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福助くん その6

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    福助くん、9歳の秋です。 ちょっと長めの散歩をして、世田谷公園へ。 紅葉と福助をご覧くださいまし。

福助くん その5

  • 赤いサルビア♪
    2010年秋の福助くん。とある週末に埼玉県所沢市にある航空公園に行ってきました!

福助くん その4

  • 1 毎年恒例の・・・
    今さらですが、今年の花見の福助くん。ご近所の目黒川に行ってきました。

福助くん その3

  • 1 田舎に行ってきました!
    飼い主の田舎に行ってきた福助。うららかな春を迎えた大自然のなかで、いつもと違った表情に。

福助くん その2

  • 定位置
    平日は会社にいる福助。こんな感じの毎日です。

福助くん その1

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    笠木の飼い犬。甘えん坊でちゃっかり屋の8歳。雄。

音楽

2019年10月17日 (木)

SHISHAMO

 

 月曜日の午後に何気なくテレビをザッピングしていたら、3人の若者が演奏している画面が眼にとまり、というより耳がキャッチました。独特の旋律にもかかわらず、妙に心地良いサウンドなんですよね。いったい誰だよと番組タイトルをチェックすると、「NHK全国学校音楽コンクール中学校の部」とあるじゃないですか。

 おいおい、中学生でこのレベルはハンパじゃないぜと驚愕。身を乗り出すようにして見直すと、ボーカル&エレキギターに、エレキベース、それにドラムスの3人ユニットで、全員が女性。ドラムスだけは性別がすぐに判断できず、しばらく観察して女性と確認したんですけどね。歌詞やメロディに説明しがたい不思議な魅力があるだけでなく、演奏も相当にイケています。特にギターのリフが上手で、ドラムスも実にカッコいいインパクトがあります。

 ものすごい逸材を発見したぞ、と頭から湯気が出るほど興奮して調べてみたら、彼女たちはコンクールの出場者ではなくゲストであり、課題曲『君の隣にいたいから』を歌っているSHISHAMOというプロのロックバンドではありませんか。しかも、すでに十代を中心に圧倒的な人気があるそうです。いやはや何だよと、いささかがっかりすると同時に、そりゃそうだよなぁと、深く納得しました。あはははは、アホバカと無知は敵なしですよね。

 いずれにしても、『君の隣にいたいから』は、子供が大人に成長する直前の中性的な雰囲気が漂っており、友情以上で恋心未満という甘美な酸味を伴う世界観が若い子たちに支持される理由ではないでしょうか。たいていの歌はエロスが直接的あるいは間接的に見え隠れするのですが、この歌はちょっと違うんだよな。どこで息継ぎしたらいいのか切れ目が曖昧で、よくある風景描写もほとんどありませんが、その分だけ、胸をドキドキさせる心象にキラキラと輝く言葉を与えています。

縦結びになったスニーカーの紐
直すこともせず
今日もただ歩いている
だらしない私の隣に
背筋の伸びたいつもの君

 いやぁ、素晴らしいイントロです。「君」が男の子なのか女の子なのか、最後まで分かりませんが、それでも2人の関係と片想いのように憧れる心情がきっちりと表現されています。これを作詞・作曲して歌っている宮崎朝子さんは並大抵の才能ではありません。誰かに紹介されたわけでも、雑誌で見たわけでもなく、自分自身で彼女たちを発見したボクもエライだろと言いたいところですけど、そんなの自慢にも何もなりませんよね。ともかく、久々の逸材に出会った僥倖を感じます。

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2019年9月12日 (木)

クラプトン

 

 渋谷のメガドンキの真向かいに、7階建ての楽器店があります。

 中学1年でウクレレを弾き始め、中3からガットギターにアップデート。社会人になって念願のエレキギターを購入したくらいなので、この店の存在は昔から知っていますが、ギターがズラリと並んだ1階にチラリと顔を出す程度で、それより上に行ったことがありません。

 自分の音楽的才能に見切りをつけてリスナー専門になることを決意。ギターを押し入れの隅に片付け、カラオケにすら行かなくなって、いよいよ興味を失った店ですが、昨日はたまたま外国人をメガドンキに案内。その帰途に「どうしても中に入りたいよぉ」とグズるので(もちろん誇大な形容です)、仕方なく同行しました。彼は見上げるほどの巨漢ですが(前同)、ピアノを音楽スクールで本格的に学んでおり、ロンドンの自宅には電子ピアノもあるらしい。ついでに近頃はギターにも興味があるというんですよね。

