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福助くん その6

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    福助くん、9歳の秋です。 ちょっと長めの散歩をして、世田谷公園へ。 紅葉と福助をご覧くださいまし。

福助くん その5

  • 赤いサルビア♪
    2010年秋の福助くん。とある週末に埼玉県所沢市にある航空公園に行ってきました!

福助くん その4

  • 1 毎年恒例の・・・
    今さらですが、今年の花見の福助くん。ご近所の目黒川に行ってきました。

福助くん その3

  • 1 田舎に行ってきました!
    飼い主の田舎に行ってきた福助。うららかな春を迎えた大自然のなかで、いつもと違った表情に。

福助くん その2

  • 定位置
    平日は会社にいる福助。こんな感じの毎日です。

福助くん その1

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    笠木の飼い犬。甘えん坊でちゃっかり屋の8歳。雄。

ファッション・アクセサリ

2020年6月26日 (金)

Withマスク


 特効薬やワクチンがまだ研究途上にあるだけでなく、ウイルスそのものも変異を繰り返していくため、感染者数がそれなりに落ち着いた今も、アフター・コロナやポスト・コロナと呼ぶことはできないようです。このため、小池都知事は「Withコロナ」と例によって英語のキャッチフレーズを使っていますが、ボクは「Withマスク」だと思うんだよな。

 暑くなってきても、マスクはすっかり常識化。熱中症の心配もあるので、人が周囲にいなければ外しても良いと言われているものの、みんながマスクをしている中で1人だけオープン(?)というわけにもいかないですよね。そして、このマスクって奴は、きちんとしたファッションをぶち壊してしまうのです。

 特にスーツの被害がハンパではありません。オーダーメードの高級スーツも、量販店の吊しも、顔の半分以上を覆うマスクがその差違を分かりにくくしてしまう。かといって、不織布でない黒いウレタン製など色つきにしたところで、何だか顔にパンツを履いているようで、ボクだけなのか、エッチに見えて仕方ないんだよな。

 そんなわけで、これからは「Withマスク」のファッションを創案すべきではないでしょうか。すでにネクタイなしのクールビズが普及していますが、あの格好にマスクでは、ますます仕事が見つからない失業者っぽい雰囲気になってしまいます。では、どんな格好が「Withマスク」にふさわしいのでしょうか。

 起き抜けのトイレの中で数秒考えて閃いたのは、サファリルックです。肩はきっちりあるんだけど腕は半袖で、ポケットが前面に4つほど。あの格好でネクタイをつけようと思う人はいませんよね。基本的には機能重視のカジュアルではあるんだけど、それなりにちゃんと見えなくもない。アフリカあたりの熱帯では正装に近い印象を受けるんじゃないかな。少なくとも、そんなイメージで宣伝していけば、スーツに代わるビジネスウェアになるように思うのです。

 そして、最大のメリットは、マスクにあまり違和感を与えないことです。誰もいないところでは、マスクを外してひょいと胸のポケットへ。クソうるさくて処理に困るマスクを、機動的に着脱できるではありませんか。

 どうです、「Withマスクのファッション」と「サファリルックWithマスク」。この2つのアイデアで自社ビルが建てられるような気がするなぁ。本気でビジネスにする場合は、ボクの許可を必ず得てくださいね。


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2019年11月15日 (金)

ネット不信

 

 5年ほど前に、ネットで見つけたオーダースーツ専門店を利用したことがあります。こうした店はいろいろあって、中には2~3万円という廉価も見かけるのですが、そんな値段でオーダーってありかなと思いますよね。それで3つの店舗に実際に足を運び、それなりに話を聞いた結果、ある店に決めました。

 とはいっても、まったくゼロの状態から型紙を起こすフルオーダー=ビスポークではなく、予め用意された型紙の細部を体形に合わせて調整するパターンオーダー。そのほうがデザイン的にも納得できるからです。体形にピタリとあっても、気に入らないスタイルでは仕方ないですからね。また、人間の体形は常に変化するので、高額なフルオーダーにしても、ジャストフィットであればあるほど、太ったり痩せたりして合わなくなることも考えられます。そうしたコスパを考慮すれば、パターンオーダーがスーツ初心者には最もふさわしいのではないかと。

 さて、仕上がりですが、結論を急ぎますね。ズボンはベルトなしでも微動だにしないほどのピチピチで、クリースも左右に引っ張られてはっきりしません。ズボンというよりタイツに近い。立っている時はまだしも、椅子に深く座ればケツが破れそうなほどです。ジャケットはまぁまぁかなと、着用して鏡で子細に見てみると、右側の肩に窪みがあるではありませんか。真正面から見て、肩がスムースなラインを描いていなければスーツとして失格です。そのラインが、肩から襟を経たシャツまわりまでなだらかに隙間なくのぼっていくのが理想なのですが、その窪みのせいか違和感がありありなのです。

