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福助くん その6

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    福助くん、9歳の秋です。 ちょっと長めの散歩をして、世田谷公園へ。 紅葉と福助をご覧くださいまし。

福助くん その5

  • 赤いサルビア♪
    2010年秋の福助くん。とある週末に埼玉県所沢市にある航空公園に行ってきました!

福助くん その4

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福助くん その3

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    飼い主の田舎に行ってきた福助。うららかな春を迎えた大自然のなかで、いつもと違った表情に。

福助くん その2

  • 定位置
    平日は会社にいる福助。こんな感じの毎日です。

福助くん その1

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    笠木の飼い犬。甘えん坊でちゃっかり屋の8歳。雄。

音楽

2018年9月18日 (火)

『明日は月の上で』(後)

 

 サルヴァトール・アダモが“A demain sur la lune”、まさに「明日は月の上で」というタイトルのシングル盤をレコーディングしたのは1969年でした。ただし、ネットをいろいろ検索してみたのですが、発表された月が分かりません。普通に考えれば、アポロ11号の月面到達にインスパイアされたはずですが、ニール・アームストロングが「偉大な一歩」を踏み出したのは7月20日なので、その直後からアダモが作詞作曲したとすると、5か月にも満たない期間でレコード発売までにこぎつけたことになります。こうした早技は音楽業界では常識的なのでしょうか。

 

 わが日本のコーちゃんこと越路吹雪も負けてはいません。翌1970年11月にシングル盤をリリースしています。ところが、この時のA面はトワ・エ・モアとの競作(同日発売)による『誰もいない海』(作曲:内藤法美、作詞:山口洋子)でした。衆知のようにトワ・エ・モアの歌のほうがヒットしたのですが、この歌の作曲者は越路吹雪のご亭主なんですよね。

 

 確かに当時は『誰もいない海』のほうが社会的なメンタリティにシンクロしたのかもしれません。何しろ1969年はいろいろ忙しくて、たとえば年初から東大安田砦が機動隊によって陥落。全共闘運動が崩壊していく始まりとなりました。『イージーライダー』や『真夜中のカーボーイ』などアメリカン・ニュー・シネマも話題になりました。ボクはまだ幼い子供だったので同時代ではありませんけど(ホントかよ)。

 トレンドの変わり目というのか、ドサクサと慌ただしく過ぎた年の翌年は、宴の後にふさわしいバラードのほうが落ち着くような気がします。

 

 『明日は月の上で』はB面になったこともあって、少しばかりタイミングを逸したのかもしれません。ボク自身としては、「今はもう秋、誰もいない海……」なんていうしんみり歌謡はあまり好きではなくて、月の上から2人で地球を眺めるという荒唐無稽なシチュエーションのほうが心踊るんですけどね。

 

 オリジナルは作詞もアダモですが、越路吹雪は海外の楽曲でも日本語でしか歌わないことを約束事にしていたので、それまでのように岩谷時子が訳詞しています。

 

明日 月の上で 神様のそばで

明日 月の上で 大空のすみで

 

2人は馬車に乗り 幼い時

夢に見たものを 探しに行こう

私たちには 風はマジシャン 

星のシンフォニー 奏でるミュージシャン

明日 月の上で

 

 喉にかかった鼻声とでも言うのかな、何ともいえない色気と、人の心をくすぐるような茶目っけを感じさせる声で、この歌詞を伸びやかで美しいメロディにのせています。宝塚出身なので熱心な女性ファンが数多くいたと思いますが、その気持ちは分かるなぁ。要するに性別を超えた恋愛感情を抱かせる人なのです。

 

月の空から クリスマスの 

かざりみたいな 地球を見よう 

赤い屋根も見えて 夢のように 

2人の髪は 風にゆれる

明日 月の上で

 

 月の重力は地球の6分の1ですから、「風」をもたらす大気なんて存在しないと突っ込みを入れることも可能ですが、それは不粋ってものですよね。月面に突き刺した星条旗も揺れていたし。これは旗がピンと張るように針金の芯みたいなものが縫い込まれており、それではためいているように波打ったというのが公式の説明になっています。

 

美しい晩 風のベールに 

つつまれながら 眠るあなたよ

私は歌うよ 子守歌を

目覚めを待って 抱きしめよう

明日 月の上で

 