 念のためにエレベータ脇に貼られた各階の表示を見てみると、7階すべてがギターで、それ以外の楽器がほとんど見当たりません。つまり、徹頭徹尾のギター専門店。そんなにもギターの種類があるのかといえば、いやいやこれがね、ウクレレも含めて、いろいろとあるんですな。特にヴィンテージとおぼしきエレキギターを並べたフロアが、特段に充実しているように感じました。何しろ高いモノで300万円近い値札ですぜ。新車が買えます。ボクはガットギターでクラシックばかり弾いていたので、エレキがガンガンのロック系にはまるで疎いのですが、それなりの故事来歴があるようですね。

 その外国人と一緒に「Oh!」とか「へえー」と溜息を漏らしながら各階を見て歩いているうちに、1枚の写真が目に止まりました。何と、誰あろう、かのエリック・クラプトンではありませんか。彼が店内でギターを品定めしているところを撮影したものだったのです。

 個人的には、前時代にあたるレス・ポールのほうが好きですけど、ともかく世界3大(日本人はこういう形容が好きですよね)ロックギタリストの1人と評価されるアーティストです。ちょっとでも洋楽(古いかな)を聞いた人なら名前くらいは絶対に知っている、簡単に言えばギターの神様ですよね。そんな超有名人が、お忍び(かどうか知りませんけど)で来訪する店であったのです。もしかしたらアルフィーの高見沢氏も常連だったりしてね。

 さすがは東京、渋谷だなぁと感心しましたが、ボク自身は管楽器に興味が移っており、指先が痛くなる弦楽器はもうやりたくないなぁ。もしできればクラリネット、あるいはサキソフォンを吹いてみたい。黒いケースからクラリネットをひょいと取り出して、ベニー・グッドマンか北村英治みたいに颯爽と演奏できたら格好いいですよね。

 以前にもこのブログで書きましたが、およそ文系というなら、せめて楽器のひとつくらいはこなせないと理系に申し訳が立たないと思うんですよね。大学生の半分が文系なのに対して、理工系はわずか2割程度ですよ。その彼らが生活を便利にする工業製品を開発し、生産に携わっているのですから、文系はせめて音楽や芸術分野で社会を楽しませなくてどおするの(ここ張本氏の言い方をイメージ)。プログラミングなんかやるより、ヴァイオリンとかピアノをやろうよ。

 仕事が人工知能と機械に置き換わったので、働き者のアリさんたちはすっかり失業。逆にキリギリスは冬も引く手あまたの人気だそうです。

 

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2019年6月21日 (金)

楽しく生きよう!

 辛抱できなくなって、またまた浅草HUBに行ってしまいました。定期的にライブを聴かないと神経が煮詰まってくるのです。昨日の7600万円のように、気分が滅入るニュースも珍しくないしね。

 それに、近頃はビーフ・シュラスキーニョとポップコーンにもはまっております。HUBはブリティッシュパブなので、フィッシュ&チップスが名物ですが、とっくに食べ飽きてしまったんですよね。そこでサイコロステーキを鉄串に刺したシュラスキーニョ、つまりバーベキューにトライしてみたら、予想をはるかに超えた絶品だったのです。年を取ったせいか、和牛のサシ=脂が苦手になり、赤身を好むようになったこともあるようですが、塩味と肉の旨味がみごとに相まって実においしい。いくら噛んでも噛みきれない硬さが難点といえば決してそうではなく、そのワイルドな食感も魅力なんだよな。このため、いつも「ウェルダンでね」と念押ししています。ますます肉が硬くなるのは承知の上ですが、カリッと焼けた表面にまぶされた塩コショウが冴えるのであります。

 そういえば、日曜日に高級レストランで赤ん坊の頬のように柔らかな牛肉をいただきましたが、どうにもヘタレな感じを受けたのは、この硬いシュラスキーニョに慣れたからだと今わかりました。虫歯と歯周病を徹底的に治しておいてホントに良かった。

 ポップコーンのほうも、作り立てでホカホカと暖かなシロモノでありまして、こちらも酒のツマミらしく塩味が素敵に旨いのです。ついおかわりしてしまいました。

 さて、昨夜の出演バンドはブルームーン・カルテット。コルネットをバンドリーダーとして、エレキ・ウクレレとベース、それにドラムスという4人編成です。このバンドは2回目ですが、初めて見た時はウクレレにエレキなんてあるのかとびっくりしました。4本しか弦がないので、確かにウクレレにもかかわらず、こんなに奥ゆきのあるサウンドもできるんだと感心します。ボクは中学の時にウクレレから弦楽器をスタートしたので、違いがよーく分かるんだよな。あんな早弾きも、ちょっとやそっとの練習では絶対に無理でしょう。

