愚直
愚直。辞書では「正直過ぎて気が利かないこと」「正直なばかりで臨機応変な行動を取れないこと」と解説されており、オマケに「馬鹿正直」という言葉まで添付されております。
「直」はいいとしても、それに「愚」をつけたら良い意味になるはずがない。この言葉を造った人は、正義を貫くことが愚かなことだと思っていたんでしょうね。ということは、すごくアタマはいいけど、根性がねじ曲がった、本当にイヤらしい奴だろうなと想像してしまいます。
それを実証するかのように、最近は政権+行政関連の小狡い実態がバンバン明らかになっております。「忖度」とか「総理のご意向」なんてね、それって何だよ。近場の目端が利く奴ばかりが東大を出て官僚になったら、この国はちょっとヤバいっすよ。
そうした不正を監視すべきメディアも、卑劣・卑怯の誹りなんか屁みたいなもので、とにかく「売れたもの勝ち」だもんね。『週刊文春』が『週刊新潮』の中吊り広告を事前入手して、特ダネの後追いならまだしも、先行取材を偽装するみたいなことが発覚しました。
本日発売の『週刊文春』では、面白いことに池上彰氏が自身のコラムで、この事件を取りあげていました。これを掲載拒否すると文春も朝日新聞の轍を踏むことになるので、自社批判もやむなしとなったのだと思います。彼のコラムは、例によって最初は中立的なスタンスでしたが、最後は「文春さん、狡賢いと言われても仕方ありませんよ」と結ばれています。そういえば、あの会社は東大比率がすごく高いと聞いたことがあります。
この結論に至る前段として、「事実とすれば、汗をかかずに情報を得て競合誌に並び立てるわけで、新潮社側はさぞ悔しいだろう」「我々まぬけで良かったかもしれませんね、先輩」という某新聞のコラムが紹介されておりました。そんなことを言い切れる会社かなという疑念はありますが、まぬけだの愚かだのと言われても、絶対に不正をしない・許さないというのはメディア自身にこそ必要な姿勢ではありませんか。
それが揺らいでいるのは、やはり結果重視の風潮であり、それを促進しているのが「受かったもの勝ち」の受験教育というのがボクの見立てなんだけど、どうでしょうかねぇ。
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