 風のベール、というのはいかにも涼しそうな表現ですが、月面の歌なのに、なぜだか風にこだわりがあるようです。小さな星の上に立っている『星の王子様』をイメージしたのでしょうか。全体に見直してみると、原詩をうまく訳しているとは思うものの、岩谷時子らしい精彩にいささか欠けるというのが、彼女の大ファンであるボクの偽らざる印象です。それでも、この歌は構成観とメロディが優れているんですよね。

 

 そして「明日、月の上で」というフレーズそのものが魅力的ではありませんか。「今夜はボクと一緒に月の上に行ってみない?」なんて口説き文句を使ったことは一度もありませんが、いつかチャンスがあれば誰かに言ってみたいなぁ。などと思わせる大変にロマンチックな歌なのであります。

 

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2018年9月14日 (金)

『明日は月の上で』(前)

 

 中学の頃にギターを独学で弾くようになり、和音の切れ端をあちこちにアレンジしながら、どうにかまとまったメロディとして他人に聴かせられるようになったのは、『夜霧のしのび逢い』(作曲:.ヴァン・ヴェッター)でした。1964年にフランス人ギタリストのクロード・チアリが演奏して世界的に大ヒット。それを受けて、越路吹雪が例によって岩谷時子訳詞で翌年にシングル盤をリリースしています。

 

雨に濡れながら 夜ごとに

心求め合う 街角

せつなくひと夜の 夢むすぶ

はかない恋よ

 

ふり注ぐ雨 てのひらに

唇をつけて 吸おうよ

静かに微笑み 浮かべては

かわそう愛を

 

 いつものことですが、岩谷時子の並外れた詩才につくづく感心させられます。イントロの数行だけで、小雨が霧のように街を濡らす深夜に、街灯の届かないビルの陰で抱き合う男女のシルエットが見えてくるではありませんか。しかも、おそらくつらい別れが待っているのか、瞬時を惜しむように熱いキスを交わす。こんなにも濃厚な内容を、メロディで限定された語数の中で表現するなんて、誰でもできることじゃありません。ボクが早口言葉みたいな無理目の歌詞を詰め込んだ歌を評価しないのは、彼女のように工夫し尽くした「芸」を感じないからです。

 

 それにしても、中坊にはいささか早いんじゃないかと思う歌詞ですが、ボクはそれまで文科省推薦みたいなクラシックの名曲ばっかりを弾いてきたので、その反動があったのかな。それとも思春期の始まりであったせいか、大人になったらこんな恋ができるんだと憧れたのかもしれません。

 秋の長雨によく似合う、しっとりした素敵な曲ですが、では実際に越路吹雪はどう歌ったのかとYouTubeをチェックしてみました。豊かな声量を持つ人なので、スローなテンポでもタメが活きており、上手というだけでなく、切ない感情がみごとに表現されています。しかしながら、彼女はもっと明るい歌のほうが、色気もあって元気になれるんじゃないかな。『ろくでなし』なんか典型的ですよね。

 

 そこでオススメしたいのが『明日は月の上で』なのであります。

 

 実は前述した『夜霧のしのび逢い』の次にギターでこなせるようになったのが、“Fly Me To The Moon”でした。1954年にバート・ハワーズが作詞作曲。ニューヨークのキャバレーで歌われたのですが、この時のタイトルは“In Other Words”であり、その後もペギー・リーなどがカヴァーしたのですが、人気は低迷。1964年にフランク・シナトラが現在のようなアレンジで歌ってから、爆発的にヒットしました。エロティックな鼻声で語りかけるようなシナトラの歌唱スタイルもさることながら、「言い換えれば」なんていう不粋なタイトルよりも、「私を月につれて行って」のほうがよほどロマンチックですもんね。

 

 この曲をボクはボサノヴァで弾いていたのですが、やがてアポロ11号が本当に人間を月につれて行ってしまいました。1969年7月20日、宇宙飛行士のニール・アームストロングが人類で初めて月面に降り立ったのです。この快挙は世界に同時中継されて地球規模の興奮を巻き起こしたのですが、長らくお待たせいたました、この年に発表された楽曲が『明日は月の上で』なのです。「ゆーきっっっ、がぁ、、、ふーーーーーるーーー」で知られるサルヴァトール・アダモの作詞作曲で、本人が歌っています。島崎俊郎の“アダモちゃん”ではないのでご注意ください。