 曲目はアース・ウィンド&ファイアーやスタイリスティックスなどから、なななななななな何と薬師丸ひろ子の『Wの悲劇~Woman』。いつの時代だよ、というくらいのウルトラスーパー懐メロですが、ボクはすごく楽しめました。エレキベースとドラムスがしっかり背中を支えているので、ウクレレとコルネットのメロディパートが自由気ままに飛び跳ねることができるんですよね。

 このバンドは、以前にたまたま同店で隣り合わせたご婦人に勧められたのですが、昨夜もお見かけして「来てくれたんですね、すごく嬉しいわ」なんて挨拶されました。だからといって誓って何事もなかったのはまことにもって残念ですが、そんな邂逅もストレス解消になったような気がします。やっぱね、人生は楽しく生きなきゃ損だよな。

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2019年6月17日 (月)

バリトンサックス

 

 先週ご紹介したトランペットは華やかな破裂音が特長ですが、女性が「エッチね」と思わず感嘆の声を漏らす楽器がサクソフォンです。1950〜60年代にかけて流行した「ムード歌謡」では、この楽器で夜の雰囲気を表現した曲が少なくありません。大人の成熟した艶っぽい溜息というのかなぁ、上手な人が感情を込めて演奏すると、確かに「エッチな空気」が漂ってくる不思議な楽器です。

 知り合ってからそれほど経っていないけど、一気に距離を縮めたいという野望をお持ちの女性とデートする時は、サクソフォンをBGMにすることをオススメします。石原裕次郎が歌った『銀座の恋の物語』でも「やさしく抱かれて瞼を閉じて、サックスの嘆きを聞こうじゃないか」というフレーズが最後に出てきます。それにしても、昔の歌謡曲は大人向けの「エッチ」な歌詞が少なくないですよね。AKBなんかとは大違いです。

 このサクソフォンは、1840年代にベルギーの管楽器製作者、アドルフ・サックスが考案。46年に特許も取得しています。そんなに古くからある楽器ではないわけです。冶金や溶接といった近代の技術進歩が背景にあるんじゃないかな。

 音程によって実に様々な種類があるのも特徴です。ジャズやポピュラーで最も使われるはテナーサックス、アルトサックスですが、調べてみたら全部で9種類もあるらしい。中にはアルトサックスをそのまま超小型にしたものもあって、初めて見た時はどこかのお土産のミニチュアかと思ったくらいです。

 その逆に、かなり大きなタイプがバリトンサックスです。ジャズでサクソフォンを見慣れたボクでも驚くほどのキングサイズ。丸太のような金属パイプを曲げて折り返したといえば大げさですけど、それくらいの迫力と存在感があるので、これを首から提げるだけでも体力が必要なんじゃないかな。音階を作るバルブの大きさも半端ではなく、アサガオのような開口部近くに、ボクのゲンコツがすっぽりと入りそうな大きな穴と蓋が3箇所つくられています。

 このバリトンサックスを初めて見たのは、例によって浅草HUBでした。日曜日の夜はヒマなので、写真を見てサクソフォンが中心になったバンドらしいというので、あまり期待せずに行ったのですが、これが大正解だったのです。バンド名はブラッディスト・サクソフォンBloodest Saxophone。Blood=血まみれの最上級ならBloodiestになるはずですが、ネットで確認しても「i」がありません。愛が足りないから? というのはボクの冗談で、何か違う意味が込められているのかな。ファンの間ではブラサキと略称されているようです。

 テナーサックスをリーダーとして、その隣にバリトンサックス、背後にベースとドラムス、それにギターの5人編成でしたが、音の重層感が素晴らしいんですよね。テナーサックスとバリトンサックスが作り出すヘビーで奥ゆきのあるハーモニーが腹に響いてきます。ボクはジャズとブルースはまだまだ素人ですが、相当な実力派であることはすぐに分かりました。後でネットをチェックしたら、昨年で結成20周年。音楽業界にも疎いですけど、これだけ長く続けられるのは、テクニックもさることながら、コアなファンがついているんでしょうね。それに演奏が楽しいんだよな。音楽が「音学」になってはいけないというのがボクの持論ですが、演奏を見せる演出にも十分に配慮しており、つい足先が動いてしまいます。オチがどうにも分からないMCもご愛嬌でありまして、所定の演奏時間があっという間に感じるほど入れ込むことができたのです。

