泥縄
日本語には面白い表現が豊富にありますが、「泥縄」というのも実にユニークです。「泥棒を捕らえて(から拘束するための)縄をなう」という意味であり、「事が起こってから慌てて対策を立てたり準備をすること」とgoo国語辞書では説明しています。
もうお分かりでしょうが、新型コロナに関する対策もまさに「泥縄」としか言いようがない。しかも、今回は第3波なんですよね。この国のリーダーは学習能力というものがないのでしょうか。さらに性懲りもなく国と自治体が責任を押しつけ合っています。GoToトラベルが感染拡大の火を付けたことは明らかなのに、菅首相は「今日までに4000万人が利用しているが陽性者は180人」と豪語。単純計算すれば感染率は0.00045%になるので、6%台の都内にいるよりトラベルに行った方が安全というワケの分からない言い訳をかましております。そのせいか東京はGoToから除外されていません。にもかかわらず都知事は「不要不急の外出は控えてください」と矛盾した指示を出しています。「泥縄」さえも裸足で逃げ出しそうな混迷ぶりじゃないですか。
そういえば、仕事が終わりかけてから契約書を作るということもあったなあ。モノを買った後で値段を決めるなんていう商習慣は聞いたことがありません。そんな一方的なことができるのは、立場が非対称な取り引きだからです。仕事を依頼する側と受ける側は本来的に対等なはずなのに、カネの流れが上位と下位の意識を作ってしまう。口ではどんな立派な理屈を言おうが、その奥底には傲慢な差別意識が隠れているとしか思えません。建設関係で手抜きや杜撰な工事が今もってなくならないのも、下請けの連鎖が階級意識を生み出しているからじゃないかな。仕事に上下関係を持ち込むのはフェアではなく、それぞれの責任感を毀損することが分からないんでしょうね。
いずれにしても、日本はもっと管理職教育を強化すべきだと思います。このブログで最初期から同じことを何度も何度も指摘してきましたが、個人としての業務能力と管理能力は別物なんですよね。。社内でナンバーワンの成績を挙げたからといって、課長や部長として優秀とは限らない。プロ野球でも「名選手必ずしも名監督にあらず」と言うじゃないですか。
こんなことは説明し過ぎて疲れてしまったのでやめます。とにかく「懲りる」ということだけは覚えようよ。同じことを繰り返すのは自らの無能をさらす恥辱にほかなりません。せめてそれだけでもキモに命じて欲しいんだけど、無理だろうなぁ。
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