 それでクレームを入れると、「布を1枚当てるだけで解決しますから」と言う。ボクはそんな簡単なことではないだろうと思いましたが、先方がそう言うのですから従いましたよ。1週間後に試着してみると、いよいよ窪みが深くなっている。今度は「工場にきつく言っておきますから」と担当者。またまた1週間後に試着すると、もはや肩のラインはガタガタで、むしろ最初のほうがマシではないかという状態。ここに至ってボクは激怒ですよ。

 ちなみに、ボクの体形はほぼ完璧といっていいほどの平均でありまして、吊しのジャケットなら袖を詰めるだけでピッタンコカンカン。決して大げさではなく、一昨年の冬にバーゲンで購入したジャケットは「オーダーですよね」と言われたほどです。ズボンだって腰回りと裾を合わせればまったく問題なし。だったらオーダーなんてしなくても良かったのですが、よせばいいのにゼニアのイタリアンスーツが欲しかったんですよね。

 そんなにも平均的な体形の人間にフィットしないパターンオーダーがあっていいのかなぁ。補修のやり方もおざなり極まりなく、2回も我慢したのだから爆発してもいいだろうと返金を要求しました。すると驚くほどあっさり承諾されたので、こうしたトラブルはボクだけではないんじゃないかな。全額をキャッシュで持参してきたのも、銀行振り込みにして証拠を残すのを避けたのかなとうがった見方をしたくなります。

 いずれにしても、こうしたクレームやトラブルは、ネットで検索してもほとんどヒットしません。一般論としての注意はあるんだけど、店ではなく、オーダーする側に対してのアドバイスばかり。実名を出せば営業妨害で訴訟沙汰になりかねないにしても、ボクと似たような事例は結構あるんじゃないかな。

 この不快な経験があるので、食べログの件も含めて、ネットは絶対に信用しないと固く決意しました。それでも、オーダースーツへの期待感を無惨に裏切られた経験は、トラウマに近い心の傷になっております。

 

 

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2019年11月11日 (月)

蝶ネクタイ

 

 温暖化、というより熱暑化によるクールビズの普及によって、ネクタイの売上げが激減しているそうです。もともと消耗品ではないのでリピートニーズは乏しく、そこそこ揃えてしまえば毎年買うようなものでもありませんからね。想定できる主要ターゲットは新人社員ですけど、こちらも少子化で人口そのものが縮小しております。ネクタイ業界としては、じり貧をどうすりゃいいんだと悲鳴を上げているんじゃないかな。

 革靴業界も、そうした低迷がそろそろ深まりそうな気配を見せています。先週のブログでご紹介したように、男女ともにスニーカーやバスケットシューズが爆発的に普及しており、新しい革靴やパンブスを誰が買うんだろうという状況になりつつあるようです。革靴業界は一足で数十万円というハイエンドなブランドもあるので、そうした高級品はお金持ちに愛用されることで存続するでしょうが、数万円程度の普及品がヤバイんですよね。若い人たちがスーツにスニーカーというスタイルに慣れたら、たちまち危機的状況に陥ることは間違いありません。

 実はボクも革靴族ではないんですよね。ジャケパンの時には合成スウェードの黒靴で、本格的な革靴を履くのはスーツの時だけと決めています。おかげで一足しかない革靴は、もう10年以上にもなるでしょうか。使用頻度が低いのでカカトの減りはほとんどなく、月に1回くらいは靴墨で手入れしてきたので、今でも艶光りしております。こんな使い方をしていたら、革靴も耐久消費財となって、リピートニーズはどんどん遠ざかっていきますよね。

 では、ネクタイも靴もオールドビジネスになってしまうのでしょうか。モノカキの仕事で機械式腕時計も専門分野にしてきたので、ボクにはそうは思えません。クォーツの登場でいったんは時代遅れになったゼンマイ駆動の腕時計が、1990年代には高級品として華麗に復活したからです。

 技術進化というのは一方通行であって、決して逆戻りしないのが常識なのですが、なぜだか腕時計はクォーツとメカニカルが共存しています。その理由は様々に語られますが、人間の肌に近いものは必ずしも工業製品と同じようにはならないといえるかもしれません。とすれば、ネクタイも革靴も十分に逆転を狙えるってことになりますよね。

