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福助くん その6

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    福助くん、9歳の秋です。 ちょっと長めの散歩をして、世田谷公園へ。 紅葉と福助をご覧くださいまし。

福助くん その5

  • 赤いサルビア♪
    2010年秋の福助くん。とある週末に埼玉県所沢市にある航空公園に行ってきました!

福助くん その4

  • 1 毎年恒例の・・・
    今さらですが、今年の花見の福助くん。ご近所の目黒川に行ってきました。

福助くん その3

  • 1 田舎に行ってきました!
    飼い主の田舎に行ってきた福助。うららかな春を迎えた大自然のなかで、いつもと違った表情に。

福助くん その2

  • 定位置
    平日は会社にいる福助。こんな感じの毎日です。

福助くん その1

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    笠木の飼い犬。甘えん坊でちゃっかり屋の8歳。雄。

旅行・地域

2017年2月17日 (金)

カワハギ

 

 上越から戻って参りました。すべてが予定通り、というより早め早めの進行で、ボクにとっては大変に気持ち良くスケジュールがこなせました。

 

 ただし、一点だけ。やっぱ口内炎が痛くて。前夜は醤油が唇の裏にしみて、ロクに食事ができませんでした。栄養補給の意味で、夜中にチョコレートを口の中で溶かしましたけどね。

 そのかわりに、というわけではないでしょうが、翌日はまさに雲ひとつない青空で、コート不要の暖かさ。郊外はまだ雪が残っている状態だったので、これはもうラッキーというほかないでしょう。

 

 幸いついでに口内炎のクスリも効き始めたらしく、昼食の回転寿司も、そこそこに楽しむことができました。これがね、お世辞でもヨイショでもなく、冗談抜きで安くておいしいのです。

 特に気に入ったのはカワハギでございまして、白身の上にちょっとだけ盛られたキモとのバランスが絶妙。濡らすように少しだけ醤油をつけて口内に放り込むと、白身はほどよく張りがあって歯応えもよろしく、にじみ出る旨味にキモの苦甘さが独特のアクセントを加えてくれます。「おや? うーむ、これは、むむむむむ」という感じで、クセになってしまうほどの美味。実際に何皿もおかわりしてしまいましたが、東京の回転寿司でこれはちょっと期待できないでしょうね。

 

 さすがは日本海というべきですが、ボクが訪問した新潟県庁の廊下には、氏名や生誕地を大きく表記した写真パネルが何枚も掲示されていました。子供の頃の写真もあったので、いったいどんな人たちなんだろうと最初は不思議でしたが、すぐに気づきました。横田めぐみさんの名前と写真もあることから分かるように、拉致された人たちだったのです。

 

 そういえば、この豊かな海の向こうには北朝鮮もあるんだよなと感慨にふけっていたら、喫茶店のテレビで金正男が毒殺されたらしいと宮根氏が張り切ってツバを飛ばしていました。

 この問題に関しては、日本海側と太平洋側ではリアリティはかなり違うはずです。深い紺色の海を挟んだ先には分断された国家があり、そのうち一つが拉致誘拐や核実験まで行い、ミサイルだって平気で飛ばしてくる。その実感は、こちらに来てみないと肌身で分からないと思います。これは沖縄の基地問題もきっと同じはずですから、やはりインターネットで何もかも分かったふうな顔をするのは間違いなんですよね。

 

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2017年1月23日 (月)

H&Mふたたび

 

 先週末にスイス・ジュネーブから帰国いたしました。

 なぜだか今年はいつもより風が強く、幸いに雪こそ降らなかったものの、「こんなにも寒いところだったかなぁ」と襟もとを締めながら嘆息するほどの体感温度でした。

 

