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福助くん その6

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    福助くん、9歳の秋です。 ちょっと長めの散歩をして、世田谷公園へ。 紅葉と福助をご覧くださいまし。

福助くん その5

  • 赤いサルビア♪
    2010年秋の福助くん。とある週末に埼玉県所沢市にある航空公園に行ってきました!

福助くん その4

  • 1 毎年恒例の・・・
    今さらですが、今年の花見の福助くん。ご近所の目黒川に行ってきました。

福助くん その3

  • 1 田舎に行ってきました!
    飼い主の田舎に行ってきた福助。うららかな春を迎えた大自然のなかで、いつもと違った表情に。

福助くん その2

  • 定位置
    平日は会社にいる福助。こんな感じの毎日です。

福助くん その1

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    笠木の飼い犬。甘えん坊でちゃっかり屋の8歳。雄。

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2018年11月

2018年11月15日 (木)

潮が引いたら

 

 本日はボージョレー・ヌーボーの解禁日です。と聞いて、おおおおっと目を見開く人は、バブル経済の体験者と考えて間違いないと思います。

 

 今年に収穫された葡萄を使ったワインの新酒が、11月の第3木曜日に全世界一斉に解禁されるってことなのですが、一時期はお祭りみたいなバカ騒ぎでしたもんね。空輸される新酒を成田空港で待ちかねて、時差の関係でどこよりも真っ先に飲むというパーティが開かれたこともあります。

 

 ところが、あははははは、流行の衰退はものすごく早くて、というか定着し損なったというべきか、ピーク時の2004年に比べて輸入量は半減しているそうです。そんなわけで、テレビでも話題にすることがめっきり少なくなりました。そのかわりに今時はハロウィンですから、紆余曲折、じゃなかった栄枯盛衰は激しいですな。

 

 ワタクシの場合はもっぱら白ワインなので、いくら身体に良いポリフェノール入りとはいっても、赤ワインはあまり好きではありません。ボージョレー・ヌーボーは赤のみと法律で決まっているらしいんですよね。ボージョレーはフランスの地域名なので、白ワインのボージョレーは存在しても(希少らしいですけど)、ヌーボーと名乗れるのは赤だけなのです、エッヘン。

 

 ちなみに、ボージョレー・ヌーボーとは、そもそもがその年の葡萄のデキを確認する試飲用のワインなので、ボクはあんまり美味しいと感じたことはなかったなぁ。ナマ若い感じが先立って、ちっともフルーティではないのです。だったら、よく冷やしたシャルドネのほうがウマいと思いますけどね。

 

 かくのごとく、日本ほど潮の満ち引きが早い国は世界でも稀なんじゃないかなぁ。ボージョレーの生産者にとっては、あれだけヌーボーを欲しがった国が、10数年たったらバッタリと来なくなったという感じかもしれません。

 

 そうした流行に追いついていくエネルギーが老化で減少したのか、それとも興味がなくなったのかは自己判断できませんが、やっぱね、クラシックはいいっすよ。ジャズのスタンダードもいいなぁ。ディキシーもスウィングもいいけど、とにかく浮き世の厳しい錬磨を生き延びてきたタイムレスな生命を持つモノに、強く惹かれるようにもなってきた今日この頃なのです。熱狂という潮が引いた後でも残ったモノ、と言い換えられるかもしれません。

 

 なお、明日から海外取材と超遅めの夏期休暇で、しばらくブログをお休みとさせていただきます。12月の最初の週、3日から再開する予定ですが、何か面白い話題やテーマがあればアップするので、たまにはチェックしてみてください。

 

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2018年11月14日 (水)

ヒトデ食った?

 

 ある人からの伝聞ですが、職場で若い男子が「今朝はヒトデ食った」と話したそうです。

 

「えっ、ヒトデって食べられるの?」と女性たちの喧しい話題になり、「いや食べられないですよ、そんなもの」とか、「苦みを我慢すれば何とか」というワケの分からない活発な意見が交錯したそうです。

 

 で、結局、昼過ぎになって、ジャンケンで負けた子が真偽を確認に行くことになったそうです。料理の方法も知りたかったのかな。しばらくして彼女が戻ってくると、たちまち人だかりができました。

 

「でさ、どうだったのよ」とお局さんタイプの女性。

「はい。単なる聞き間違いでした」

「いったい何をどう聞いたらヒトデになるのよ」

「つまりですね、彼は今朝ヒートテック着た、だから暑いと言ったらしいんですよね。それで今朝ヒートテック着た、今朝ヒトテック着た、ヒトデ食ったと音便変化したらしいんですよね。私、文学部の日本文学専攻だったんで」