 多忙なせいか、浅草HUBは2か月に1回だけの出演なので、即座に7月分を予約。テナーサックスとバリトンサックスに再び出会うことを今から楽しみにしております。

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2019年6月14日 (金)

トランペット

 大学受験に失敗して浪人だった頃じゃなかったかと思うのですが、何かのきっかけでトランペットを預かったことがあります。その経緯はまるで思い出せないのですが、中学の頃からギターを弾いていたので、音階をつくるバルブが3本しかないトランペットなんか簡単だろうと思ったら、管楽器は仕組みがまるで違うんですよね。

 マウスピースを取り付けて口から息を出すだけでは、それこそウンともスーともいわない。ただ空気が通り抜けていくだけです。唇をふるわせて「ププー」という感じで音を出してはじめて、それを増幅してくれる楽器なんですよね。このため最初はマウスピースだけで音を出す練習をするのですが、コツが分かるまでに1週間ほどかかりました。

 ある時に突然、プァアオーという死にかけた象の鳴き声をみたいな音が出るようになり、「ああ、こういうことか」と暗黙知を体感しましたが、それでもメロディは無理。前述のバルブを押せば音がすぐに変わるというものではなく、演奏者自身が音階を吹き分けると、それをアシストしてくれるだけの存在なのです。早い話が、口笛の音をより大きくするのが管楽器の本質ですから、演奏者の音感が相当に影響してきます。ギターのように、誰でもポロンと音が出るというシロモノではないんですよね。

 では、音が出れば一丁上がりかといえば、それからが問題なのです。アパートやマンションなど共同住宅の一室で練習したら、間違いなく苦情がきます。今ならヘタすりゃ凶悪な隣人がナイフ持参でノックするかもしれません。一戸建てにしても、家が隣接していたら音は漏れてしまうでしょう。ボクも当時は「うるさい!」と言われたことがあります。やっと音が出たばかりでメロディもロクに吹けないですから、聞かされるほうは拷問に等しいのは確かです。

 でもさ、それでは天才トランペッターは防音室を完備したカネ持ちの家からしか生まれないことになります。貧乏な暮らしの中で、誰かから譲り受けたトランペットを手にして、次第にミュージシャンとして名を成していく出世物語なんて成立しません。ようやく本題に近くなってまいりましたが、ボクはそのことを言いたいわけです。

 かのルイ・アームストロングはアメリカ・ニューオーリンズの貧民街で生まれました。子供の頃に誤ってピストルを発砲。おかげで少年院に送致され、そこでトランペットの原型であるコルネットと出会い、才能を開花させていったのです。その時に「うるせぇなぁコノヤロー」と言われて断念していたら、後年の名曲の数々は誕生しなかったことになります。

 でもね、ボクの体験を言わせていただければ、日本はこういう管楽器を練習するにはまるでふさわしくないところなのです。川のほとりならいいだろうとクルマで行ったこともありますが、しばらくすると見知らぬオッサンが近づいてきて、「キミね、近隣に大迷惑をかけていることを分かっているのか」と理詰めで叱られました。河川敷の打ちっ放しゴルフのほうがよほど迷惑で危険だろうと思いますが、とにかく練習する場所はどこにもないのです。今ならカラオケに行けばいいんだろうけど、当時はそんな施設なんかなく、もしあったとしても室料は決して安くはありません。

 それでトランペットを泣く泣く持ち主に返却。以来、一度も吹いていません。かくて新世代のルイ・アームストロングは、まことに勿体なくも可哀想なことに、生まれる前にそそくさと抹殺されたのであります。うまくすれば日野皓正やMALTA、北村英治なんかと共演していたかもしれないのに、社会的損失じゃないか。

 もうちょっと皆さん、寛容になれないものでしょうか。未熟な者を優しく見守るという余裕が、どんどんなくなってきたように感じます。みんなは自分の権利ばかり主張するけど、大人は子供を健やかに育てる義務ってものがあるんだぜ。それを忘れた国なんて、人口減少で早く滅びたほうが世界のためじゃないかとすら思うのであります。

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2019年5月20日 (月)

『銀座ブルース』

 