 そんな真冬のジュネーブで、クロークに預けたコートが出てこなかった事件を前回のブログでご紹介しましたよね。そんなのありかよ、と思わせるアクシデントですが、海外ではそうしたことほどあり得るのです。その時に、ちょっとの間にしても救いになったのがジュネーブ駅前のH&Mでした。ファッション量販店にもかかわらず、平日でも午前9時開店ということで、取材直前に慌ててバーゲン中の格安コートを購入できたからです。生地&デザインともにあまりにもショボイので、1度しか腕を通していませんけど。

 

 その店に、また行くことになるなんて、夢にも思っていませんでした。H&Mの熱狂的なファンというわけではなく、むしろユニクロのヒートテックなどを愛用しているのですが、いくら入念に準備しても、旅先では予想もつかないことが起きるんですよねぇ。

 

 とはいっても、今回はコート紛失のような重大事件ではありません。往路の飛行機の中で何となく感じてはいたのですが、ホテルに到着して旅装を解き、やれやれと一息ついた時に、それに気づきました。

 ベルトのバックルのところの革がちぎれていたのです。何度も海外取材を経験しているので、たいていのことは事前に察知して準備しておくのですが、まさか革のベルトがちぎれるなんて誰が予想できたでしょうか。布ではなくて、革ですよ、革。しかも、専らスーツ用にスタンバイしてきたベルトなので、使用頻度も著しく低い。今時、ベルトを思い切り締め付けてズボンをはく人がいるはずもなく、近頃になって急に太ったということもありません。

 

 にもかかわらず、腰のあたりがいつもより軽く感じたので、下を見たらバックルがぶらぶらしていたというわけです。

 

 こんなことは予想外でも、充実した裁縫セットは常時携帯しているので、まさか革を縫うなんて素人には無理だろうと思いながらトライしてみたら、驚くことにスカスカと針が入っていくではありませんか。日本の某量販店で購入したベルトですけど、いくら何でも弱すぎるよ。

 数分をかけて我ながらみごとに縫い上げましたが、そもそも革自体が弱いようなので、すぐにダメになるのは見え見えじゃないですか。そこで「あっ、そういえば」とコート紛失事件のことを思い出したわけです。

 

 でもってネットで確認したら、相変わらずの9時開店。もちろん翌朝のオープン直後に入店しました。メンズは2階で、ちゃんとベルトもあったことはあったのですが、残念なことに調整不能なものばかり。ちなみに、ボクのベルトはバックルの付け根が外れるようになっており、革の不要な部分を切って再装着することで微調整できます。ところが、そんなタイプはまったく見当たりません。

 

 念のために自分で縫ったベルトを持参したので、それと合わせて近似のサイズを購入することにしました。旅先ですからワガママは言っていられません。定価は39スイスフラン。約4500円ですけど、日本なら2000円程度が精一杯じゃないかなと感じました。

 

 いずれにしても、今回はベルトレスのツイードスーツを主役にしていた関係で、購入したベルトを使ったのは1日だけ。ないよりはマシですけどね。

 

 それにしても、あの店はなぜ9時開店なのでしょうか。同じH&Mでも他店は10時オープンが普通らしいので、実に不思議です。ジュネーブ駅前だからというなら、では東京駅近辺のファッション店で9時にオープンするショップがあるかといえば、ほとんどないんじゃないかな。

 

 新しい謎も再発見してしまった「H&Mふたたび」なのであります。

 

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2017年1月13日 (金)

行ってきます!

 

 どうしようかなと、ここ数日ずっと悩んでおりました。問題はコートなのであります。

 

 今週末からスイス・ジュネーブで開催される国際時計展示会の取材に出かけるのですが、例年とは寒さが違うみたいなんですよね。天気予報によれば、最高気温がずーーーーーーーっと、マイナスなのです。とはいえ、大きな湖があるせいか、−2度とか−5度くらい。北海道の人に笑われそうですが、ともかく東京よりはずっと寒いのです。

 