 

 あまりにもタイミングが良過ぎという印象を免れませんが、明るくて未来を感じさせる曲想と内容の歌です。アダモも決して悪い仕上がりではないのですが、声質的にちょっと重いんですよね。こういう歌はやはり越路吹雪の独壇場ではないでしょうか。あららら、また長くなってしまったので、この続きは休み明けの火曜日に。

 

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2018年8月30日 (木)

このろくでもない世界

 

 ルイ・アームストロングが歌ってスタンダードになったWhat a wonderful worldという楽曲がありますが、ボクはあまり好きではありません。G・ダグラスとジョージ・デヴィッド・ワイスが作詞・作曲して1967年にシングル盤をリリース。翌年に同名のアルバムも発表されましたが、この歌を世界的に有名にしたのは、やはりロビン・ウィリアムスが主演した映画『グッドモーニング、ベトナム』(1987年)じゃないかな。

 

木々は緑に、赤いバラもまた咲いている、私とあなたのために

(中略)

私は思う、何と素晴らしい世界なんだろう。

 

(中略)とした途中の歌詞は、空に虹がかかったり、友達が握手したり、赤ん坊が元気だったり、とにかく「素晴らしき世界」がひたすら描写されています。好きな歌ではないので詳しく紹介しませんが、そんな楽曲をベトナム戦争の惨状を描いた映画でBGMに使うなんて、明らかに強烈な皮肉です。そもそもベトナム戦争を嘆いて作られた歌らしいのですが、にもかかわらず、だからこそ、あれほど前向きで美しい曲と内容になったんですよね。

 

 おそらく今ではそうした暗い背景が脱色されて、タイトル通りの「賛歌」として解釈する人も多くなってきたんじゃないかな。でもねぇ、この歌を希望に満ちて堂々と朗唱されると「ちょっと違うんじゃないか?」とボクは感じるわけです。秘められた怒りや悲しみという陰が感じられなければ、ただの能天気な歌になってしまう。

 

 現実の世界は、「素晴らしい」どころか、缶コーヒーのテレビCM「このろくでもない世界」のほうが圧倒的に正しい。この制作者は間違いなく原曲を知っているはずですが、宇宙人ジョーンズの剽軽な行動のおかげで、やはり意味が逆転。こちらは「ろくでもなさ」を愛すべき人間らしさとして肯定的に表現しています。誰が作ったか知りませんが、裏返しの裏返しですから、大した才能というほかありません。

 

 あ、本題を忘れていました。「このろくでもない世界」に対する絶望をグダグダと書きつけるつもりでしたが、もういいや。不愉快なことを書いても、いよいよ不愉快になるばかりだもんね。

 

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2018年8月 2日 (木)

Feelin' Groovy(後)

 

 いやあ、さすがは戦後73年。あちこちの業界に鵺みたいな権力者が寄生しているようです。日大アメフトに続いて日本ボクシング連盟ですかぁ。真偽はまだ不明なので何とも言いようがありませんが、どちらも責任者というか権力者がさっさと裏に隠れてしまい、表に出てきて釈明するつもりは金輪際なさそうなところが不愉快です。民主主義の世の中なのですから、権力者ならびに責任者は説明責任があるはずなんですけどね。

 

 さて、“Feelin' Groovy”の続きです。ボクがサイモンとガーファンクルの楽曲を初めて知ったのは、1968年公開の映画『卒業』でした。巷間言われるほど大した内容の映画とは思えませんが、主題歌の『サウンド・オブ・サイレンス』を始めとして『ミセス・ロビンソン』『スカボロー・フェア』などの音楽が、まったく新しい時代の到来を感じさせたのです。彼らのおかげでスリーフィンガー・ピッキングを練習したんじゃないかな。『ボクサー』のイントロとかね。

 

 そして、アート・ガーファンクルの澄み切った高音とポール・サイモンとのハーモニーが絶品だったんですよね。こういう男声コーラス手法もあるのかと、やたらにびっくり仰天。ボクの古くさい音楽観に対して、江戸末期の黒船のような強烈なインパクトを与えたのです。

 

 それだけでなく、彼らの歌詞によって、英語の詩には「韻」というものがあることを初めて知りました。

 

Hello Lamppost,

What cha knowin' ?