「あたしは教育学部だけど、知ってるわよそんなこと。そっかぁ、んで暑いってのはどこへ行ったのさ」

「さぁ。確かにそのフレーズがあれば、訊き直したかも知れませんよね」

「ヒトデ、のところでびっくりして聴き取れなかったんだろうな」

「どーもそうみたいです」

 

 こうして文章で書くとあんまりインパクトはないなぁ。会話にすると笑えるので、試してみてください。

 

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2018年11月13日 (火)

正義は我に?

 

 2015年1月16日に「不寛容な時代」と題したブログを書きました。それなりに歴史を踏まえており、自分ながらまとまった内容になっていると思います。2017年にも「寛容vs不寛容」として意見を書きつけましたが、そうしたボクの危惧なんかまったく無視して、不寛容はますます増大してきたように思います。なんてったって、その世界的な筆頭はアメリカのトランプ大統領ですもんね。CNNを「フェイクニュース」と言い切り、自分に批判的な記者を出入り禁止にするなんて、不寛容の極みといえるじゃないですか。「シンゾー」も似たところありますが。

 

 こうした不寛容な人たちの論拠はまったく簡単で、「正義は我にあり」という信念、時には妄想です。信念はあっていいけれども、それを客観的に判断する自己批判の精神を欠いていれば、あっという間に妄想にエスカレートしていきます。それだけでなく、他者に対する攻撃にも発展するから始末が悪いんだよな。これまで正義の名のもとに行われなかった戦争なんかありません。真珠湾攻撃だって、アメリカから見れば卑怯な不意打ち・闇討ちの奇襲でも、日本は自衛のための攻撃であり、アジアを植民地から開放するという大義もあったとされています。実際に戦後になって独立を果たした国は少なくないですからね。

 

 つまり、正義なんて、いくらでも言い訳を付け足すことができる変幻自在なスローガンに過ぎないのです。にもかかわらず、日常的な礼儀やマナーやルールまで神経質に厳守を求める人がいるから閉口します。そりゃね、決め事は守るべきですよ。けれども、絶対というわけでもないでしょう。誰だって何かの事情で逸脱してしまうことだってあるじゃないですか。それをいちいち目くじら立てて注意するのは、正義の遂行というより私怨に近いことが少なくありません。早い話が鬱憤晴らしじゃないですか。そんなくだらないストレス解消の言い訳にされた正義のほうが大迷惑ってものです。

 

 そうした正義をふりかざすヤカラが、現実にもネット社会にも急速に増殖しているように感じるのはボクだけなのかな。ヒトラーのナチズムも、日本を染め上げた軍国主義も、正義と不寛容がセットになっていました。貧困や不幸による怨嗟は、他者への攻撃が何よりの癒やしになるので、そうした昔の事例はもとより、アメリカの低所得者層が大金持ちのトランプを支持するのは決して不思議なことではありません。

 

 というわけで、格差が広がれば広がるほど、社会はどんどん不寛容になっていきます。他人とすれ違うたびに角を突き合わせて、互いの正義を言い募る。それでハッピーになれればいいけど、心はどんどん荒れ果てていきます。ボクは信者ではありませんが、やはりキリストのように「赦す」ことから始めなければ、誰も幸せにはなれないですよね。お願いだから、もっとやさしく、寛容になろうよ。他人の悪いところを探すより、いいところを探した方が、自分のためになると思うんだけどなぁ。

 

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2018年11月12日 (月)

イナゴの日

 

 以前にご紹介したテイクアウトの紅茶ショップに、どんどん人が集まっております。週末の夕方には数十人規模の行列ができているだけでなく、ドリンクを手にしたら、それと一緒に必ず自撮りですもんね。味もさることながら、「インスタ映え」する要素も強いのでしょうか。カップルもたまに見かけますが、ともかく若い女の子が圧倒的に多い。女性はネットワーク型の生き物なので(理由は前のブログを参照してください)、SNSで急速に情報が拡散しているんじゃないかな。彼女に連れてこられたと思われる男の子は、自分が行動の主体ではないせいか、ポツンと所在なさげなのが印象的でした。

 

