スピークイージー
ライブハウス、というよりレストランシアターですけど、今月末の土曜日に予約していたバンドの公演がキャンセルとなりました。もっとも、2部に分かれているうちの遅いほうで、ボクが予約していた午後4時半開演のファーストステージは実施されるそうです。セカンドは7時半からなので、都の要請に従うなら酒を提供できなくなります。中止になるのも仕方ないですよね。
ただ、このバンドは昨年にも予約してキャンセルされました。今度こそ大丈夫だろうと意気込んでいたところに再度の緊急事態宣言ですから、またかよと半ば諦めていたのですが、たまたまファーストのほうに予約したおかげで助かったようです。
ライブは娯楽のひとつですから、現下の時節に「不要不急」と言われれば反論しにくいですよね。けれども、それがなければ心がカラカラに乾いて、人生がものすごくつまらなくなります。多人数が集まれば新型コロナ感染の怖れがあるのでハイリスクではありますが、それでも水や食べ物と同じく、音楽のような娯楽を欲する人は少なくないはずです。何とかならないものでしょうか。
そう考えて思い出したのですが、アメリカが禁酒法を施行していた1920〜33年頃に、スピークイージーと呼ばれる秘密酒場が大流行しました。密造または密輸した酒を隠れて提供するだけでなく、ライブでジャズなども演奏していたようです。アルコールと音楽は不可分の関係ですから、不思議ではありません。ついでにダンスとかね。世間的には禁酒法に従ったフリをしながら、お金持ちは美女を伴って夜な夜なスピークイージーに出没し、普通の人たちも月に数度の楽しみにしていたんじゃないかな。ウソかホントか、この頃に酒を密売して莫大な財産を蓄えたのがケネディ家といわれます。用心棒にしていたマフィアとの暗い関係が、大統領暗殺につながったという説も流れたことがありますよね。
いずれにしても、新型コロナによる時短要請が長引くと、大変に不謹慎な想像で恐縮ですが、日本版のスピークイージーが生まれるかもしれない。一軒家の地下や、マンションの一室で秘かに深夜から営業。さすがに料理は質素ですが、アルコールが充実しているほか、3〜4人編制のバンドが入れ替わりで演奏するとかね。デニムは禁止でネクタイ着用といったドレスコードも設定しておくと、雰囲気も良くなります。
海外には行けず、飲食店街も賑わいが乏しい。夜がどんどん息苦しくなってくると、こんな店が登場する予感がするんだけど、どうだろうか。
ランキングに参加しています。お気に召したら、ポチッと↓
« 普通の復権 | トップページ | ツインクラリネットの夜 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 頭と尻尾はくれてやれ(続)(2021.02.25)
- 悪夢ふたたび (2021.02.24)
- のんびり生きよう(後)(2021.02.22)
- のんびり生きよう(前)(2021.02.19)
- 今こそ調査報道(2021.02.18)