I've come to watch your flowers growin'

Ain't cha got no rhymes for me?

Doot-in' doo-doo,

Feelin' groovy

 

 これは“Feelin' groovy”の2番ですけど、knowin' growin'が韻を踏んでいます。日本の現代詩では韻を踏むことなんてほとんどなく、というより日本語で韻を踏むというのは、とても分かりにくい概念です。ダジャレならいくらだってありますけどね。そんなわけでボクは学校で韻というものをほとんど教えられませんでした。けれども、彼らの歌を通して、詩といえば韻を踏むほうが世界的な常識であることを知ったわけです。もちろん漢詩もそうですよね。

 

 ちなみに、後のヒット曲『コンドルは飛んでいく』(1970年)なんかはよく例に出されますが、snail(かたつむり)とnail(クギ)、street(通り)とfeet(足)が韻を踏んでいます。

 

 で、ね、それによって歌はどうなるか。メロディとの馴染みが抜群に良くなるのです。近頃の日本の歌は主義や主張、考えをそのまま表現しているので、詩として未完成というだけでなく、メロディへのノリが悪いこと夥しいのですが、これも韻を踏んでいないからなのです。韻を踏んだ歌詞はスムースに、かつリズミカルに呼応しながらメロディに乗せることができます。面倒なので紹介はしませんが、カーペンターズのカントリー&ウェスタンは、歌詞とメロディが不可分な記憶となって自然に心の中に染みこんできますよね。

 

 日本語の歌でも、正確な意味での韻ではありませんが、同じような効果を持たせた『横浜たそがれ』という歌があります。「横浜、たそがれ、ホテルの小部屋、くちづけ、残り香、煙草のけむり、ブルース、口笛、女の涙」と、詩はすべて名詞だけで構成。サビのところではじめて「あの人は行って行ってしまった」ですからね。この名詞の連なりが韻のようにたたみかけてくるように感じられるのです。山口洋子の最高傑作ではないでしょうか。

 

 いつものように遠回りしてしまいましたが、2番の歌詞を訳しておくと、以下のようになります。

 

こんにちわ、街灯さん。調子はどうかな?

花が咲いているかどうかを見に来たんだけど、

返事はないのかな?

ああ、いい気分だ

 

 こんな歌をくちずさみながら、みんなが軽いステップで街を歩いていくような社会がボクの望む「生き良い世の中」なんだけど、そんなにも簡単なことすらできていないって、どういうことなんだろうか。

 

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2018年8月 1日 (水)

Feelin' Groovy(前)

 

 このブログのサブタイトルは、「生きにくい世の中を、何とか生き良くする方法」です。2009年10月に初めてブログを書いてから9年を経過しており、すでに2000本近くですから、まさに塵も積もれば山ですな。

 

 でね、このサブタイトルはどこから着想したかというと、その当時に取材した立命館大学の「生存学」研究センターです。ごく簡単に説明すれば、「治らない」病気や障害を抱えた人たちがどうやって生きてきたのか、そしてどうやって生きていくのかを研究する学問なんですよね。このため、研究センターでは難病の患者会などと連携していますが、某女性国会議員の超差別的な評論を借用すれば、「生産性」に乏しい、あるいはないといっていい人たちが、どうしたら生き良くなるかを研究しているわけです。

 

 某女性国会議員は夢にも思っていないかもしれませんが、人間なんていつだって治療法のない難病に罹患したり、寝たきりになってしまう弱い生き物です。今のところは健康で「生産性」が高くても、交通事故などのアクシデントで半身不随になる可能性は否定できないじゃないですか。にもかかわらず、重ね重ねで恐縮ですが、某女性国会議員が指摘したように、「生産性」のない人たちに税金を使うのは無駄だということになれば、性的マイノリティだけでなく、障害を持った人は死ねと言うのに等しいことになります。

 

 そうした人たちが生きにくい社会は、つまりボクたちも生きにくい社会ということになりますよね。そんなことから「生きにくい世の中を、何とか生き良くする方法」を探し求めることを、ボク自身の遠大なる目標にしたのです。

 