 どういうわけか駅前のマクドナルドの周辺に人が集まって、不思議な雰囲気を醸していることもあります。友達連れもいるはずなのに、人だかりというほど密度を高めているわけではなく、異様に静かなんですよね。どうしてだろうとしばらく観察して、ようやく分かりました。皆さんスマホに見入っており、つまりはポケモンをやっているらしい。いかなる新種か珍種かは知りませんが、それが出没することを、こちらも人伝てならぬSNS伝てによって拡散したんじゃないかな。知り合いでもない人が蝟集しているので、「やぁどーもどーも」というオッサン的な挨拶もなく、それなりの距離を置きながら、ただただスマホをいじっているのです。

 

 こうした風潮を不愉快とか気に入らないということではありません。公的な歴史には残されていませんが、似たようなことは大昔からあったはずです。ただ、流行が過熱すればするほど冷えるのも早いのが人の常ですから、あの紅茶ショップも、いずれは潮が引くように客がいなくなることは十分に考えられます。それが年内か、それとも来年以降かは知りませんけどね。

 

 実際に、まだオープンはしていますが、一時期は大きな話題になったトンカツ屋さんも「今は昔」という風情になっています。ネットの普及で、マーケティングは牧歌的なプロペラ機の時代からジェット機になったという分析もあるようですが、何のことはない、要するに話題になったもん勝ちなんですよね。それが炎上だろうが何だろうが、SNSで頻繁に取り上げられるようになれば、集客そのものは大成功間違いなしってことです。

 

 けれども、ブームが去った後はどうするのでしょうか。それも見越した価格設定をするとなれば、近年の流行は短命化してきたので、資金回収を急ぐなら高価にならざるを得ません。かといって、SNSの主役である若い子たちが手を出しにくい価格になれば、話題にのぼる可能性も乏しくなります。このあたりの採算判断が実は最も難しいところじゃないかな。

 

 いずれにしても、数年間をビデオの早回しで見たとすれば、局所的に人が集まり始めて、みるみるうちに増加したと思えば、しばらくすると別の場所に向けて一斉にいなくなる。これって、イナゴの大群に似ていますよね。

 

 アフリカなどの大陸に突如として大発生し、草という草を食い尽くして地面を丸裸にしたら、次の場所を目指して大移動する。このため数年は食糧生産ができなくなり、飢饉になることもあったそうです。

 

 調べてみて初めて知ったのですが、普通のイナゴはそんな大災害をもたらすことはないそうです。トノサマバッタなどが「相変異」して大量発生することが、蝗害(こうがい)と呼ばれる現象を引き起こすとされています。「相変異」はボクもまだちゃんと理解していませんが、「個体群密度」の関係で一斉に変化するらしい。何かの理由でバッタが大発生して幼虫が過密な環境で育つと、尋常ではない形態変化を起こすと考えればいいのかな。たとえば翅が長くなる一方で足が短くなり、頭とアゴが大きくなるだけでなく、それまでは食べなかった植物までエサにするようになる。そして、普通の種は互いに離れようとするのに対して、近づき合ってやたらに群れることが顕著な特長なんですよね。

 

 人間だって狭い地球上に75億人もいて、1年で7000万人ずつ増えていますから、バッタと同じように「相変異」しつつあると考えてもヘンではないでしょう。翅はなく、2本足で姿カタチは太古からまったく同じとしても、手にはスマホがあり、クルマなどの高速移動手段を私有しています。それによって、美味しい場所に先を争って大移動し、消費し尽くしたら一斉に次の場所を目指す。ホラね、誰かの行動をみんなが真似して追っかけるというのは、まさにイナゴと大差ないじゃないですか。人類全体が「相変異」によって完璧にイナゴ化する日は、そんなに遠くないような気がする。これって、宇宙人の眼から見たら生物学的なホラーといってもいいんじゃないかな。

 

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2018年11月 9日 (金)

不便で面倒が楽しい

 

 かつてバイクに乗っていた頃は、天気予報を始終チェックしていました。出先で雨が降り出したら即座にずぶ濡れですからね。そんな時には天井のついたクルマをしみじみ羨ましく思いましたが、いざ購入して乗り込んでみると、箱の中に座っているのと同じで、ちっとも面白く感じない。景色はすべてガラス越しで、空気感も希薄で匂いもない。テレビゲームのカーレースとどこが違うのでしょうか。ある地域や空間を走り抜けているという、リアルな臨場感にまったく欠けているんですよね。

 