 しかしながら、どんなことも単純に「時代は繰り返す」とはなりません。革靴の場合はすでに、靴紐のないモンクストラップのシューズが人気を高めています。ボタンで甲の部分を留めるスタイルで、修道僧が考案したことからモンクとネーミングされました。礼装は靴紐のあるレースアップ以外は認められていないのですが、このモンクシューズだけは例外とされているので、フォーマルにも使える汎用性も人気の理由じゃないかな。ボクも靴紐を締める時に息が詰まってぜはぜはとなるので、このタイプの靴が欲しいのですが、昨今は先が尖ったピノキオの木靴みたいなものばかり。たまに気に入ったものを見つけると、ものすごく高価だったりして、なかなか買えません。

 ネクタイの場合はどうでしょうか。しばらく考えてみてください。

 ボクがいま注目しているのは、蝶ネクタイです。これをちゃんと締められる人は滅多にいないと思いますが、ほとんどがフックで留めるタイプなので心配いりません。大きな蝶々からハーフサイズ、棒のようなスタイルもあり、色も黒だけでなく、派手な柄物もあります。蝶ネクタイは日本では寄席の芸人やちんどん屋の格好と思われていますが、これひとつで礼装と認められるスーパーアイテムなのです。ドレスコードがフォーマルっぽいけどよく分からないという場合も、ダークなジャケットに蝶ネクタイなら完璧に通用するんですよね。

 というわけで、モンクシューズと同じ理屈で、これからは蝶ネクタイがイケるんじゃないかと。少なくとも、そうした市場開拓の努力やマーケティングがオールドビジネスには必要だと言いたいのであります。これは少子化が深刻な影響を与えている教育業界も同様です。にもかかわらず、入試がどうだこうだと選別機能ばかりが取り沙汰されている。そんなことより教える中身を見直せよ、と。横並びに慣れ過ぎて創造性が相当に欠如しているとボクは思うんだけどな。もはや文科省に従っていれば生き延びられるという時代ではないはずです。

 

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2019年11月 6日 (水)

バスケットシューズ

 

 『MURDER IN THE FIRST/第1級殺人』というアメリカのテレビドラマがあります。この手の番組は1回完結でスッキリ終わるのが普通ですけど、2回3回4回と引っ張るんですよね。だからあまり意識して見ていませんでした。面倒くさいし、テレビのために生きているわけではありませんから。
 白人の女性刑事と黒人の男性刑事がコンビになって殺人事件を追いかけるドラマですが、女性のほうがボクの観点ではどうにも美人とはいえないのも、ヒイキになれない理由かな。しかも子持ちのシングルマザーという設定。最近のアメリカドラマはシングルマザーがやたらに登場するので、おそらく実社会もそうなんでしょうね。

 それはともかく、彼女はいつもデニムのジーンズにバスケットシューズを履いています。こちらもアメリカのトレンドらしく、もはやハイヒールやパンプスなんて娼婦と女性弁護士くらいじゃないかな。犯人を追いかけるにはバッシュのほうが確かに機能的であり、オフィスでもスーツにスニーカーというスタイルは珍しくないようです。日本でも女性のスニーカー姿はここ数年で爆発的といえるほど普及。ボクのまわりでハイヒールを見かけることはほとんどありません。

 そして、黒人刑事のほうですが、彼はいつもジャケットにネクタイを締めています。シャツは白でなく柄物で、もちろんボタンダウン。ダウンタウンじゃないですよ(笑)。それはいいとして、ボトムはダークブルーのデニム。さらに靴も、白のバスケットシューズですからね。タキシードにデニムのジーンズを履かせた著名なファッションデザイナーもいるくらいですから、東京でもネクタイ姿にジーンズはちらほらと見かけるようになりましたが、さすがに長い靴紐を編み上げたバッシュはまだじゃないかな。

 誰がどんな格好をしようが勝手なので、お好きにどうぞとしか言えませんが、ボク自身に限れば、やはりジーンズ姿でネクタイを結ぶことには抵抗があります。アスコットタイやポケットチーフはOKでも、ネクタイはやっぱダメなんですよね。中にはダメージドジーンズを合わせる人もいるので、ドレスダウンなのかカジュアルアップなのか、ワケが分かりませんが、そこにバッシュともなれば、もはやネクタイの意味は根本的に変わってくると思うんですよね。

 その一方で、ボトムがどうあれ、ボタンを開けたクールビズなシャツ姿が失業者のようで落ち着かないのも確か。ネクタイは何の機能も果たさない純粋な飾りですが、見た目をスタイリッシュに引き締める効果は確かにあります。ただし、これにスラックスを合わせると、シワになりやすく後々が面倒。それよりジーンズのほうが便利で楽じゃんかとなり、だったら革靴よりもバッシュのほうが走ったりするのに便利だぜ、と発展してきたんじゃないかな。