 ああ、それなのに、世の中は当時よりも逆行しており、パワハラやセクハラが蔓延。苛烈な残業や職場いじめによって、「生産性」が高いはずの人たちですら自ら死を選ぶような事態が頻発しております。こんなつまらない、生きにくい世の中でいいんでしょうか。ボクたち1人1人が、自分のこととして、より良い生存、あるいは共存のあり方を考えていきましょうよ。

 

 そんな難しいことでなくても、すでに科学技術は相当なところまで発展してきたので、そろそろ本気でスローダウンしたほうがいいのではないでしょうか。

 

Slow down, you move too fast

You got to make the morning last

Just kicking down the cobblestones

Looking for fun and feeling groovy

Ba da da da da da da, feeling groovy

 

ゆっくり行こうよ、そんなに急がないで

朝食も終えたんだから、

石ころでも蹴りながら

楽しいことを探そうよ、ああ、いい気分だ

気分がいいね

 

 サイモンとガーファンクルが1966年に発表した“The 59th Street Bridge song”です。このタイトルよりも、歌詞の中に出てくる“Feelin' Groovy”で知られています。ボクは昔から最初のフレーズ“Slow down, you move too fast”が好きというか、ずっと忘れることができませんでした。

 

 ただ、それはいくらか余裕のある時であって、焦ったり、困ったり、追い詰められたり、死にたいと思う時には聞こえてきません。そして深い絶望が呼び込むのは、常に無音の闇なのです。

 

 あ、本日は締め切りが1本ありました。というわけで、この続きは明日ということで。

 

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2018年7月24日 (火)

Down by the Riverside

 

 いろいろあって精神が思い切りへこたれている時に、音楽に救われることがしばしばあります。最近は“Down by the Riverside”かな。賑やかでノリのいい明るいメロディで、歌詞も超簡単。でも、なかなかよくできているのです。

Gonna lay down my burden

Down by the riverside

Down by the riverside

Down by the riverside

 

I'm gonna lay down my burden

Down by the riverside

I ain't gonna study war no more

I ain't gonna study war no more

I ain't gonna study war no more

 

川辺に行って、重荷を捨てよう

川辺に行って

川辺に行って

重荷を捨てよう

もう戦争なんてうんざりだ

 

 様々な歌手がカバーしているアメリカでは超有名なスタンダードですけど、ボクはルイ・アームストロングが今のところの一番のお気に入りです。太いガラガラ声で素晴らしい迫力があるんですよね。でも、始まりの歌詞がちょっと違います。

 

I'm gonna lay down my sword and shield

Down by the riverside

川辺に行って、剣と盾を捨てよう

 

 「もう戦争なんてうんざりだ」からは同じ。二番も微妙に違います。

 

I'm gonna lay down my heavy load

Down by the riverside

川辺に行って、重い荷物を捨てよう

 

 英語のウィキペディアによれば、南北戦争の頃から歌われてきた黒人霊歌(ゴスペル)だそうです。最初の歌詞だけで、戦争に疲れ果てた黒人兵士がふらふらと川のほとりにやってきて、重い背嚢を放り出して寝転ぶ様子が想像できます。おそらく南軍の兵士も北軍の兵士も、川のほとりで同じように歌っていたんじゃないかな。

 それが次第に普及して、20世紀になると教会のコーラスだけでなく、ディキシーランドジャズの定番になり、面白いことにカントリー&ウェスタンとしても歌われています。

 

 ルイ・アームストロングの場合は、おそらくベトナム戦争を背景にしているのはないかと思いますが、その前の第2次世界大戦でも、その後の朝鮮戦争やイラクやアフガニスタンでもきっと歌われたに違いありません。その意味では、反戦あるいは厭戦歌ということになるのでしょうが、そうした重みはほとんど感じられなくて、前述したようにリズミカルで馴染みの良いメロディなので、次第に身体が揺れてくるんですよね。

 

 そして“Down by the riverside”という同じフレーズを合唱しながら繰り返していく中で、それぞれが様々な想いを込めていくわけです。

 

Gonna join hands with everyone

Down by the riverside

Down by the riverside

Down by the riverside

 

I'm gonna join hands with everyone

Down by the riverside

I ain't gonna study war no more

I ain't gonna study war no more

I ain't gonna study war no more

 