 北海道に行った時には、朝から晩まで雨の中を走り通し、靴の中までしみこんでいたことがあります。しかも、翌日は雪だったりして。それでも、そのほうが圧倒的に愉快ですから、後になれば良い思い出になります。2輪しかないので、ちょっと気を抜くと簡単にコケるし、車体を傾けながらカーブを抜けるのも案外難しい。要するに、不便で面倒で、しかも危険なのですが、それが楽しいのです。

 

 服装もボクは似たようなことを感じます。そりゃもうスーツなんかよりカジュアルのほうが圧倒的に楽で便利に決まっています。ジーンズにトレーナーなら秒速で着替えが終了しますが、スーツはそうはいかない。ネクタイをきちんと締めて、カフリンクスで袖口を留め、革靴を履く。おっと、チーフも選ばなきゃ。着慣れないボクなんか、ネクタイにうまくディンプルが作れないというだけで30分くらいかかったりします。着れば着たで、スーツは姿勢が大切ですから、息を抜いて背中を丸めることもできません。堅苦しくて不便で面倒な格好なのですが、だからこそ気分がシャキッとして気持ち良く感じるわけです。

 

 現在ではドレスダウンというのか、上着まわりがスーツっぽいのに下はデニムで、ついでに足元はスニーカーなんていうスタイルをしばしば見かけるようになりました。ジーンズにネクタイなんて、10年前はアメリカ人しかやらなかった格好ですが、ついに日本にも本格上陸したようです。

 

 確かに便利で楽で合理的なスタイルではあっても、ボクはそうした折衷があまり好きではありません。どうせスーツを着るなら、それらしく隙間なくビシッと決める。さもなきゃ個性的なカジュアルにしたほうがいい。みんながやり始めたからそろそろ真似していいよね、というのも好きではないんだよな。先人が舗装した道より、険しいデコボコ道のほうが走り甲斐があると思うんだけど。

 

 ともかく、楽で便利より、不便で面倒なほうが何かと面白くて人生が楽しくなるってことを、もうちょっと知るべきじゃないかな。

 

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2018年11月 8日 (木)

生き残り競争?

 

 深夜に年齢別の死亡率を見ながら、エクセルかなんかで年金の総支給額を計算している厚労省の役人、または下請けのシンクタンクの担当者の姿をイメージするんだよなぁ。

 

 年金を貰わず働き続けて70歳まで受給を遅らせると、65歳の場合に比べて、月々の年金が10万円ほど増えるという試算を厚労省が発表しました。これを「繰り下げ受給」と呼ぶらしいのですが、その魂胆は見え見えですよね。高齢化によって、ただでさえ医療費が毎年1兆円ずつ増加しているのに、年金も規定通りに支給していたら、いよいよ国家財政が危なくなる。そこで、年金の支給をできるだけ遅らせようじゃないかと合議したんじゃないかな。

 

 本日は締め切りが1つあるので死亡率を調べる余裕はありませんが、普通に考えれば65歳より70歳のほうが人口は少ないはずです。それを見定めなければ、こんな発表をするはずがない。

 

 国家的な視点では当然のことでしょうが、受給する側にとっては悩みどころです。よぉし70歳まで我慢して10万円アップだぞ、と意気込んでいた人が、直前の69歳までにお亡くなりなんてことが結構あり得るからこそ、おトクな「繰り下げ」をススメるわけでね。つまりは、言っちゃ悪いけど、隣で死んだ人が貰えるはずのカネの一部を上乗せして支給するということです。そんな「生き残り競争」を国家が公言していいのかなぁ。

 

 ボクは、そもそも国家に余計なカネを渡すこと自体が大嫌いです。とりわけ年金なんていうのは、こちらの意志を問わず、むりやりに持っていかれるのに対して、支給する段階になると「仕方ねぇなぁ」と言わんばかりの上から目線と感じませんか。銀行に預けたカネと同じで、ボクたちは正々堂々と貰う「権利」があるはずです。なのに、それを繰り上げだの繰り下げだのと、受給時期を操作しようとする「上から目線」が実に不愉快なんですよね。銀行員が「預けたカネの引き出しは70歳まで待ってください」と言ったら大暴動ですぜ。「そのほうが利息も増えるんですから」と説明されても、「いつ引き出そうが預けた奴の勝手じゃねぇか」とボクなんかは思うんだよな。

 