 日本は常にアメリカを追いかけてきたので、いずれオフィス街でもバッシュが普及する可能性は強く、もう履いている人も少なからずいるでしょうね。というわけで、ファッションはもともと何でもありではありますが、ボクはまだダメだな。ネクタイをするというのは自分なりのプロトコルなので、スラックスと革靴はセットなのです。窮屈だけどね、これを譲らないということも、ファッションにおける非言語のコミュニケートだと信じているのです。

 なお、明日は早朝から出張なので、ブログはお休みさせていただきます。翌8日から再開予定です。

 

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2019年10月29日 (火)

「カッコ良い」とは何か(後)

 

 本日は大きな締め切りを抱えており、理屈をこねる余裕はありません。よって、常々考えてきた結論からご紹介します。

 要するにね、「カッコ良い」というのはファッションや装身具なんぞではなく、おそらく「生き方」のことなんだろうと思うのです。

 今から100年前にドイツで創設されたバウハウスはモダンデザインのルーツとされますが、「形は機能に従う」をひとつの理念としていました。この言葉を借りれば、「スタイルは生き方に従う」てなことになるのかな。説明するまでもなく、どんな良い服装を着込んでいようが、平気で他人を裏切ったり踏みつけにしても恥じない、我が身大切な利己主義者がカッコ良く見えるはずがない。常に他人の後ろに隠れて、社会の風圧を避け、いつでも逃げられるような立場を選ぶ卑怯者も同様ですよね。彼らがいかにカネ持ちで、超高価な装飾を身に付けていても、そうした精神の貧しさや卑しさは隠しきれず、必ず漂ってくるものです。

 そんなわけで、ファッションなんてセンスではなく、ましてやカネでもなく、つまりは自分のスタイルであり、それは生き方を意味するということなのです。カッコ悪い生き方は、みっともないスタイルであり、それにもとづくファッションは空虚にしか見えない。カッコ良い生き方なら、確かな行動原理=スタイルとなり、何を着ていようがファッションもカッコ良くなります。「ボロは着てても心は錦」なんていう歌詞の歌謡曲がありますが、まさにアレなわけであります。

 ただ、現実的には「ボロ」を着ていたら、どうしたってホームレスまがいと誤解されます。人間はそれほどアタマがいいわけでも理解力に優れているわけでもないので、自分の生き方をスタイルとして表現していくことが、世間に対するコミュニケーションとなるのです。よって、自分のスタイルに合わせたファッションを選べと、こういうことになってくるんですよね。

 にもかかわらず、世のオッサンたちの多くはファッションに意識的ではありません。むしろ、ファッションにこだわる奴をバカにする傾向があります。お互いを無言のうちに分かり合える村社会ならそれでもいいでしょうが、未知の人たちが大量に棲息している都会や国際社会ではそうはいきません。貧弱なファッションは貧弱なコミュニケーション能力と同義であることにそろそろ気づくべきだと思うんですよね。

 ですから、ボクは時計なんて時間が分かれば十分という人や、服は寒暖を避けるものであればいい、と豪語する人を信用できません。だったら食事はエサかよ、家は屋根だけありゃいいのかと論争をふっかけたくなります。実際には、こういう人ほど「クルマなんてゲタがわり」と言うクセに高級外車に乗っていたりする。言っていることとやっていることが甚だしく乖離しているのも、ボクにはカッコ良いとは思えない。

 畢竟、自分自身に対する厳しさや客観性とともに気高い理想と志を持ち、他者に対する慈愛や配慮に満ちていることが、ボクの目指すカッコ良さなのです。けれども、いやはや何とほど遠いことか。だからせめても、着るモノや纏うモノくらいはちゃんとしていようと。それがね、ボクがファッションに意識的になった動機なのであります。

 もしもボクが仮に派手でオシャレに見えたのなら、牛後ではなく鶏口に立って、一身に風圧を受ける覚悟を表明していると考えてください。そんなふうには見えないか。ま、世間というのは往々にしてそんなもんですけどね。

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2019年10月28日 (月)

「カッコ良い」とは何か(前)

 

 若い男はどんな服を着ても似合うものです。Tシャツ1枚に破れたジーンズだって、脂肪の少ない筋肉質の肉体が包まれていれば、カッコ良く感じられるはずです。ボクはそっちのほうのケはまったくありませんが、着るものにこだわる必要なんかないのです。女性も同じで、化粧なんか最低限で十分ですよ。