 だったら厚手のコートを着ていけばいいじゃんとなりますよね。ところが、ボクの仕事はパレクスポという空港近くの見本市会場の中でブランドの人たちに新作の話を聞くことです。会場内はヒートテックを後悔するくらいの暖かさに感じることもあるので、もちろんコートなんか不要。

 つまり、外に出て氷点下の気温に接するのは、ホテルから会場に向かうバス待ちの時くらいなので、悩んでしまうのです。このため、早くから今回は薄手の軽いコートにしようと決めていたのに、長期予報の気温がどんどん下がっていき、ついにマイナスとなり、ついでに「多少の雪」とか「にわか雪」だってよ。おかげで、ボクの目論見も見直しを余儀なくさせられているわけです。

 

 旅装はできる限り軽いほうがいいというだけでなく、一昨年にはクロークに預けたコートが「見つかりません」なんていうアクシデントも経験したので、持ち歩けないものは避けたいのですが、最高気温が氷点下ではねぇ。

 

 このアクシデントで体感した、コートを着ないでホテルに帰った時の心細さ、ひもじさといったら、そりゃもう情けないくらいでした。だから寒いのはイヤだけど、持ち物は極力軽くしたいというジレンマの中で、ハンガーにかけた2枚のコートを見ながら、どちらにしようかなぁと溜息まじりなわけです。

 

 こんなくだらないことで、よくもまぁこれだけの行数を書いたものだと自分ながら呆れますが、ネタが見つからないから仕方ないじゃないか! 

 

 つい逆ギレ()してしまいましたが、そんなわけで、このブログの再開は基本的に来週24日の火曜日を予定しています。現地で面白いことがあればアップするので、たまにはご訪問ください。

 なんてことを律儀に告知するブログもあまりないんじゃないかな、と思いつつも、では行ってまいりまぁーす。

 

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2016年8月 4日 (木)

老婆心ながら

 

 いよいよリオ五輪が開幕するようですが、ひったくりや強盗などの対策は大丈夫なのでしょうか。世界中で転戦してきた選手なら日本と外国では治安がまるで違うということを知っているので心配ありませんが、問題は日本から現地に入ったファンのほうなんですよね。

 

 わざわざ航空機を乗り継いでブラジルまで行ったのに、大切なものを盗まれたり、ケガでもさせられたらイヤな思い出になってしまいます。そのための注意喚起は何度もされているようですが、今の若い人は平気で荷物を放置してどこかへ行ってしまうんですよね。

 

 ここは私たちの席です、といわんばかりに荷物を置いたままで、みんな揃ってコーヒーを取りに行ったりするわけですが、ボクはああいうことが国内でも学食であってもできません。一歩外に出たら、よほど安心できるところは別にして、カバンであれ何であれ荷物は肌身離さずというのがクセになっています。

 

 イヤな実例を少し紹介しておくと、香港で飲茶をいただいている時に、ある知人は上着を脱いで自分の背後の背もたれにかけておきました。すると30分もしないうちに、それを持って行った奴がいるのです。置き引きの一種になるのでしょうが、内ポケットに財布やケータイやパスポートが入っていたので、それからが大変でした。たいていの観光客が知っている大箱の有名店でもこんなことが起きるのですから、海外で荷物を放置するなんて、「持ってけドロボー」と言っているようなものです(ちょっと意味が違うかな)

 

 このブログですでに紹介しましたが、ボク自身も荷物を載せたキャリーごとひったくられたことがあります。交差点でホッと一息という感じで立ち止まり、キャリーから手を離した瞬間に、後ろから自転車に乗った奴にやられました。国連関係のオフィスだってあるスイス・ジュネーブの駅前ですぜ。

 

 ある国際展示会で「キャリーバッグはここに置いておけば大丈夫ですよ」と言われて素直に従ったら、きっちり盗まれたという知人もいます。スーツケースの鍵が中に入っていたので、ホテルに帰ってからが一仕事になったと聞きました。

 