 こんな歌詞もあるほか、いろいろバージョンがあるようです。でも、疲弊した時には、Gonna lay down my burdenというフレーズは個人的になかなか効き目があります。辛いことや悲しいことを自分のせいだと引き受けてどんどん沈み込むのでなく、そんなものは川辺に捨ててしまえと聞こえるのです。

 これは浄土真宗の教えとも似たところがあります。畢竟、救いというのは、他律的な神事なんぞではなく、自分自身の中にしかないんですよね。

 

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2018年7月13日 (金)

ベニー・グッドマン

 

 ベニー・グッドマン(1909~986年)の『世界は日の出を待っているThe World is Waiting for the Sunrise』をずっと聴き続けています。もう100回近くは聴いたんじゃないかな。映画も作られたくらいのジャズ界の大御所なので、今さら説明は不要と思いますが、確かにそれだけの実力がある人だとつくづく思います。

 

 日本のバンドの演奏と何度も聴き比べたのですが、クラリネットの音にパワーがあるんですよね。日本のバンドはピアノやベースなどとの調和を意識しているせいか、柔和で優しい印象。ところが、ベニー・グッドマンのクラリネットはほとんど喧嘩腰というか、かなり挑戦的なのです。

 

 クラリネットはもともと温和でふんわりした音質の楽器ですが、ベニー・グッドマンはまるでトランペットのように息を吹き込みます。だから最初は音が尖っているように感じたのですが、何度も聴き続けていると、彼の流儀なんだなと分かってきます。それが際立つのが早弾きのフレーズでありまして、音のひとつひとつが粒立っているように聴けるんですよね。

 

 ピアノやベースも、彼のクラリネットによるパンチの嵐をみごとに受け止めおり、スウェイバックしながらジャブで返すような弾みがあります。ジャズセッションというのは、こういうことなんだと感じさせてくれるみごとな演奏なので、何度も何度も聴き続けて飽きないのです。

 

 1度でいいからナマで聴いてみたかったなぁ。それにつけても、いつも思うのですが、ボクは生まれるのが遅すぎたんじゃないかな。できれば戦前の1930年代に40代くらいなら良かったのに。大恐慌や軍国主義の台頭で暗い時代に感じられますが、実は文化が相当に爛熟していたのではないかとボクは想像しています。スウィングジャズの代表曲である『シング・シング・シングSing, Sing, Sing』も1936年にトランペット奏者のルイ・プリマが作曲。1938年にベニー・グッドマン楽団がカーネギー・ホールで初演して大喝采を浴びました。

 

 ほらね、こう書くだけで、いい時代だよなと。昔を回顧するジジーになったら終わりと言われるけど、これくらい大昔なら許されるんじゃないかな。

 

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2018年6月 6日 (水)

Gentle Forest 5 & Gentle Forest Sisters

 

 締め切りの団体様を、品質はさておき、ようやくやり過ごしたお祝いとして、たまたまたま、じゃなかった、またまたまた浅草HUBに行ってきました。出演は「Gentle Forest 5 & Gentle Forest Sisters」。初めて聴くバンドですが、これがもう圧倒的な大正解でありまして、ようやくボクが大好きな都会的でモダンなノリのいいスウィングジャズに出会うことができたのです。

 

 アップテンポの曲では、夜の首都高速をスポーツカーで疾走していくような心地良いスピード感。スローなバラードは、昼間の暑さが消え始めた過ごしやすい夏の宵という雰囲気で、とにかくサウンドがメチャメチャに格好いいのです。トロンボーンとサキソフォンもとびきり上手というだけでなく、素晴らしく息が合っており、そのハーモニーは聴覚の快感といっていいんじゃないかな。ウッドベースもアコースティックギターも、そしてドラムも快適にスウィングしており、いっぺんにファンになってしまいました。ステージもあっという間で、気を抜くヒマがありません。

 

 しかも、Gentle Forest Sistersとネーミングされた3人の女性コーラスが、これまた抜群にボク好みなんだよな。1930年代から60年代にかけて活躍した3人姉妹のアンドリューシスターズを彷彿とさせます。以前にも書きましたが、初期の『バーン・ザ・フロアBurn the Floor』で歌われた『ブギウギ・ビューグル・ボーイBoogie Woogie Bugle Boy』で、この3人姉妹を知ったのですが、コーラスとしてのハモリの雰囲気はほとんどそっくり。メンバーの1人とちょっとだけ話をさせていただいたのですが、すぐにアンドリューシスターズの名前が出てきたので、随分勉強していると感じました。

