笠木恵司の主な著書

  • キャリア・チャレンジ2009-2010
  • 資格試験合格後の本
  • 学費免除・奨学金で行く大学・大学院進学・休学・留学ガイド
  • 価値ある資格厳選200
  • インターネットでMBA・修士号を取る
  • 腕時計雑学ノート
  • 「国際標準」ビジネス資格完全ガイドブック
  • 日本で学べるアメリカ大学遠隔学習プログラム
  • テレビ局完全就職マニュアル
  • 資格の達人
  • MBA入学ガイドブック
  • 学んで! 遊んで! 役に立つ! インターネットキャンパス
  • 日本で学べるアメリカ大学通信教育ガイド

お気に召したら、ポチっと↓

  • 笠木恵司のブログ

福助くん その6

  • D_p1000397_s
    福助くん、9歳の秋です。 ちょっと長めの散歩をして、世田谷公園へ。 紅葉と福助をご覧くださいまし。

福助くん その5

  • 赤いサルビア♪
    2010年秋の福助くん。とある週末に埼玉県所沢市にある航空公園に行ってきました!

福助くん その4

  • 1 毎年恒例の・・・
    今さらですが、今年の花見の福助くん。ご近所の目黒川に行ってきました。

福助くん その3

  • 1 田舎に行ってきました!
    飼い主の田舎に行ってきた福助。うららかな春を迎えた大自然のなかで、いつもと違った表情に。

福助くん その2

  • 定位置
    平日は会社にいる福助。こんな感じの毎日です。

福助くん その1

  • 5djustice3f5d5575e032a1
    笠木の飼い犬。甘えん坊でちゃっかり屋の8歳。雄。

« 少数派 | トップページ | 『小雨降る径』 »

2017年10月 3日 (火)

奇妙な部屋(前)

 

 今は建て替えられて真新しいビルになってしまいましたが、若い頃に半年ほど働いていた大手町の某ビルに奇妙な部屋がありました。

 

 2畳程度の細長い廊下みたいな空間で、窓はありません。そのせいか、夏でもコンクリートの冷たい湿気を感じる部屋でした。そこに灰色のイスと机が1セットと、蛍光灯のスタンドがあるだけ。普通の家やマンションならクローゼットかなと思うくらいのスペースですが、何しろ大手町の大型ビルですからね、そんな個人的用途とはおよそ考えられません。

 

 フロア自体は柱が少ない開放的な空間にもかかわらず、どういうわけだか変則的な狭小スペースがあったらしい。そんなところにわざわざドアをつけること自体が無駄じゃないかと思うくらいですが、この密室の隔離感がボクたち記者にとっては原稿書きの絶好の環境となったのです。

 

 どう考えても合理的な存在理由は見つからなかったのですが、ボクたちは自虐的に「お仕置き部屋」とか「折檻部屋」というニックネームで呼んでいました。締め切りがもうすぐなのに原稿がちっとも進まないという切羽詰まった状況の時に「ちょっと折檻部屋に行ってきまーす」という感じですね。デスクから「お前さあ、そろそろ折檻部屋行ってこいよ」と促されて、「げっ!」という用法もあります。

 

 今のようにケータイなんてなかった時代に固定電話も置いてなかったので、何からも煩わされないというメリットがある反面で、前述したように窓がないですから、世間のことや時間の経過がほとんど感じられません。原稿に集中して「やれやれ終わった」と外に出たら、デスクも含めてみんな飲みに出て誰もいないなんてことはしょっちゅうでした。

 

 さて、この部屋で明け方まで原稿に取り組んでいた奴がいます。

 彼は原稿用紙のマス目を埋めながら(当時はワープロすら普及していなかったので)、ふと奇妙な物音に気づきました。仕事をしながら聞く気もなく耳に入れていると、どうやら人の声らしい。何か言っているようだけど、あまりに小さくて聴き取れないので、2Bの鉛筆を止めて、じっと耳を傾けるようになりました。

 

 すると、しくしく泣いているような若い女性の声らしいことが分かったのです。もしかすると、ここは本当に折檻部屋だったのかなと背筋がひんやりしたそうです。

 それと同時に、壁に残された消し損いのような薄い落書きにも気づきました。ほとんど読み取れないのですが、目を近づけて何度も見直すうちに、どうやら9月31日と書いてあることが分かりました。9月は小の月で30日までしかないので、31日なんてあり得ません。「なんだこりゃ」と不思議に思うと同時に、それまで小さくて聴き取れなかった人の声のような音が、悲しそうな泣き声に変わり、いつしか恨みを込めたような重低音になっていきました。その声が酸素を奪ってしまうのか、次第に息苦しくなり、このままでは窒息してしまうぞと意識した時に「はっ」と目覚めたそうです。

 

 何だよ夢だったのかと笑いながらも、あまりにも現実感が強かったので、すぐに部屋を出て、オフィスの端にある来客用のソファにへたり込みました。落ち着いてから、念のために例の部屋のほうを振り向いて見ると、ドアの隙間から灯りが漏れているではありませんか。スタンドを消して出たはずなので、そんなはずがない。腕時計を見ると深夜の3時半です。誰もいないのに、なぜだろうと訝しく思いながらも、たった1人でドアを開けるのが怖ろしくて、書類をそそくさと片付けて会社を出たそうです。

 

 あまりにも不思議な体験をしたので、翌日の午後に彼はビルの管理室に行きました。そこで最古参の警備員に「あの部屋はいったい何ですか」と聞いたわけですね。

「何かありましたか?」

「何かありましたかということは、以前に何かあったんですか?」

「まぁ、なくもなかったですけど」

「だったら教えてくださいよ」

 

 という会話から分かったのは、、、、、、、長くなったので、この続きは来週月曜日にしようかな。ネタ枯れで適切なブログのテーマを思いつけなかったので、いくらかの事実に基づいたホラーの習作にチャレンジしてみました。くれぐれも実話だと思わないでください。

 

ランキングに参加しています。お気に召したら、ポチッと↓

笠木恵司のブログ

 

 

 

« 少数派 | トップページ | 『小雨降る径』 »

小説・創作」カテゴリの記事

*禁・無断転載

  • このブログ内に掲載されているすべての文章、画像の無断転載、転用を禁止します。他のウェブサイトなどへの転載を希望する場合は、必ず著者へご一報ください。
2019年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

Amazonウィジェット

無料ブログはココログ