 それもこれも、ボクの血縁は、親子代々にわたって国家や行政を信用しない傾向が強いのです。特に親父はいつも「国にカネを渡したら何に使うか分からん」と憤慨しておりました。敗戦直後に警察官などの役人が平気で賄賂を受け取っていたことを知っているからです。そんなわけで、ボクは若い頃から「小さな政府」を望んできました。けれども、自由と民主主義を標榜する政権が連綿と続いてきたにもかかわらず、政府ならびに国家予算は「借金」も含めると年々拡大の一途ですもんね。

 

 本来は充実した福祉制度を担うのは社会主義的な政党であり、税収も支出も必然的に規模がデカくなるので「大きな政府」となります。逆に国民から必要以上のカネは取らないから老後のことも自分で面倒みてね、というのが自由民主主義を重視する「小さな政府」なはずです。にもかかわらず日本は、それぞれの「悪いところ取り」といっていい。何かと理由を付けてカネを取ろうとするデカい政府のくせに、国民に対する社会保障が圧倒的に貧弱で、それが問題にされるたびに自己責任を言い出す。

 

 国をあんまり信用すると痛い目をみるぜ、と若い人にはいつも言ってきたのですが、強いものになびく風潮がますます強くなってきたように感じるのは、ボクだけかな。

 

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2018年11月 7日 (水)

距離感

 

 ボクは凝り性の側面があって、気に入った食べ物は「飽きるまで食べる」、好きな居酒屋などにも「通いつめる」という習性があります。そのほうが自分の中にスタンダードというか価値基準ができるので、それなりに効果的なのですが、あまりにも常連になると、困った副作用が発生するんですよね。

 

 それなりに顔なじみになって話し込むようになると、どうも気持ちが緩んでくるらしく、内輪話をするようになるのです。最初のうちは、へぇそんな世界があるんだと好奇心を刺激されます。ところが、そのうちに自分も同業者のような気分になってしまう。これがね、ボクはとっても嫌いなのであります。

 

 どんな仕事にも「いいこと」と「イヤなこと」があります。そのうち「いいこと」は無用な自慢話と受け取られかねないせいか、常連に話すことは稀です。逆に「イヤなこと」を客に愚痴ることが目立つようになってきます。そんなことをボクに言われても困るんだけどなぁ。

 

 もともとライターとして、被取材者や業界との距離には注意を払ってきました。悪馴染みになってくるとどうしても記事に影響するので、遠からず、かといって近からず、がボクの基本的な姿勢です。ただし、プライベートで遊ぶところはつい踏み込んでしまい、前述のような状態になったこともあるわけです。

 馴染みであることを過大に自己評価して、いわゆる「常連面」で君臨する人もいます。しかしながら、ボクは別にその業界に入りたいのではなく、あくまでも客として楽しみたいからカネを払っているのであって、特別な待遇なんて望んでいないので、愚痴めいた内輪話なんて、はっきり言えば迷惑なんですよね。

 

 ちょいと以前も、そうした距離感をつめてしまいそうになったので、敢えて別の行きつけを作りました。常連や顔なじみになると、何かと便利なことは事実でも、適切な距離感を保ったほうがいい。お互いのためにも、そのほうがいいじゃないですか。と書いていて気がついたのですが、こんなことは会社でも夫婦でも同じですよね。無意識なセクハラも距離感を間違えた結果と言えるだろうし、あまりにも馴れ合った夫婦は喧嘩も深刻化するんじゃないかな。

 

 ただ、この距離感の判断や維持はものすごく難しいのです。近過ぎると馴れ馴れしいと思われ、遠すぎると冷たい奴となって孤独に耐えなきゃいけない。これはかなり今日的な課題だと思うけどなぁ。

 

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2018年11月 6日 (火)

換骨奪胎

 

 捉え方で意見は180度違ってくると思いますが、日本人は歴史的に物真似が上手ですよね。しかも、みごとに換骨奪胎することで、特有の文化として定着させてきました。

 

 はい、例のハロウィーン騒動であります。そもそもの背景や意図や目的なんかそっちのけで、仮装だけがどんどん増殖。しかも、どうして渋谷かという理由もまるきり不明のままに11月の風物詩になろうとしています。ほんの5~6年前には「ハロウィーンって何?」という人(ボクです)も少なくなかったのに、渋谷のバカ騒ぎはマスコミ報道によって全国に波及。わざわざこの日のために上京してくる若者も珍しくないようです。

 

 それをやみくもに批判するようになったらジジーになった証拠だけど、いかに日本流に加工しようが、もともとが「模倣」であることに哀しさや寂しさを感じないのかなぁ。「ラップ」もアメリカの下層階級が路上の音楽として生み出したものですが、あたかも昔からあったかのように日本語で歌われるようになりました。ボクはそれを聴くたびに、日本語がケガされるように感じて気分が悪くなり、耳を覆いたくなるんですけどね。

