるほか、収容所を作って鉄道の専用線も敷設。ガス室で短時間に殺戮できたとしても、埋葬にはやはり人手が必要となります。つまり、ホロコーストが非人道的で悪辣な所業ということだけを意識すると見過ごしてしまいますが、その運営には大変なコストがかかるということです。

 

 このため、ナチスドイツも当初は大量虐殺を予定していなかったといわれます。あくまでも労働力としての活用を意図したらしいのですが、それがうまくいかなかったのか、あるいは戦争が激化した影響のせいか、1942年に「ユダヤ人問題の最終的解決」が準備されました。それまでも100万人近いユダヤ人が虐殺されていたとウィキペディアにはありますが、この「最終的解決」をヒトラーが命令したことで、人類の歴史に類を見ない規模のホロコーストが推進されたわけです。

 

 だったら、なぜヒトラーはあれほど執拗で念入りなユダヤ人狩りを行ったのでしょうか。労働力というのは収容後の結果論であって、それを最初から目的にしていたとはとても思えません。後述するように、その頃のユダヤ人はそれなりに豊かだったと考えられるからです。そんな人たちをわざわざ強制収容所に連れてくるのは経済的に逆効果であって、そのままで税金を取ったほうが合理的ではありませんか。

 ボクは政治家の人道的な倫理をまったく信用していませんが、それと同じ理由から非人道性にも限度があると思っています。だからこそ政治家に本当の意味での極悪人なんているはずがないと考えているのですが、果たして差別意識や憎悪だけでこれほどの大量虐殺ができるものでしょうか。

 

 あまりに不勉強なもので、これまで読んできた本の中に明確な答を見つけることはできませんでした。

 そのかわりに、ボクが発想したのはやはり「経済的理由」なのです。第一次世界大戦敗北後に課せられた莫大な戦争賠償金がドイツの復興を阻害し続けたのですが、このブログで以前に書いたように、再軍備が経済発展を促進したと仮定すると、その起動には何よりも資本が必要となります。賠償金支払いに苦しむドイツにそんなカネがどこにあったのでしょうか。

 かくてヒトラーは、ユダヤ人の財産に目をつけたのではないかとボクは推測するわけです。彼の著書『わが闘争(マイン・カンプ)』の中で、暖炉の火のそばで幸福そうに団欒するユダヤ人の家庭を、雪が降り積もる窓外から子供の頃のヒトラーが見ていたという描写が出てきます。この本はプロパガンダのための虚飾が少なくないとも評されていますが、それにしてもユダヤ人=カネ持ちという印象をみんなが持っていたと想像できるではありませんか。

 

 2000年ほど前に国を失ったユダヤ人は世界各地に散りましたが、そのおかげで土地を持つことはできませんでした。これは昔の農業経済のもとでは貧困の決定的な理由となったほか、ゲットーに隔離されることも珍しくなかったようです。

 ところが、経済の基本が貨幣に移行していく段階で、国境近辺での両替商など金融業を中心に独自の地位を築くことになりました。今でも「ゼニカネを扱うのは賎業」という前近代的な道徳意識を持つ人がいますが、ユダヤ人にとってはそれしか活路がなかったことから異才を発揮したといえるでしょう。

 大金持ちの銀行家で有名なロスチャイルドも、『ヴェニスの商人』に出てくる冷血な金貸しのシャイロックもユダヤ人といえば分かりやすいですよね。

 

 というわけで、第二次世界大戦前夜のヨーロッパには裕福なユダヤ人が多く、それゆえに差別=妬み嫉みの対象となっていたようです。このことをヒトラーが見逃すはずないだろうと思うんですよね。要するにヒトラーは、ドイツ再建に必要な財産を根こそぎ奪うために、ユダヤ人を強制収容したのではないでしょうか。そして、その処理に困ったことから「最終的解決」に至ったとボクは考えているのです。

 

 そうしたヒトラーの意図をどこまで理解していたかは分かりませんが、アドルフ・アイヒマンのように「命令されたから」という理由だけで、極めて合理的・効率的にローコストで人殺し=最終的解決を遂行していく「能吏」も数多く存在したとボクは想像します。

 

 このアイヒマンについて、ユダヤ人哲学者のハンナ・アーレントは「悪の陳腐さ」または「悪の凡庸さ」と分析したことから、当時はナチスの悪逆非道を擁護する意見でないかと猛烈な非難・攻撃・脅迫にさらされました。それを描いた映画『ハンナ・アーレント』が2013年に公開されましたが、彼女が指摘したのは、思考を停止した機械のような人間はアイヒマンと同じように「悪逆非道」ができるということではないでしょうか。特別な悪が特別な人間によってなされたわけでは決してなく、陳腐で凡庸な人間が言語を絶するような所業を犯してしまう。だからこそナチズムのような全体主義は怖いのだとボクは理解しました。

 

 さて、この長い文章でボクが言いたいことを分かりやすくまとめれば、これは過去の話では決してなく、似たようなことは現代の日常で小さく細かく、しかも絶えず起きているということです。

 それを大きな悲劇に増幅しないためには、やはり貧困を撃退することでしょう。貧困は社会的には戦争を、個人的な日常ではマイノリティに対する差別と憎悪を生みます。ただし、この貧困は相対的な感覚でもあるので、現実的な課題としては格差を拡大させないことですよね。さもなければ、いつか鬱憤と不満が暴動や騒乱につながり、やがては紛争が戦争に発展することは歴史が証明しているではありませんか。

 

 次に、企業や行政といった組織の中でも、個人いや人間としての倫理を持ち続けるということでしょう。これは決して難しいことではなく、「それって人間としてどうよ?」と常に自分やまわりに問いかけることだとボクは思っています。

 

 この2つが実行できれば、悲劇の芽は何とか摘み取れるのではないかと期待するのですが、これって理想論ですかねぇ。

 

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