 室内に置いたモノの盗難があまりにも目立つので「泥棒ホテル」と噂されるところもあるほか、部屋に備え付けの金庫に入れておいた大金を盗まれた人だっています。催事場のクロークにしても、真冬にもかかわらず、預けたコートが「見当たらないので明日また来てください」なんてこともありました。

 

 おかげで、1人で行動することが多いボクは、空港のトイレでも旅行カバンがあれば個室に持って入ります。でないと、むしろ落ち着かない気分になってしまうからです。新幹線でも同じことをやっていますけどね。

 

 とにかく、先進国でも盗難事件は普通に起きるのですから、発展途上国ならなおさらです。ケガさえしなければ、泥棒もひったくりも経験といえば経験ですが、取り返しの付かないことになったら後悔するしかなくなります。これから海外に行くという人は、くれぐれもご注意を。

 

 唯一の防衛策は、よく言われることですが、大切なものはできるだけ身につけておくことです。ボクがひったくりに遭った時も、たまたまパスポートなど大切なものを上着のポケットに入れていたので、実害はTUMIのバッグそのものくらいでした。購入価格はおよそ7万円でしたが、これは旅行保険でカバーできました。

 人を疑うのは決して良い習慣とは言えませんが、国内でも予めそんなクセを付けておくことをオススメします。いつまでも「水と安全はタダ」とは限りませんからね。

 

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2016年6月17日 (金)

ギリ

 

 来週はまたまた大阪出張となりました。しかも夕方取材で翌朝もアポが入っているので、1泊しなきゃいけません。

 

 事務所にいるより出張のほうが大好きなのですが、問題はホテルなんですよね。以前から外国人観光客が急増しており、予約環境がタイトになってきたのは皆様ご承知かと思います。何かのイベントがあって大阪のホテルがすべて満杯で、仕方なく和歌山まで行ったという知人もいるくらいです。

 

 そんなことにならないように、1泊が決まった時点で即座に大阪のホテルにあたってみました。するとイヤな予感は的中して、大阪駅近辺の行きつけはダメで近隣もアウト。でも、よく考えれば天王寺から電車というのが翌日の予定だったので、いわゆるキタよりもミナミのほうが近い。それで、なんば周辺の全国チェーンのホテルに電話をかけると、キタとは大違いでどこも空いているというではありませんか。しかしながら高い。1泊Ⅰ万円以上というのは、かのマスゾエさん以外はなかなか出しにくい金額ですよね。

 

 かといって安いビジネスホテルとなると当たりハズレが激しくて、ネットの写真や口コミなんかアテにできません。このあたりが出張族には悩みのタネとなるわけです。

 

 以前に「夜遅くに帰って寝るだけだから」と5000円を切る料金のホテルに泊まったことがあります。なんばグランド花月から徒歩2分程度で、タコ焼き屋が並ぶ繁華街のど真ん中。このロケーションで5000円以下ですから、それだけでモトが取れるってものですが、さすがに部屋が小さい。入った経験は一度もありませんが、拘置所というのはこんな感じかなと思わせるほどでした。

 「起きて半畳寝て一畳」といわれるくらいなので、その広さで十分、って意味がまるきり違うじゃないか(ここ笑うところです)

 

 でね、しばらく電話をかけまくった後に、何とか日本橋で希望に近いホテルの予約が取れました。

 ちなみに、どうしてネット予約のサイトを使わないかというと、会員になるのがイヤだからです。その手続きが面倒という理由もあるけど、セキュリティがいまひとつ信用できないのです。旅行業界最大手のJTBですら大量の個人情報漏洩が発覚したではありませんか。

 

 大阪の日本橋に宿が取れたとはいっても、東京在住のボクにとってはどんなところなのか見当もつきません。なんばの隣というくらいのイメージしか持てないのです。取りあえず“滑り止め”は確保したので、やはりなんばの隣駅らしい心斎橋をあたってみると、こちらでもそこそこの料金のビジネスホテルを予約できました。

 