 

 そんなことを言ったら、バレンタインデーもクリスマスも結婚式も、ボクたちが着ている洋服でさえ欧米のパクリではあります。今では英語まで公用語になりつつあるので、「模倣」の何が悪いと反発されるかもしれない。

 

 オリジナルをゼロから創造するのは大変に困難であり、それが広く認められるにはもっと大変な忍耐と労力が必要になるので、ビジネスとしては二番煎じのほうが楽でトクに決まっています。市場競争は賑やかなほうが消費者の利益になりますが、ボクが憎むのは、それを恥ずかしいとはいささかも感じていないってことです。先頃は中国の「無印良品」が日本の本家を訴えて主張が認められるという驚天動地の判決が出たようですが、底知れない図々しさは大陸流で大違いといえども、真似て恥じないメンタリティはあまり変わらんとボクは思うんだけどなぁ。

 

 そうした「模倣」に慣れてしまうと、独創的な発想はむしろハイリスクとして排除されるようになります。だから、オブジーボも実用化まで右往左往。海外の企業に譲渡される寸前に日本の製薬会社が渋々引き受けたらしい。

 仮装して大騒ぎすることに文句はありません。若者は勉強と同時に騒ぐのが仕事でもあります。大昔は全共闘なんていうのがあって、新宿の地下道や横須賀などでいろいろやっていました。けれども、どんなに変質しようが、もともとは欧米の習慣のパクリから始まったことを少しは恥じてほしいなぁ。含羞こそが優れた知性の証であると、オッサンは思うのであります。

 

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2018年11月 5日 (月)

監視社会(後)

 

 ずいぶん前のことなので、時の経過にちょっと驚きましたが、米軍の施設で「象の檻」が話題になったことがあります。通信を傍受するためのアンテナが大きな檻のようになっていることから、そう呼ばれたのですが、敵国の動向だけでなく、民間の通信までチェックしていることが大問題になりました。つまり、プライバシーの侵害、もっと言えば人権侵害の疑いがあるわけですね。

 

 ところが、米国では2001年9月11日に発生した同時多発テロのおかげで、同年10月26日に「愛国者法USA Patriot Act」が発効。アメリカに対するテロの疑いがあると判断された事件では、私権の侵害もやむを得ないと法的に認められたのです。確か犯罪者の取り調べも、弁護士の立ち会い抜きで可能になったんじゃないかな。悲惨なことに、日本では昔からそうですけどね。

 

 それだけでなく、あちこちに膨大な数の監視カメラが設置され、肖像権もへったくれもなく、どんどん撮影・記録されるようになりました。事件の犯人特定や犯罪予防に役立つのも事実ですが、ボクのようにブサイクなあまりに写真なんて嫌いだぁという人でも、おそらく結構な量の画像データが蓄積されているはずです。

 

 さらには、インターネットの電子メールやSNSなどの傍受もやっているに違いありません。そして、アメリカがそうなら、同国をおよそ10年遅れで追いかけてきた日本も、似たようなことをしているに違いないと見当をつけることができます。

 

 そもそも電子メールは電話や電報とは大違いで、街角に立って大声で会話しているようなものだといわれます。だからボクは、他人の中傷誹謗や悪口や批判を一切書いたことがありません。反社会的な予備軍はもちろんとして、普通の人も常に監視されていると意識したほうがいいんじゃないかな。

 

 さらに、前回も書いたように、国民が同じ国民を監視するようになることがホントに怖いことなのです。

 

 太平洋戦争の頃には、大政翼賛会の末端組織となった町内会に「隣組」という制度があったそうです。江戸時代の「五人組」を継承したもので、民間も力を合わせて戦争を支援するために、銃後の思想統制や相互監視の役割を担っていたとされています。たとえばジャズを英語で口ずさめば「敵国の言葉だ音楽じゃないか」とか、ビアノを弾けば「この非常時に」などと非難されたわけです。それだけならまだしも、「あそこの家の息子はアカらしい」なんて、共産党員の密告や摘発も積極的に協力していました。

 

 そんなプライベートな情報は隣近所でしか分からないので「隣組」だったのですが、今や時間・空間を問わないインターネットの時代ですからね。実際に、某ジャーナリストが中東で3年以上に及ぶ拘束から解放されると、「自己責任」という声が嵐のように渦巻きました。ジャーナリストが現場でどんな活動をしているのか知らなくても、その社会的な意義についてまるで無知であっても、感想だけは誰でもアップできるのです。