 ところが、年齢を経てあちこちが老化し始めると、そうはいきません。Tシャツ1枚に破れたジーンズでは、たるんだ脂肪腹とハリを失ってぶよぶよの皮膚や、頭髪だけでなくあちこちに生えてきた白いものを隠しきれなくなってきます。姿勢も次第に悪くなってくるんだよな。こうなったら衣服、すなわちファッションをまるで気にしなければ、存在自体が他人迷惑な公害のようになりかねません。

 にもかかわらず、ファッション系の雑誌は男女ともに若い人向けが圧倒的に多いですよね。その理由は簡単で、若い人ほど異性を惹きつけるものを求めるからです。人間はクジャクと違うので、華やかな虹色の羽根に代わるものを纏わなければ、同世代との恋人獲得競争で目立つことができない。オッサンやオバサンだって本質に変わりはありませんが、配偶者がいる確率が高くなるので、求愛の切迫感は希薄になってきます。妻帯者なのに、やたら派手な格好をすれば、浮気でもするつもりかと疑われますからね。

 かくてオッサン並びにオバサンは恋愛の「上がり」なんだから、地味でも楽な服装でいいじゃんと言う人が多くなってきます。でもね、それは大きな間違いなのであります。
 第一に、前述したような経年変化による容色の衰えを隠すことができないじゃないですか。それだけでなく、ここが大きなポイントなのですが、老化と引き換えに蓄積されたはずの知性や経験、それに財力だって表現できませんよね。だから、オッサンやオバサンほどオシャレしなきゃいかんだろうというのが、ボクの考え方なのです。

  その意味では「ちょいワル」系のファッション雑誌と同根ですけど、やたらに高級そうな服や小道具を身に付ければいいってものではありません。それでは派手に着飾った蓑虫と同じです。では、どういうオシャレをしたらいいのか。

 あっさりと言い切ってしまえば、「カッコ良い」ってことでしょうね。けれども、流行に乗っかったトレンディならいいのか、はたまたレトロまがいのクラシックならOKなのか。そんな外側の姿形は、それこそ年齢や職業、地位などによって違ってくるので、ひとくちに言えるはずがない。トム・フォードの服を着れば007ダニエル・クレイグになれるわけがなく、ブリオーニにしてもアンソニー・ホプキンスになろうとするのは相当に無理目ですもんね。

 だったら、そもそも「カッコ良い」とはどういうことなのか。それをシニアなりにきちんと定義しておかないとアカンだろうと最近になって思うようになったのです。でもって、その結論を明日ご紹介しようかな、と。

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2019年10月15日 (火)

ワイシャツ

 

 これまではカジュアルスタイルが多かったので気づかなかったのですが、白のワイシャツって実に便利ですよね。ワイシャツとはホワイトシャツの略なので、「白の」を付け加えると「馬から落ちて落馬」ですけど、色物や柄物より圧倒的に使い勝手に優れていることが今頃になって分かったのであります。

 そもそもボクの性格は大変にねじくれておりまして、極めつけの凡人のクセに、みんながやっていることには常に背を向けてきました。シャツも、みんなが白を着ているという理由で白を着るのでなく、だからと逆らって色物や柄物を選ぶ。にもかかわらず、ボクはギリギリのVANジャケット世代なので、ボタンダウンばっかりというのがちょっと情けないですけどね。
  いずれにしても、本来的な意味のワイシャツなんて、中高年になっても冠婚葬祭用として1枚しか持っていませんでした。年齢的に結婚式は縁遠く、葬式が2日連チャンで続く確率も相当に低いので、クリーニングに出す余裕はあるはず。とすれば2枚も必要ないじゃんかと。

 ところが近年はバーティやレセプションにご招待されることもあり、ドレスコードがフォーマル系の場合は白いシャツが必須となります。しかも、ボタンダウンは出自がスポーツカジュアルなのでNG。このため白系のシャツが少しばかり増えてきました。

 そんな経緯で白を着慣れるようになると、その便利さが体感できるようになったのです。何しろ白は相手を選びません。ダーク系のスーツやジャケットの場合は、よほどの柄物でない限り、どんな色のシャツでも基本的にフィットしますが、ネクタイはそうはいかない。シャツの反対色を合わせてしまうと眼がチカチカしたりして他人様に迷惑をかけることになります。柄物の重ね、即ちパターン・オン・パターンも相当なファッションセンスが必要。ところが白いシャツなら、何でもドーンと来いなのです。無彩色、つまりモノトーンですから、どんな色や柄のジャケットやネクタイでも、およそ不似合いということがありません。