 やっぱりいいなぁ、西田佐知子。以前にもさんざん書いたように、艶っぽい鼻声がとても魅力的な歌手ですが、『銀座ブルース』を聴いて、改めて惚れ直しました。

たそがれゆく銀座 いとしい街よ
恋の灯つく銀座 夢買う街よ

 スローで情感たっぷりのシロホンで始まり、それを追いかけるテナーサックスが夜更けの銀座に漂う妖しさを予感させますが、こんな始まりの歌を「ブルース」と呼んでいいのかなぁ。昔の歌謡曲は「ブルース」をぶら下げたタイトルがやたらに多いので、当時は流行だったんでしょうね。
 オリジナルは、和田弘とマヒナスターズに松尾和子が参加してレコーディングした1966年のシングル盤のようです。「ムード歌謡」として多くの歌手がカバーしており、何と石原裕次郎も歌っていますが、その由来はウィキペディアもフォローしていないので、確かなことは分かりません。ボクは1969年発表のアルバム『西田佐知子 恋を歌う』の収録曲を愛聴しています。

 昔の歌は言葉使いが実に達者でありまして、「恋の灯つく銀座 夢買う街よ」という的確このうえないフレーズで瞬時に分かるように、銀座のホステスクラブまたはバーを舞台にしています。ただし、構成が普通とはちょっと違うんだよな。

あの娘の笑顔が 可愛い
ちょっと 飲んでいこうかな

 それだけなら、店の扉をいざ開けようとするお客目線の歌かと思いますが、

ほんとにあなたっていい方ね
でもただそれだけね

 と、主体は接客側に移ります。つまり、客とホステスとの心理的な掛け合いが歌の骨格をなしているのです。それにしても「いい人というだけ」なんて、ボクのように遠慮がちで控え目なマジメ人間にはグサリと刺さるセリフです。かといって突き放すわけでもないので、だったら別の側面も見せてやろうじゃないかと。そんな挑戦的な気分を刺激することで常連にしてしまう手練手管ですから、皆さん、くれぐれもご注意ください。

 こうした掛け合いで代表的なのは、松本隆が作詞して太田裕美が歌った『木綿のハンカチーフ』ですが、発表は1975年。それよりも9年ほど先行しています。松本隆はこの歌を参考にしたのでしょうか。翌1976年にちあきなおみが歌った『矢切の渡し』も同じパターンです。ちなみに『銀座ブルース』の作詞作曲は鈴木道明。ラジオやテレビの音楽番組の制作に携わる一方で、数々のヒット曲を送り出した才人です。

ネオン花咲く銀座 夢売る街よ
こころはずむ銀座 夢買う街よ

 まぁね、先立つモノ=おカネさえ潤沢であれば、確かに銀座は楽しい、というより愉しい街ではあります。

気のない素振りが 憎い
ちょっと酔ってやろうかな

耳打ち話が気になるわ
あなた意地悪ね

 ほらね、今度は下手に出て弱みを見せしたりして誘うんですな。このあたりの男女のやりとりがね、西田佐知子の独特の声質と相まって絶妙なのでありますよ。耳のそばでふわりと囁かれるような色気が、胸の動悸を早めたりします。かといって、決して官能的な妖艶さには至らない。このギリギリの寸止め感が西田佐知子らしさであり、貞淑で清楚な雰囲気も残しています。だぁからね、歌が好きというレベルを超えて、本人に惚れてしまうのであります。

あの娘の気持ちはどうだろう
ちょっと聞いてみようかな

目と目で交わしたお話が
ピンと来るのよ

 いろいろ含みを感じさせる歌詞だなぁ。「目と目で交わしたお話」って、相当な常連にならないと、そんな高等な交流は無理ですよね。

今宵ふけゆく銀座 たのしい街よ
ふたり消えゆく銀座 夜霧の街よ

 うーん、消えゆく2人は本気なのか、それともアフターでしょうか。寅さんじゃないけど「それを言っちゃおしまいよ」という複雑で微妙な曖昧さが、夜の淑女とのつきあい方ってものなんですよね。経験ないけど。。。。。

 こんなシャレの効いた、コミカルともいえる歌を、西田佐知子は実にみごとに、おそらく本人も楽しんで歌っているんじゃないかな。歌はメロディやリズムに忠実ならいいってもんじゃないですよね。表情が歌の中に見えてこなきゃいけない。そのためには、足し算ではなく、ボクの持論である「引き算」が余韻となって、聴き手の想像力を刺激するのであります。

 

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2019年2月28日 (木)

砂漠化する心象

 

 うっひゃー、またまた大げさなタイトルにしてしまいました。

 浅草のHUBが耐震補強のための改装工事に突入して1か月以上が経過しました。ひいきにしていたライブハウスですが、再開は3月17日の予定。あと2週間ばかりではあるのですが、どうにもね、音楽がないと心が渇いてしまって、水気のまったくない砂漠のようになってくるんだよな。

 