 

 個人がパブリックに、あるいはSNSで意見を表明できること自体は決して悪いことではありません。ボクはかつて「草の根民主主義」として評価したくらいです。しかしながら、近年の傾向は「炎上」という言葉が象徴するように、袋叩き的な糾弾も目立ちます。もしかすると、トントントンカラリの「隣組」も、すでにSNSに引っ越したのではないかと思うくらいです。

 

 テクノロジーは決して後戻りすることなく、一方的に進化してきましたが、人間性やメンタリティなんてほとんど変わっていません。時には後退することだって珍しくはないでしょう。2000年以上も前に書かれた『論語』は現代でも十分に通用します。だったら、日本の戦前戦中の「隣組」が非制度的で無意識なカタチで復活することもあり得るのではないでしょうか。

 

 願わくば、そんな息苦しい社会になりませんように、とひたすら願うだけなのが悲しい。これが考え過ぎなら何よりなんですけどね。

 

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2018年11月 2日 (金)

監視社会 (前)

 

 ボクは一人っ子で、小学校の頃から父親の身勝手な転職による引っ越しを繰り返しているうちに、どんどん変人化すると同時に、アウトサイダー的な感覚が強くなりました。生まれた時から継続的に所属しているコミュニティがなく、親戚も極端に少なかったので、つまりは身近な利害関係者が乏しいことから、いつも状況を外側から判断するようになったということです。

 

 そんなボクにとって、近頃ひどく気持ち悪いなぁと感じるのが、スマホなど情報機器の発達による「見える化」です。この言葉は別の意味で使われている経営用語ですが、これまでは知ることができなかった個人情報がどんどん可視化しつつあります。有名人でもないのに、ネットで個人データを検索・収集できるようになっただけでなく、どこの誰がやっているかは知りませんが、「位置情報を知らせてもいいですか」などと問いかけるサイトもあるじゃないですか。ボクはどんなことにも「拒否」のボタンを押してきましたが、今後はそんな奴には閲覧させないなんてことに発展しそうな予感もします。

 

 コンビニでモノを買えば、カードでポイントを貰えるかわりに、詳細な購買履歴が記録されます。今は「ビッグデータ」などとオシャレな言い方をしていますが、その履歴をクレジットカードの氏名・年齢・住所などと紐付けすれば、簡単に個人の生活全体を見透かすこともできるではありませんか。

 

 かくて、これまでは「不特定多数」とまとめられていた群衆が、次第に「特定多数」になりつつあるわけです。それによって何が可能になってくるのでしょうか。ズバリ言えば「監視」なんですよね。それも、情報社会の頂点に君臨する“ビッグ・ブラザー”だけでなく、みんながみんなをチェックする「相互監視社会」になっていくのが怖いのです。

 

 すでに、ツイッターなどの発言が簡単に「炎上」するようになっており、そうした圧倒的な世論に対抗できる人はそんなにいるものではありません。学校の教室と同じイジメが、SNSなどのネット社会でもどんどん発生するようになり、そうした状態を意識すればするほど、発言も行動も同質化せざるを得ないじゃないですか。

 

 もともと日本は同調圧力が極めて強く、ボクは幸いに無神経だったので天の邪鬼を通すことができましたが、これからはそうはいかないでしょう。タレントでも歌手でも、すでに才能だけで好き嫌いが語られる時代ではなく、性格や個性も「良い子」でないと支持されないようになっています。たとえば歌手なら歌さえ上手であれば私生活なんて余計なオマケだとボクは思っていますが、もはやそんなのは少数派といっていい。「会いに行けるアイドル」のおかげで、エンジェルは天界から地上に墜ちてしまったのです。

 

 そんな状況に無理なく順応できる人は気づかないでしょうが、日本全体が学校の教室のようになりつつあるように思うのです。長くなったので、このテーマは来週も続けます。

 

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2018年11月 1日 (木)

『お久しぶりね』

 

 男は最初の恋を忘れられないのに対して、女性はどんどんメモリーを上書きしていくといわれます。未練がましいのが男で、過去なんか忘れてどんどん前に進んでいくのが女性とも言いかえられるのかな。

 

 実際に、テレビなんかで「昔の恋なんて覚えていないわよ」と放言する女性タレントは多く、「だからね、再会してもいいことなんかないの」と念を押したりする。いや、たくましいかぎりで何よりでございます。