 

 そして、Gentle Forest 5というのは、総勢21人のビッグバンドGentle Forest Jazz Bandからのピックアップユニットなんですよね。すでに4枚のアルバムをリリースしており、バイオグラフィでは「現在日本で最も多忙なビッグバンド」と紹介されています。そうなると、いよいよ聴きたいじゃないですか。8月に公演があるらしいので、これは是非モノとして Save the Dateしておこうと思います。

 

 その前の7月に浅草HUBに出演するので、そっちが先かな。いずれにしても、彼らのファンになるぞぉ、と決心した次第であります。

 

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2018年5月28日 (月)

『世界は日の出を待っている』

 

 先週のブログのエンディングで『世界は日の出を待っている』をチラリと紹介しましたが、このタイトルだけでも素晴らしいですよね。全国のアメフト関係者も、謎や疑問がすっかり解明されて、心機を一転して迎えられる日の出を切望しているのではないでしょうか。

 

 大晦日を意味するという人もいるようですが、それなら「夜明け」のほうがふさわしいんじゃないかと原題を調べてみたら、 “The World is Waiting for The Sunrise”。そのまんまの直訳でありました。

 

 ジャズのスタンダードナンバーとして知られており、実に数多くのミュージシャンがカバーしています。ボクが知ったのはベニー・グッドマンによるクラリネットをベースにした演奏ですが、とにかくノリが良くて、快適なテンポでスウィングできるメロディアスな名曲なので、身体が自然に揺れ動いてしまいます。

 

 ちなみに、クラリネットはトランペットのようにはじける強さがないかわりに、心がほっこりなごむ優しさと慈愛、その一方で気怠さも感じさせます。とりわけ夏の宵によく似合う楽器ではないでしょうか。午後からの暑さがまだ居残っている生温かな空気に、少しずつ夜の冷気が混じり始めた頃かな。そんな微妙な空気感をふんわりした音質で伝えてくれるんですよね。だから、ゆっくりと吹くスローバラードでは身体が沈み込むような気怠さを、アップテンポでは身体を優しく揺らしてくれる活力を感じさせるとボクは思います。でね、この後者が「世界は日の出を待っている」なのです。

 

 ウィキペディアで調べてみると、1918年にカナダのポピュラーソングとしてピアニストのアーネスト・セイツが作曲。1919年に発表されたそうです。ということは来年で100周年ということになります。ジャズを通して知った曲なので、インストゥルメンタルだと思い込んでいたのですが、ちゃんと歌詞があって、ジーン・ロックハートというカナダの俳優が手がけたそうです。

 

 とはいっても、古いせいかオリジナルは聴いたことがありません。歌詞付きならどんな楽曲になるんだろうと調べてみたら、何と、あのレス・ポールと奥様のメリー・フォードが1951年にシングル盤を出しており、全米第2位のミリオンセラーに輝いていました。レス・ポールといえば、最近になって経営破綻が報じられたギブソンの伝説的なエレキギターが超有名ですよね。YouTubeに歌と映像がアップされているので、ぜひ視聴をオススメしますが、彼の卓越したギターテクニックもさることながら、抜けのいい明るいサウンドが、第2次世界大戦直後のアメリカの平和を象徴しているように感じます。すでに朝鮮戦争が勃発。後にベトナム戦争の泥沼に突入するので、わずか10年にも満たない短い期間だったんですけどね。

 

 メリー・フォードの歌も、当時は最先端だった多重録音で本人によるハーモニーになっています。その透明感のある歌声が、レス・ポールの素晴らしいエレキギターと相まって、ボクには雲ひとつないハワイの澄み切った青空をイメージさせるのです。彼女が歌っているので、始まりの“Dear one”は「ねぇ、あなた」とでもするべきかも知れませんが、男性版にしたほうが似合う歌詞ではないかと。

 

Dear one, the world is waiting for the sunrise.
Every rose is covered with dew
And while the world is waiting for the sunrise
And my heart is calling you.