 そんなカサついた気持ちがたまらなくなって、先週は初めて銀座スイングに行ってきました。ロケーションは銀座というより有楽町なのですが、創業40周年というだけにブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気。老若男女がカジュアルに集まるハイブリッドな浅草HUBと違って、客層もおそらく大企業の社員と目されるダークスーツにネクタイ姿の人ばかり。ボクは当日に予約したせいか、スピーカー脇の最悪の席でした。でもまぁ、ドラマーと目が合うほどの近くで、彼の手元がはっきり見えたのはメリットだったかな。ドラムスにも譜面があるなんて初めて知りました。

 

 当日の演奏は実にハイレベルで、世界の銀座という立地のパワーを再認識です。浅草のメンバーとはちょっと違って、ものすごくハイブラウでインテリジェント。モダンかつメロディアスな曲調もボク好みでした。

 

 ただね、ミュージックチャージそのものはリーズナブルでも、立地の関係でしょうか、メニューが総じて高い。ハムとサラミの盛り合わせが2200円ですから、HUBの価格に慣れたボクにとっては目が点です。ボトルをキープして会員になれば、もうちょっと安くできそうなので、次は飲めないウィスキーをオーダーしようかな。

 

 クラリネットで知られる北村栄治氏も頻繁に出演されているようなので、「世界は日の出を待っているThe World is Waiting for the Sunrise」を演奏しそうなメンバーの時にまた行こうと思っています。

 

 とにかくね、10日ほどもライブを聴かないと、注油を忘れて歯車などが錆付いた自転車みたいにギシギシになっちまうのです。ワイヤレスのイヤホンもあるけど、録音はライブに絶対に勝てません。ああ、心が渇いて仕方ないのでありますよ。

 

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2018年11月 1日 (木)

『お久しぶりね』

 

 男は最初の恋を忘れられないのに対して、女性はどんどんメモリーを上書きしていくといわれます。未練がましいのが男で、過去なんか忘れてどんどん前に進んでいくのが女性とも言いかえられるのかな。

 

 実際に、テレビなんかで「昔の恋なんて覚えていないわよ」と放言する女性タレントは多く、「だからね、再会してもいいことなんかないの」と念を押したりする。いや、たくましいかぎりで何よりでございます。

 

 そのほうが論理的で合理的かつ打算的なので、きっとそうなんだろうな、と長きにわたって思ってきたのですが、歌の世界は案外そうでもないんですよね。女性のほうから再会を望む歌はかなりあります。たとえば松尾和子も金子由香利も同じタイトルの『再会』を歌ってヒットしましたからね。

 

 このジャンルの歌はそれこそ山のようにありまして、やっぱ男も女性も昔の恋を忘れられない人は多く、そうした叶えられない情念こそが歌を歌うリビドーになっているんじゃないかな。てーのひらを、たいようにー、なんてポジティブシンキングでジェンダーレスな文部科学省推薦みたいな曲が大人のスタンダードになるなんてあんまりないですよね。

 

 そんな“再会系”の中でも最もポップでテンポが良くて、やがて哀しさが滲み出てくる名曲だと思うのが『お久しぶりね』です。

 

お久しぶりね

あなたに会うなんて

あれから何年 たったのかしら

 

少しは私も 大人になったでしょう

あなたはいい人 できたでしょうね

 

お茶だけのつもりが 時のたつのも忘れさせ

別れづらくなりそうで、

なんだかこわい

 

 このイントロダクションは、フランスと日本で場所こそ違っても、前述した金子由香利『再会』とまったく同じです。何しろ「あら、ボンジュール、久しぶりね」ですからね。1969年にフランスのポップ歌手、ニコレッタが歌って不発。これを矢田部道一の訳詞で再解釈して初めてレコーディングしたのが1981年(この時は『めぐりあい』がタイトルだったようです)

 小柳ルミ子の『お久しぶりね』は1983年と後発なので、金子由香利の歌にインスパイアされた可能性は否定できません。でもまぁ、街角でばったりと昔の男に出会うなんてことは、滅多にないようで、あり得ないとも断言できないので、パクりうんぬんは論議の埒外でしょう。

 

 それに曲想がまるきり違います。金子バージョンが「語り」を基本にしているのに対して、『お久しぶりね』はやたらにリズミカルでノリがいいのです。ちなみに作詞・作曲は杉本真人。シンガーソングライターですが、あいうえお順に列記されるほど沢山の歌手に曲を提供しています。それを梅垣達志がロケンロールぽい強めのドラムスを前面に出し、テンポアップで編曲したことで、独特の印象的な曲に仕上がっています。