 

 そのほうが論理的で合理的かつ打算的なので、きっとそうなんだろうな、と長きにわたって思ってきたのですが、歌の世界は案外そうでもないんですよね。女性のほうから再会を望む歌はかなりあります。たとえば松尾和子も金子由香利も同じタイトルの『再会』を歌ってヒットしましたからね。

 

 このジャンルの歌はそれこそ山のようにありまして、やっぱ男も女性も昔の恋を忘れられない人は多く、そうした叶えられない情念こそが歌を歌うリビドーになっているんじゃないかな。てーのひらを、たいようにー、なんてポジティブシンキングでジェンダーレスな文部科学省推薦みたいな曲が大人のスタンダードになるなんてあんまりないですよね。

 

 そんな“再会系”の中でも最もポップでテンポが良くて、やがて哀しさが滲み出てくる名曲だと思うのが『お久しぶりね』です。

 

お久しぶりね

あなたに会うなんて

あれから何年 たったのかしら

 

少しは私も 大人になったでしょう

あなたはいい人 できたでしょうね

 

お茶だけのつもりが 時のたつのも忘れさせ

別れづらくなりそうで、

なんだかこわい

 

 このイントロダクションは、フランスと日本で場所こそ違っても、前述した金子由香利『再会』とまったく同じです。何しろ「あら、ボンジュール、久しぶりね」ですからね。1969年にフランスのポップ歌手、ニコレッタが歌って不発。これを矢田部道一の訳詞で再解釈して初めてレコーディングしたのが1981年(この時は『めぐりあい』がタイトルだったようです)

 小柳ルミ子の『お久しぶりね』は1983年と後発なので、金子由香利の歌にインスパイアされた可能性は否定できません。でもまぁ、街角でばったりと昔の男に出会うなんてことは、滅多にないようで、あり得ないとも断言できないので、パクりうんぬんは論議の埒外でしょう。

 

 それに曲想がまるきり違います。金子バージョンが「語り」を基本にしているのに対して、『お久しぶりね』はやたらにリズミカルでノリがいいのです。ちなみに作詞・作曲は杉本真人。シンガーソングライターですが、あいうえお順に列記されるほど沢山の歌手に曲を提供しています。それを梅垣達志がロケンロールぽい強めのドラムスを前面に出し、テンポアップで編曲したことで、独特の印象的な曲に仕上がっています。

 

 調べてみると、当初はカラオケ用として賑やかに歌うことを意識していたらしい。しかしながら、切り返しからリフレインが高音の結構な難物でありまして、YouTubeを視聴する限りでは、小柳ルミ子本人も後年はメロディに追いついていないように思います。よくある声の酒焼けもあるのかな。そのフレーズが以下です。

 

それじゃ さよなら 

元気でと

冷たく背中を向けたけど

今でもほんとは 好きなのと

つぶやいてみる

 

もう一度 もう一度 生まれ変わって

もう一度、もう一度 めぐり逢いたいね

 

 境遇によっては「今さらそんなことを言われてもなぁ」という人も少なくないはずなので、こんな内容をカラオケで面と向かって歌われても困るというのが、流行らなかった理由じゃないかな。

 

お久しぶりね こんな真夜中に

あなたから 電話をくれるなんて

おかしいくらい まじめな声で

私に せまるから 眠気もさめた

 

もしも今でも1人なら

映画みたいな恋をして

愛を育ててみたいねと

笑ってみせる

 

 おいおい、夜中に電話なんかしてどうすんだよと、他人ごとながら心配になりますが、そこでハッとボクはすべてを理解したのであります。もしかすると、こうした“再会系”の楽曲はあくまでも作詞・作曲した男の願望であって、歌う女性は歌だから歌うのであって、未練の度合いは男の1割程度ではないのかなぁ。ヘタすりゃ「男なんてアホか」と思っているかもしれません。

 

それじゃ さよなら これっきりと

冷たく受話器を置いたけど

涙が知らずにあふれ出す

どうかしてるね

 

 とはいえ、そうはいっても、何がなんでも、この最後のフレーズがボクのいちばん好きなパートです。いつも書くことですが、昔の歌は情景が見えるんですよね。事実や真実や統計がどうであれ、昔の恋を決して忘れられない女性は、男と同じように存在するとボクは信じます。そういう人たちが、再び出会える日が来るといいんだけどね。はぁ。

 

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