 その予約係の女性がね、前夜に深酒でもしたのか、ものすごいハスキーボイスだったのです。それで妙な親近感を覚えて「すいませんが、そちらの心斎橋と日本橋のどっちが賑やかな繁華街ですかねぇ」と聞いてみました。時間があれば美味しい晩飯を食べようかなと。

 

 彼女はしばらく考えたらしく、数秒の沈黙の後に、以下のように答えたのです。

 

「ギリで心斎橋」

 

 文字にするとそれだけの会話ですが、ボクは笑えたなぁ。「ギリ」なんて、シティホテルのプロフェッショナルな予約係は絶対に使わないワードです。もしかすると彼女は暴走族のレディス出身で、前夜は昔のワル仲間とカラオケでしこたま飲んだのかな、なんて想像もできるではありませんか。

 

 ボクはその答を聞いて日本橋のホテルをキャンセルしました。だって、こっちのほうが面白いじゃないですか。ネット予約ではこうしたヒューマンな感触は絶対に得られないので、ここ当分はアナログオヤジを続けていくつもりです。

 

 そんなわけで、来週月・火曜日はブログはお休みとさせていただき、水曜日から再開します。「ギリ」のお姉さんが予約係をしているホテルが実際にはどうだったかを、その時にご報告するつもりです。

 

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2016年3月24日 (木)

ルーマニア

 

 スイス・チューリヒからオランダ・アムステルダム経由で、昨日朝に成田空港に到着しました。今回は乗り継ぎ時間に余裕があったので、アムステルダム・スキポール空港を歩き回りましたが、どこの空港のショップも似たようなものなので、デューティフリーで必要な土産物を買ってしまうと、すぐに退屈してしまいます。

 もっとも、地域のフードを集めたショップもあったので、旨そうな生ハムなんかも購入しました。チーズは味が心配だったので試食してみたところ、ちょっとクセがあってダメでしたけどね。ボクには日本の安いプロセスチーズのほうが美味に感じるようです。いずれにしても、こうしたローカルの個性が国際化のもとでようやく再認識され始めた気配を感じます。

 

 そんなわけで早めに東京行きと表示されたゲートのベンチに座って手荷物を整理していると、隣にいた皺の深い外国人のお婆さんが英語で話しかけてきました。

「日本人ですか?」

「はい、そうですけど」

「もう桜が咲く季節よね」

「すっかり忘れていましたが、そういえばそうですね」

 

 というわけで、どうやら日本に詳しい人のようです。

 ボクは英語なんてカタコト程度ですけど、なぜだか日本でも海外でも外国人から話しかけられることがやたら多いんですよね。これからショーンとか何とかミドルネームを名乗ろうかなぁ。イニシャルもK..だしって、おいおい。それにしてハーバード出身を詐称できるほど経営コンサルタントまたはMBAって軽いものだったんですね。90年代からMBAを取材してきたボクとしては大いに失望させられました。

 

 たとえば宇宙物理学や生物化学や機械工学や電子工学の修士号を詐称してテレビに出られると思いますか? あのSTAP細胞ですら、たちまち虚偽や論文のコピペがバレしまったじゃないですか。にもかかわらずMBAはウソを通せるとしたら、いったいビジネススクールは何を教えているんだとなりませんかねぇ。

 

「今から6月半ばのレイニーシーズンまでが、日本の最も素晴らしい季節かも知れませんね」

 目黒川を埋め尽くす恒例の桜を想い出しながら、そんなことを付け加えると、「そうでしょう。だからね、思い切ってお友達と行くことにしたの」と彼女は言いました。

 

「若い頃から日本の商社と一緒に仕事をしてきたので、知識はあるのよね。京都と富士山には絶対に行くつもりよ」

「それは羨ましいなぁ。ボクは海外も国内も仕事の旅ばかりですから。だから富士山には登ったことがありません。それに、あれは遠くから眺めたほうが美しいんじゃないかな」

 というようなことを何気に話しているうちに、彼女がルーマニア出身であることが分かりました。

 