 

 調べてみると、当初はカラオケ用として賑やかに歌うことを意識していたらしい。しかしながら、切り返しからリフレインが高音の結構な難物でありまして、YouTubeを視聴する限りでは、小柳ルミ子本人も後年はメロディに追いついていないように思います。よくある声の酒焼けもあるのかな。そのフレーズが以下です。

 

それじゃ さよなら 

元気でと

冷たく背中を向けたけど

今でもほんとは 好きなのと

つぶやいてみる

 

もう一度 もう一度 生まれ変わって

もう一度、もう一度 めぐり逢いたいね

 

 境遇によっては「今さらそんなことを言われてもなぁ」という人も少なくないはずなので、こんな内容をカラオケで面と向かって歌われても困るというのが、流行らなかった理由じゃないかな。

 

お久しぶりね こんな真夜中に

あなたから 電話をくれるなんて

おかしいくらい まじめな声で

私に せまるから 眠気もさめた

 

もしも今でも1人なら

映画みたいな恋をして

愛を育ててみたいねと

笑ってみせる

 

 おいおい、夜中に電話なんかしてどうすんだよと、他人ごとながら心配になりますが、そこでハッとボクはすべてを理解したのであります。もしかすると、こうした“再会系”の楽曲はあくまでも作詞・作曲した男の願望であって、歌う女性は歌だから歌うのであって、未練の度合いは男の1割程度ではないのかなぁ。ヘタすりゃ「男なんてアホか」と思っているかもしれません。

 

それじゃ さよなら これっきりと

冷たく受話器を置いたけど

涙が知らずにあふれ出す

どうかしてるね

 

 とはいえ、そうはいっても、何がなんでも、この最後のフレーズがボクのいちばん好きなパートです。いつも書くことですが、昔の歌は情景が見えるんですよね。事実や真実や統計がどうであれ、昔の恋を決して忘れられない女性は、男と同じように存在するとボクは信じます。そういう人たちが、再び出会える日が来るといいんだけどね。はぁ。

 

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2018年10月26日 (金)

『セント・ジェームス病院』

 

 音楽ならクラシックから演歌までノンジャンルでたいていの曲は好きですが、苦手な歌もあります。その中でもダントツ、というのもおかしいかな、最も好きではないというか、要するに嫌いな歌が『セント・ジェームス病院 St.James Infirmary Blues』です。

 

 嫌いな歌をわざわざ紹介する必要はないだろうと思うのですが、ジャズまたはブルースのスタンダードとして超有名なせいか、ライブハウスでの遭遇率もかなり高いんですよね。どんな演奏であれ、それを聞くたびに身体がズーンと重くなるので、思わず耳を塞ぎたくなります。インストルメンタルも少なくないので、つまりは曲想がボクに合わないようです。

 

 もともとはアメリカの伝承曲で、作詞・作曲者は不明。ジョー・プリムローズが作詞、作曲の登録を行ったとされています。数多くのアーティストがカバーしていますが、1926年にルイ・アームストロングがレコーディングしたものが有名なようですね。

 

 とにかく体重がいきなり2倍になったのかなと感じるほど暗くて重い歌でありまして、ちょっと調べてみると、「亡くなった子供に会いに行く」という内容になっています。日本で言えば「逆縁」ですから、ヘビーな曲想なのは当然なのですが、ジャズ系のミュージシャンはどうして好んで演奏したがるのかなぁ。原曲をたどっていくと、売春による性病で死んだことを歌った内容もあるくらいなので、どうにもボクにはついていけません。明るいよりも暗いほうがリアルな人生だからこそ、ボクは音楽に希望を感じたいのでありますよ。

 

 ちなみに、浅川マキが訳詞して歌っているので、それを紹介しておきます。

 

今日はあの娘の亡骸に

逢いにきたのさ セント・ジェームス病院

 

ここは貧しい病院の

白く冷たいテーブルの上

 

あの娘の顔は 青黒い

貧弱 静か 美しい

 

いまは あの娘も 世界中

何処へでも 自由に行ける身さ

 

だけど あの娘に聞いてみな

おれのような だめな男には出会わないだろう

 

そうさ あの娘も運がない

こんな 貧しいセント・ジェームス病院

 

 はーぁ。ほらね、救いがまるでありません。だから何なんだといわれても、そういう楽曲もあるんだってことです。おれたちは、こんな悲惨な人生をどうして生きなきゃいけないんだと問われても、誰も答えることはできませんよね。神様だって、ちゃっかりと沈黙を続けている。耐えることに慣れるのが人生の唯一の秘訣としたら、こんなに悲しいことはないじゃないですか。だからね、ボクはこの歌が大嫌いなのです。