 しかも、白いシャツは清潔感が抜群なんですよね。ブルーやオレンジなどの色物や柄物と見比べれば一目瞭然。白のほうが誠実で信頼できる印象を与えるじゃないですか。特に夏場はブルー系のジャケットと合わせると抜群の威力を発揮します。白が素晴らしく映えるんですよね。

 ああ、だからビジネスではスタンダードなのか、って、いかにも遅すぎだよなぁ。ファッション雑誌や誰かに教えられたわけではなく、自分で発見したということだけは救いですけどね。

 ただし、白いシャツの利便性に慣れきってしまうと、どんな時でもこれさえ着ておけば問題ないという思考停止に陥る危険が伴います。たとえばデートの時に、ビジネスシーンと同じ白いシャツでいいのでしょうか。さすがに赤とは言いませんが、ちょっとだけ派手目な色や柄のシャツを合わせるのが、彼女に対する敬意であり好意の表明だとボクは考えます。もしも仮にコーディネートを間違えたとしても、彼女との出会いを大切にしているというメッセージにはなるでしょう。いつもの白シャツでは特別感がなさ過ぎで、彼女を失望させると思うんだよな。これはデートに限らず、パーティなどでも同じではないでしょうか。

 だからね、白シャツを着慣れている会社員は、どんな年齢であろうが、独身・既婚も問わず、ロッカーの中に鮮やかな色・柄物のシャツを常備しておくべきです。それを着る機会があるかないかはまったく関係なく、そうしたオシャレの身構えを失った男に魅力を感じる女性はいないんじゃないかな。

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2019年10月 3日 (木)

衣替え(後)

 

 昨日は、ある展覧会のプレビューがあり、その後で催されたパーティのドレスコードが「カクテル」でした。「カクテル・アタイヤ(Attire装い)」という言い方のほうがポピュラーのようですが、ごく簡単に言えば、インフォーマルとスマートエレガンスの間に位置する格好を意味します。

 とはいっても、いよいよワケが分かりませんよね。そのせいか、日本語のネットでは「基本はタキシード」と指摘するウェブサイトもありますが、英語のサイトをいろいろ調べてみると、タキシードやブラックスーツはむしろ畏まりすぎてNG。ネイビーやグレーなどのダークスーツ着用ならノーネクタイでもOKですよ、という解釈が主流でした。

 ドレスコードというのは、このあたりの判断とセンスと少々の勇気が参加者に求められるわけですね。ボク自身はインフォーマルがややくだけたスタイルと理解しており、具体的にはジャストフィットのスーツに派手目のワイシャツとネクタイを合わせて、真面目な中に遊び心とウィットを演出、みたいなことを考えていました。性格的に硬派ですから、胸をはだけた歌舞伎町のホストみたいな格好は、したくてもできません。

 アクセントとなる胸のチーフは、ネクタイと同じ色柄に合わせるケースが多いようですが、ボクは逆にシャツの色柄のほうに合わせるようにしてきました。

 なんてことを書くと、ワードローブにはスーツやらジャケットがズラリと並び、引き出しには色とりどりのワイシャツが売るほど並んでいるに違いないと想像されるかも知れません。ボク自身もそうありたいとは思いますよ。しかしながら、先立つモノもオシャレする機会も、クローゼットのスペースも限られている身では、そんなにもヒマとカネを費やすことはできません。というわけで、皆さんを幻滅させるのも忍びないので、ここでは敢えて実数を秘しますが、スーツもジャケットも、普通の会社員に比べて格段に少ないはずです。

 だからこそ、スーツに関してはすべて礼装に近い特別な衣装として購入してきました。しかしながら、その絶対数が決定的に少ないので、季節の変わり目は悩まされてしまうのです。

 当夜の10月1日は、午後6時で気温26度。明らかに季節外れの残暑ですが、ボク的にはシャドウストライプの艶あり冬物チャコールグレーでキメたいという欲がありました。最近は着ていないしね。電車にしろタクシーにしても、会場だってエアコンがないはずはないので、理論上は冬物でも耐えられるじゃないですか。いやいや、それでも汗が噴き出てくるんじゃないの、などとさんざん逡巡したわけですな。

 けれども、外に出て数分歩いてみて、あっさりとその野望を捨てました。半袖のポロシャツでも暑いじゃないかぁぁぁぁ。かくて代打は、ダークネイビーのサマースーツ。裏地が背抜きになっており、その分だけ締め付け感に類似したフィット感に欠けるので、あまり好きではなかったのですが、暑いんだから仕方ありません。