「あの国は何とかという独裁者が長く支配していましたよね。えーと、何という名前だったかなぁ……」

 すると彼女は手で口を覆いながら声を潜めて「チャウシェスク」とボクの耳に向けて囁きました。彼は60年代から80年代末までの24年間にわたって独裁者として君臨。人工妊娠中絶を禁止したおかげでストリートチルドレンが増加するだけでなく、エイズも蔓延させることになったといわれています。そのほか、食糧の配給制()を実施するなど社会主義政策にも問題が多く、1989年のルーマニア革命で妻と共に銃殺刑に処されました。

 

 ボクが話していた老婆は、このチャウシェスク政権の時に家族揃って西欧のどこかに亡命していたようです。

 

「子供の頃に母がね、言語人口の少ないルーマニア語なんて適当でいいから、これからは英語を真剣に勉強しなさいと言ったのです」

「ああ、だから英語がお上手なんですね」

「フランス語だって話せるわよ」

 

 ヨーロッパではバイリンガルは普通で、ビジネスパーソンならトリリンガルが不可欠ともいわれますが、そんな背景もあるんですね。でも、民族固有の言語が国際化などで過去のものになっていくのはどうなんでしょうか。

 日本も国内大学の学位より外国の有名大学のほうが将来的に有利だなんて言われるようになりました。でも結局のところ、これまでの東大信仰がハーバードやプリンストンに変わっただけのような気もしますけどね。

 

 そんなことを話したり考えているうちに搭乗時間となったわけです。

 

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2016年1月18日 (月)

抜歯・続の追伸

 

 先週金曜日のブログでは、海外旅行保険はアクシデントに備えた損害保険なので、持病などはリカバーされないと書きましたが、これは過去の常識だったようです。

 

 成田空港でいつもの海外旅行保険に加入した時に聞いたのですが、「持病の悪化でも額は少ないですが治療費などは保障されます」として、ボクが加入した最低額の保険でも300万円までが上限になっていました。

 ボクが間違っていたわけではなく、数年前に改正されたみたいですけど、とにかく虫歯の治療なんかも大丈夫みたいですね。

 

 この会社とは違いますが、虫歯も含めた持病をしっかりサポートしてくれる海外旅行保険もあるらしいので、心配な方は出がけに特約なども含めてネットなどで調べておくといいんじゃないかな。

 

 でもね、話を戻すようですが、海外で歯医者はちょっとね。痛みの種類やこれまでの経過をうまく英語で説明できる人なんてそんなにいないでしょうから、やっぱ持病系は出発前にちゃんと手当しておくってことかな。

 

 ボクとしては珍しくあたり前の結論になってしまいましたが、現実なんてこんなものですよね。

 では、行ってきます。

 

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2015年12月21日 (月)

安全のコスト

 

 大昔に韓国の観光ガイドブックを編集・制作したことがあります。ボク自身は済州島に興味があって現地取材したのですが、そこで興味深いことを教えていただきました。

 

 古民家の入口には、2本の杭のようなものがあって、そこに3本の柱を通したものが門だというのです。写真がないので説明しにくいのですが、目という漢字から下の1本をカットしたようなイメージです。

 

 でね、一番上の柱の左端を下におろして斜めになっている時は「ちょっと近所に外出中」、2番目の柱も下にあったら「半日ほどしたら帰ってきます」というような意味だと聞きました。では3本とも端が下にあれば、どういうことになるでしょうか。

 

 正解は「遠方に行っているのでしばらく戻りません」なんですね。逆に3本とも揃って横に並んでいれば「在宅中」となります。つまり、外から3本の柱の状態を見るだけで家内の状況が認識できるわけです。

 在宅中ならともかく、3本とも柱が下になっていたら空き巣狙いには絶好のチャンスというほかありませんが、「済州島には泥棒なんていなかった」というのがオチになっているんですよね。