 

ねぇキミ、世界は日の出を待っているんだ。

咲き誇るバラはみずみずしい朝露をまぶしている。

世界は日の出を待っており、

ボクの心はキミを呼んでいる。

 

Dear one, the world is waiting for the sunrise.
Every little rose bud is covered with dew
And my heart is calling you
The thrush on high,

his sleepy mate is calling
And my heart is calling you.

 

ねぇキミ、世界は日の出を待っているんだ。

バラのつぼみは朝露にまみれ、

ボクの心はキミを呼ぶ。

空高く舞うツグミに、

眠たげな雌鳥が呼びかけている。

ボクの心もキミを求めているんだ

 

 んーと、意味的にはどう考えても能天気で単純なラヴソングです。にもかかわらずタイトルは「世界は……」ですからね。歌詞抜きのインストゥルメンタルとして生き残ってきたのも納得できます。けれども、レス・ポール夫妻の歌も何度も聴かせる魅力に満ちています。半世紀以上も前とはとても思えません。

 

 日本でも「夜明け前が一番暗い」という名言がありますが、寡聞ながら、その明るいほうにフォーカスした歌は少ないんじゃないかな。そのものズバリの『夜明けのうた』(1964年)もありますが、重くて仰々しいバラードなのでボクは好きではありません。理屈抜きで気分が明るくなり、心を軽快に奮い立たせるというなら、やはり『世界は日の出を待っている』がベストに近いんじゃないかな。

 何よりも、“The World is Waiting for The Sunrise”というタイトルが秀逸じゃないですか。

 

 乗り越えるのが困難な高い壁に直面したり、まるで底が見えないドツボに沈んでいるのなら、この楽曲に合わせて“The World is Waiting for The Sunrise”と心の中でハモってみてください。そして、くどいようですが、Do the right thingと自分に言い聞かせる。それが唯一の解決策になるのではないでしょうか。

 

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2018年5月25日 (金)

スーザフォン

 

 スーザフォンという楽器を知っていますか。

 

 文字で説明するのは大変に難しいのですが、金管を奏者の身体に巻き、その頭上に巨大なアサガオみたいな開口部があるといえば、少しは分かるでしょうか。ボクは映画『ゴーストバスターズ』のシンボルイラストを思い出しました。

 

 ウィキペディアによれば、ブラスバンドの行進や野外演奏を前提として、チューバを担ぎやすく改良した楽器と説明されています。アメリカの作曲家、ジョン・フィリップ・スーザが1893年に考案したことから、スーザフォンとなりました。

 

 実にユーモラスな形の楽器なのですが、ものすごい重低音を発するんですよね。直接に空気をふるわせる管楽器のせいか、圧倒的なド迫力があります。とてもじゃないけど生身の人間が出せるような音質ではないので、演奏者の表情と音階のイメージがどうにも一致しない。え、あの顔でこんな音が出るの? という感じでしょうか。そのズレも大変に面白いんだよな。

 

 前置きが長くなりましたが、昨日も浅草HUBに行ってきました。ディキシーランドジャズを得意とするバンドが出演しており、いつもはウッドベースが配置される奥のほうに、金色に輝く大きな「アサガオ」があったのです。それで興味を持って調べてみたのですが、ソロの演奏もあったので、この楽器の魅力がよく分かりました。腹のところに直接に音が伝わってくるのです。いやぁ、音楽って奥が深いんですね。

 

 こんなことを書くと、毎晩のようにライブハウスに行っていると思われそうですが、できることなら是非そうしたい。だってさ、ミュージックチャージがたった1600円なんですぜ。そのほかはメニュー通りの金額で、消費税以外に追加はありません。宣伝するつもりはありませんが、名物のフィッシュ&チップスにワインを2杯飲んでも4000円以下で済むはずです。ただし、事務所のある恵比寿から浅草はやはり遠い。だから銀座方面で記者発表なんかがある時にだけ、足を延ばすことにしています。

 

 そんな浅草HUBがすごいなぁとつくづく感心させられるのは、出演するバンドに当たり外れがまったくなく、ジャンルはいろいろあっても、必ず一流の演奏が聴けるということです。これまでがっかりしたことが一度もないんですよね。昨晩も、スーザフォンもさることながら、サキソフォンが素晴らしかった。久々に伝説的なスタンダード『世界は日の出を待っている』を聴いて胸が震えました。

 いろいろと屈託があったのですが、気分が洗われたような気がします。

 

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