 ちなみに、服の裏地は型崩れを防ぎ、生地を傷めない役割があるので、欧米では日本のようにカットすることはほとんどありません。つまり、背抜きや半裏は夏用の日本独自の発明であることから、これを推奨しないテーラーもあります。そりゃボクだって総裏の本格派にしたかったのですが、いくら格好よくても汗びっしょりでは見苦しいじゃないですか。

 それで、くどいようですが背抜きのネイビースーツを選択したのです。結果的にこれが大正解でありまして、心地良い体感でシャンパンをおかわりすることになったのであります。もしも総裏の冬物を着ていたらと想像してゾッとしたことも、汗がひいた理由かな。前述したように、背抜きを本格的ではないと嫌う人もいますが、ボクは日本の知恵もなかなかなものじゃないかと見直しました。これから地球温暖化が続けば、欧米でも普及するかもしれません。

 何事も、常識や定見や慣習を無意識に受け入れるのでなく、自分の体感を信じて主体的に判断すべきなんですよね。意識して為されたことはすべて善、なのであります。

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2019年10月 2日 (水)

衣替え(中)

 

 何よりも自由・独立を希求し、隷属や支配を嫌う、生来の天の邪鬼で偏屈男のクセに、パーティなどのドレスコードにこだわる理由は、そのほうが人生にメリハリが生まれるからです。

 ファッションは専門分野ではありませんが、つらつらと歴史を振り返ってみると、全体としてドレスダウンしてきたんですよね。スーツでも大昔はロングコート並みに裾が長くて、これではリラックスして酒を飲む時にちょっと不便だよねと、尻のギリギリまで短くしたのがラウンジスーツと呼ばれるスタイルです。それが後年になってボクたちお馴染みの服装になったといわれています。つまり、堅苦しくて時には不合理な服装ルールから人類はどんどん自由になってきたのです。そもそもきちんとした服装は、貴族や官僚、軍の指揮官といった上流階級を象徴&誇示するものでした。だからこそ細々とした規則があったわけです。それが革命を経て血族身分制の封建時代が終わり、市民が自由を獲得すれば、服装も民主化されて簡略になっていくのは不思議なことではありません。

 それでも冠婚葬祭や、大臣就任の際にペンギンみたいな格好をして記念写真を撮るなどのシキタリは根強く残っています。これを堅苦しいと片付けてしまったら、どんなことでもいつもの毎日と同じになってしまい、気楽ではあってもつまらないですよね。

 燕尾服にホワイトタイなんていうスーパーフォーマルを着る機会なんて一生ないだろうけど、それだけにドレスコードには忠実でありたいんですよね。ただし、略礼装=インフォーマルのトップに位置するタキシードは持っておりません。本当は欲しいんだけど、ウィングカラーのシャツに蝶ネクタイ、カマーバンドやオペラパンプスと呼ばれるエナメル靴などの備品を揃えなきゃいけないんだよな。
 にもかかわらず、その着用を直接的に意味する「ブラックタイ」がドレスコードとして指定されるのは日本では稀ですから、現状ではボクのような貧乏人にとってコストとパフォーマンスの天秤がまるきり吊り合わないのです。宝クジにでも当たったら別ですけどね。タキシード姿で電車に乗る勇気は持ち合わせていないので、ハイヤーなどの送迎が必要というのもネックではあります。

 そうした残念な想いがあるだけに、タキシードより格下のドレスコードにはできるだけ従いたいのであります。そんな指定は敢然と無視、あるいは招待状の文言を見過ごす人もいるほか、敢えて個性的なスタイルで臨む人も珍しくありません。それで罰されたり投獄されるはずもないので、基本的に自由といえば自由。半ズボンにTシャツといった目に余る格好でない限りは許されるんですけどね。

 ボクはフリーランスと呼ばれる自由業に属しており、日頃は着古しのカジュアルでグダグダと机に向かっております。ネクタイを着用する機会も限られていますが、だからこそ、イザという時にはきちんとした格好で胸を張りたい。ドレスコードが設定されたハレの場では、服装だけでなく、精神も毅然と装うことが必要となります。それによって快い緊張感を伴う非日常が出現すると思うのです。

 女性にとっても、初めてのデートで男が半ズボンにTシャツ、裸足にサンダル履きでやってきたら幻滅しませんかねぇ。「アタシって、そんなに安めの女?」とか思うんじゃないかな。ビジネスにしても、大きな商談なのにヨレヨレのシワシワでペナペナのスーツでは、本気度や経営実績を疑われることは間違いないでしょう。ドレスコードは、そうしたコンテクストを暗号的に明文化したものですから、決して単純な儀礼ではないとボクは思います。中には「どこかに赤を着用」と色だけを指定されることもありますが、それもまた個々人の教養とセンスが露出するので、面白いではありませんか。