 

 長期不在にする時はわざと3本並べてフェイントにするという方法も考えられますが、現地で古民家を見ると、わざわざそんな面倒なことをする必要もないことが分かります。農家なので金目の物なんて限られていますからね。

 

 日本にしても、昔はマンションのオートロックなんてほとんど見たことがありませんでした。会社も受付はあるにしても、ほとんど通り抜け自由。普通の格好をしていれば、警備員に誰何されることもなかったような気がします。

 

 それがいつの間にか、皆さん首からIDとか何とかをぶら下げるのが常識的となり、ボクの事務所のマンションも2年ほど前からオートロックとなりました。東京・丸の内の三菱重工業本社ビルが爆破されたのが1974年8月ですから、それをきっかけに企業が本格的にセキュリティ対策に乗り出したのかもしれません。

 

 かつて「日本人は水と安全はタダだと思っている」としたり顔で書いたエセ外国人がいましたが、今では有料のミネラルウォーターを飲むようになり、民間ですら安全のためのコストを強いられるようになっています。

 

 これって100年、いや日本なら僅か50年にも満たない期間での変化ですよね。いったい何がそうさせたのでしょうか。そして、本当にこうした安全のためのコストは必要なのでしょうか。

 これは国家における軍事費用(防衛費)とも似たところがあるので、要不要の段階から分野別の具体的なコストパフォーマンスなども含めて、そろそろ社会学的に検証していくべき時期ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。無駄な予算や浪費が結構あるように思うんですけどね。

 

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2015年12月 7日 (月)

人類共通の倫理

 

 まーた理想論かよって、きっと呆れる人もいるだろうなぁ。

 

 えーと、ですね。うまく表現できないのですが、そろそろ国家や民族や宗教を超えた人類共通の絶対的な倫理を確立するべき時期ではないでしょうか。

 

 ISIL(イスラム国)とそのシンパと見なされる人たちによるテロルが世界中で相次いでいます。ヘタすりゃ日本だって例外とはいえなくなるでしょう。では彼らはいったいいかなる理由で見知らぬ民衆を殺傷するのでしょうか。

 

 必ずしもイスラム教に基づいていないにしても、それなりの世界観や宗教的な理念が背景になければ支持者を集めることは不可能ですよね。何よりも、自爆または自分が殺されることを覚悟で無辜の民衆を殺傷するなんてことは、本人たちに確固とした信仰または信念あるいは思い込みがなければできることではありません。

 

 いかなる理由があっても人を傷つけたり殺したりしてはいけないというのは、どこでも通用する共通の倫理のように考えがちですが、歴史的な例外があるんですよね。それが戦争です。喜劇王のチャップリンが言ったと思いますが、平時に人を殺せば殺人罪でも、戦時に多数を殺せば勲章だって授与される英雄になります。つまり、国家が軍隊を持つ以上は、殺人は容易に正当化され得るわけです。

 だったら戦争をやめりゃいいだけのことですが、こちらは戦争と思っていなくても相手がそのように認識することがあります。おそらくISILとシンパたちは、自分たちの国家というか主権が確立しない限りは、戦時に等しいと考えているのでしょう。従って、勝つためには何をやっても許される。

 

 こんなのは宗教や民族的な理由というより、立場の論理ではないでしょうか。この立場の論理を押し通していけば、ボクたちの倫理なんて簡単に吹き飛んでしまいます。自分たちの味方以外はすべて敵ということになりますからね。

 

 だったら、こうした立場によって変わるような相対的な理屈はもうやめて、そろそろ人類共通の絶対的な倫理を確立しなきゃいけないとボクは思うわけです。利害に密着した立場にどっぷりと浸かった大人にはもう遅いので、国家や民族を超えて幼児の頃から徹底的に教育していく10か条程度の基本的な倫理があっていいのではないでしょうか。国際バカロレアにはそうした倫理や理念も含まれているように思います。