 

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2018年9月18日 (火)

『明日は月の上で』(後)

 

 サルヴァトール・アダモが“A demain sur la lune”、まさに「明日は月の上で」というタイトルのシングル盤をレコーディングしたのは1969年でした。ただし、ネットをいろいろ検索してみたのですが、発表された月が分かりません。普通に考えれば、アポロ11号の月面到達にインスパイアされたはずですが、ニール・アームストロングが「偉大な一歩」を踏み出したのは7月20日なので、その直後からアダモが作詞作曲したとすると、5か月にも満たない期間でレコード発売までにこぎつけたことになります。こうした早技は音楽業界では常識的なのでしょうか。

 

 わが日本のコーちゃんこと越路吹雪も負けてはいません。翌1970年11月にシングル盤をリリースしています。ところが、この時のA面はトワ・エ・モアとの競作(同日発売)による『誰もいない海』(作曲:内藤法美、作詞:山口洋子)でした。衆知のようにトワ・エ・モアの歌のほうがヒットしたのですが、この歌の作曲者は越路吹雪のご亭主なんですよね。

 

 確かに当時は『誰もいない海』のほうが社会的なメンタリティにシンクロしたのかもしれません。何しろ1969年はいろいろ忙しくて、たとえば年初から東大安田砦が機動隊によって陥落。全共闘運動が崩壊していく始まりとなりました。『イージーライダー』や『真夜中のカーボーイ』などアメリカン・ニュー・シネマも話題になりました。ボクはまだ幼い子供だったので同時代ではありませんけど(ホントかよ)。

 トレンドの変わり目というのか、ドサクサと慌ただしく過ぎた年の翌年は、宴の後にふさわしいバラードのほうが落ち着くような気がします。

 

 『明日は月の上で』はB面になったこともあって、少しばかりタイミングを逸したのかもしれません。ボク自身としては、「今はもう秋、誰もいない海……」なんていうしんみり歌謡はあまり好きではなくて、月の上から2人で地球を眺めるという荒唐無稽なシチュエーションのほうが心踊るんですけどね。

 

 オリジナルは作詞もアダモですが、越路吹雪は海外の楽曲でも日本語でしか歌わないことを約束事にしていたので、それまでのように岩谷時子が訳詞しています。

 

明日 月の上で 神様のそばで

明日 月の上で 大空のすみで

 

2人は馬車に乗り 幼い時

夢に見たものを 探しに行こう

私たちには 風はマジシャン 

星のシンフォニー 奏でるミュージシャン

明日 月の上で

 

 喉にかかった鼻声とでも言うのかな、何ともいえない色気と、人の心をくすぐるような茶目っけを感じさせる声で、この歌詞を伸びやかで美しいメロディにのせています。宝塚出身なので熱心な女性ファンが数多くいたと思いますが、その気持ちは分かるなぁ。要するに性別を超えた恋愛感情を抱かせる人なのです。

 

月の空から クリスマスの 

かざりみたいな 地球を見よう 

赤い屋根も見えて 夢のように 

2人の髪は 風にゆれる

明日 月の上で

 

 月の重力は地球の6分の1ですから、「風」をもたらす大気なんて存在しないと突っ込みを入れることも可能ですが、それは不粋ってものですよね。月面に突き刺した星条旗も揺れていたし。これは旗がピンと張るように針金の芯みたいなものが縫い込まれており、それではためいているように波打ったというのが公式の説明になっています。

 

美しい晩 風のベールに 

つつまれながら 眠るあなたよ

私は歌うよ 子守歌を

目覚めを待って 抱きしめよう

明日 月の上で

 

 風のベール、というのはいかにも涼しそうな表現ですが、月面の歌なのに、なぜだか風にこだわりがあるようです。小さな星の上に立っている『星の王子様』をイメージしたのでしょうか。全体に見直してみると、原詩をうまく訳しているとは思うものの、岩谷時子らしい精彩にいささか欠けるというのが、彼女の大ファンであるボクの偽らざる印象です。それでも、この歌は構成観とメロディが優れているんですよね。

 

 そして「明日、月の上で」というフレーズそのものが魅力的ではありませんか。「今夜はボクと一緒に月の上に行ってみない?」なんて口説き文句を使ったことは一度もありませんが、いつかチャンスがあれば誰かに言ってみたいなぁ。などと思わせる大変にロマンチックな歌なのであります。

 

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