 わぁ、またまた長くなってしまいました。この続きも明日ということで。

 

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2019年10月 1日 (火)

衣替え(前)

 

 10月1日は「衣替え」とされており、薄手の春夏ファッションから厚手の秋冬ものに着替える日です。後述するように温暖化で10月中旬までズレ込んでいるのが現実のようですが、個人的であるはずの服装まで同じ日に全国一斉で切り替わっていたのですから、日本というのはほとほと横並びが好きなんですよね。

 この日からは夏服ですよぉ、この日からは冬服に着替えてくださいね、といちいち指示されるのは、季節の変わり目に悩まなくて済むので便利といえば便利でも、一種の思考停止じゃないかな。ボクも若い頃はそういうシキタリなんだと疑問を持たずに従っていたのですが、20代の半ばに仕事でアメリカに行って目が覚めました。雪が降る厳冬のシカゴでチャーターした観光バスの運転手が、何と半袖のTシャツを着ていたのです。車内はヒーターで暖められているので、何も外を出歩く時と同じ服装である必要はありません。それではむしろ暑いので、車内で待機する時間が長い運転手の服装としてTシャツは極めて合理的です。実際に彼はバスを降りる時には厚手のジャンパーを着込んでいました。そんな姿を見て、ボクは自分が慣習や常識に心底から縛られていることに気づいたのです。

 みんな同じ体格や体質ではないので、暑さ寒さの感覚はそれぞれ違うはずです。にもかかわらず、10月1日に「せーのっ」で全国一斉に着替えるほうがヘンだと思いませんか。軍隊じゃないんですから。日本列島は東西南北に長く弓なりになっているので、桜の開花時期が違うように、気温の変化も地域によって違います。それでも6月1日と10月1日には学校の制服やビジネスマンのスーツなどが切り替わる。大陸の習さんも半島の金さんもびっくりするんじゃないかな。

 そんなわけで、ボクは自分の体感を頼りとして勝手に判断してきましたが、近年はクソ暑い夏日が秋口まで延々と続くようになったので、衣替えの時期もかなりグズグズになってきました。学校の制服も一律ではなく、2週間くらいの幅があるらしい。ビジネススーツの場合は10月半ばを衣替えのメドとする意見がネットの多数派になっていました。

 ちなみに、環境省が提唱するクールビズは、本年は5月1日から9月30日までとなっていますが、10月も「各自の判断による軽装などの取り組みを引き続き呼び掛けてまいります」(環境省HP)だってさ。独自に期間を延長する企業も珍しくないようです。
 でもさ、ノーネクタイまでお役所が主導するというのは、ちょっとおかしくないかなぁ。環境省が言い出さなければ、今でも大多数の人たちは夏真日にネクタイを締めていたのでしょうか。それでは主体性があまりにも欠如しており、悪い言い方を敢えてすれば、ゾンビや奴隷と同じってことになりませんか。

 ビジネス社会には暗黙の礼儀やルールがあり、スーツなどの服装も非言語のコミュニケーションツールですから、ある程度の常識や共通化は必要です。けれども、汗まみれになるほど暑い日が続くのにネクタイとスーツにこだわるのは不合理ですよね。欧米ではワイシャツは下着と見なされているので、スーツの上着を脱ぐのは失礼と言われますが、そんなもん涼しいヨーロッパで生まれた常識であって、アジアの夏はそうはいきません。だからボクも、汗ばむ時にはためらうことなく上着を脱いで抱えることにしました。さもなきゃ上着の脇がこすれて傷むんですよね。

 というわけで、服装や着こなしはすべて自分感覚優先でやってきたつもりですが、それを通用させにくい状況があります。ドレスコードが定められたパーティやレセプションで勝手な格好をすると、雰囲気を壊すことになって参加者に迷惑をかけてしまうのです。他人に感心される独創的なファッション感覚を持っていない限りは、ドレスコードというお約束に従うべきですよね。ところが今はまだ暑いじゃないですか。そこで、いろいろ悩まされることになるんだよな。念のために補足すれば、ボクはドレスコードは決して嫌いではありません。決められた枠内で、あれこれと服装の組み合わせを工夫するのはむしろ好きといっていい。でもさ、10月1日とはいえ、最低気温は23度くらい。背抜きのスーツにするか、それども総裏の冬物か。今日はどっちだ、という感じなんですよね。

 またまた長くなったので、明日に続きます

 

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