 

 この理想論には、実は経済的な利得も備わっていることを明言します。少なくともセキュリティなどにかかわる面倒やコストが軽減できるではありませんか。

 

 そうした意味では、やはり非現実的と誹られてきた日本国憲法第9条も経済性の高い素敵な理想論じゃないかと思うのですが、以上の理屈は残念ながら大変に説明しにくく、反論も秒速で可能なのです。理想論が現実に負けるのは当たり前ですから、本当は論争とも言えないんですけどね。

 

 人間というのは、その叡知をもってしても置かれた立場から抜け出すことができない生き物なのでしょうか。

 

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2015年12月 2日 (水)

スコットランドで

 

 20世紀末か21世紀初頭だったと思いますが、思い切って2週間という夏休みを取ったことがあります。ライターなんていうのは下請けの受注産業が実態ですから、長く日本を留守にするのは決して好ましいことではありません。けれども、そうした目に見えない縛りが窮屈で仕方なく感じていた反発もあって、フラリと出かけることにしたわけです。

 

 およそ1週間は南フランス、残り1週間はイギリスに滞在しようと考えていましたが、往復の航空券以外は事前に何も予約しませんでした。気が向いたところでホテルを探して泊まるつもりだったのです。

 

 パリに到着して1泊してからレンタカーを借り、すぐに郊外へ。パリなんてニューヨークや東京とほとんど同じですから、まったく興味はなく、とにかく南に向かいました。ちょっと無謀かと思いましたが、田舎に行けば行くほど宿探しは簡単になり、苦労なんてなかったように思います。人が集まる観光地はできるだけ避け、人口が1000人にも満たない村の名主の旧邸みたいな民宿ばかりを選んだので、むしろ相手が珍しがってくれたくらいです。

 おかげでフランスが本当は農業大国であることを実感できました。

 

 イギリスでも同じくロンドンはさっさと後にして、やはりレンタカーで今度は北上しました。南に行ったらドーバー海峡ですもんね。

 風光明媚な湖水地方(レイク・ディストリクト)を経てスコットランドに入ると、荒々しい自然がそのまま残されているところも少なくありません。むき出しになった土が緑や紫とか、およそこの世のものではない多彩な色に息を呑んだこともあります。

 

 そんなスコットランドの山中に宿があるかといえば、やはりあったわけですね。ガイドブックにたまたまあった写真と同じ古城を見つけたので、さっそく公衆電話から予約を入れるとOKという返事が貰えました。

 

 中高年の女性が宿としての采配を行っているらしく、食事を終えた後に日本のことをあれこれと質問されたのは閉口しましたが、イギリスにしては料理が美味でした。

 

 翌日に、彼女が芳名帳みたいなものを持参して、ここにサインが欲しいというので、何気なくパラパラとめくってみて驚きました。

 英語による大小の筆記体が思い思いに並ぶ中で、美しい達筆で「辻静雄」と書かれていたからです。

 

 新聞記者を経て、料理人でもないのに辻調理学校を設立。フランス料理を食べ歩いた人というくらいの知識はありましたが、およそ電車では行けない辺鄙なところですよ。そんな場所にまで彼は足を伸ばしていたのです。

 近年は「世界中を回って探した」とか何とか、口先ばかりの自己宣伝がエスカレートしているように感じますが、彼はまさしくヨーロッパ全土を食べ歩いていたわけです。しかも60年代ですからね。凄い日本人がいるものだと感心しました。

 

 それが分かれば、畏れ多くて自分の名前など書けたものではありませんが、女主人がしきりに促すので、仕方なく小さな文字でサインしました。当時はまだ漢字が珍しかったようです。

 それから15年有余を経て、その古城でボクの名前を見て同じように感動する人がいるとはとても思えません。かくて、つくづく自分が並みの人間に過ぎないと痛感するわけですな。

 

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