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福助くん その6

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    福助くん、9歳の秋です。 ちょっと長めの散歩をして、世田谷公園へ。 紅葉と福助をご覧くださいまし。

福助くん その5

  • 赤いサルビア♪
    2010年秋の福助くん。とある週末に埼玉県所沢市にある航空公園に行ってきました!

福助くん その4

  • 1 毎年恒例の・・・
    今さらですが、今年の花見の福助くん。ご近所の目黒川に行ってきました。

福助くん その3

  • 1 田舎に行ってきました!
    飼い主の田舎に行ってきた福助。うららかな春を迎えた大自然のなかで、いつもと違った表情に。

福助くん その2

  • 定位置
    平日は会社にいる福助。こんな感じの毎日です。

福助くん その1

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    笠木の飼い犬。甘えん坊でちゃっかり屋の8歳。雄。

グルメ

2020年11月19日 (木)

冬はブリ丼

 

 大人になって初めて食べた旨いものは、いつまでも心の中に残ります。今は子供の頃から何でも揃っているので、逆に可哀想な気もするんだよな。豊かで便利なことは必ずしも万能ではないのです。

 このブログでは、ボクが感動した食べ物としてチーズたっぷりピザとマクドナルドのフィレオフィッシュを紹介したことがありますが、ブリ丼はまだでしたよね。

 これには前段がありまして、20歳そこそこの頃に初めて食べた鉄火丼が始まりです。何とか正社員として就職できた夏休みに、実家に帰省するために東京駅に行ったのですが、たまたま昼にかかったので何かを食べなきゃいけない。地下街で店を探している時に、深紅のバラの花が咲いたような食品サンプルをディスプレイの中に見つけたのです。鉄火丼。早い話がマグロの刺身丼であります。子供の頃は貧乏暮らしだったので、マグロの刺身なんて贅沢のひとつでした。そんなものを、こんなにも惜しげもなくご飯の上に並べている。もちろん安くはありませんが、ようやく月給を貰える身分になれたという安心感が後押しして店に入り、エイヤッと注文したわけです。

 味を説明するのは難しく、形容に苦労しても、世代や生活経験によって通じないこともしばしばですから、ごく簡単に言ってしまえば、ものすごぉく、メチャクチャにうまかったんですよね。ご飯とマグロが握り寿司のように密着しているわけではなく、その間にきざみ海苔が敷き詰められていることがポイントだとすぐに分かりました。おかげで醤油がご飯に直接に浸み込むことが少なく、海苔の乾いたうまみがマグロの脂と絶妙に調和するのであります。これは大発明といえるんじゃないかな。

 後で知ったのですが、鉄火とは鉄火場すなわち博打場の意味だそうです。そこで出されたファストフードだから鉄火丼。ボクはマグロの赤黒い色が理由かと思っていたのですが、昔の博徒はこんな贅沢なものを丁半を賭ける真っ最中にかっ込んでいたんですよね。それともマグロが取れ放題だったのでしょうか。

 それから鉄火丼の大ファンになったものの、店によって味や食感がかなり違うので、失望することもしばしばでした。この理由は、冷凍と解凍方法によるようです。冷凍マグロをヘタに解凍すると細胞が壊れて本来の旨味を損ねてしまいます。値段の関係でそんな鉄火丼を数回食べたおかげで、敬遠するようになりました。

 それから1~2年後かな。新橋駅前の寿司屋のランチでたまたま出会ったのがブリ丼なのです。これもまた初めての鉄火丼に負けず劣らず美味でした。マグロをブリにかえただけの丼なのですが、マグロよりも締まった身を噛みしめる時の感触が素晴らしい。ブリの脂と醤油との相性も抜群です。聞いてみると、これは年中食べられるものではなく、「寒ブリ」が出回る冬に限られるというのです。

 冷凍と解凍技術が発達した今はどうか知りませんが、まさに「旬」だけが放つ迫力を味わせてくれる丼だったのでありますよ。こういう食べ物に近頃、いやここ十数年出会ったことがありません。ああ、つまらん。食がつまらなければ、人生もつまらなくなってしまう。どこかに旨いものはないかなぁ。

 

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2020年10月23日 (金)

生牡蠣

 

 新型コロナの影響で、今年の夏は生牡蠣を逃してしまいました。生牡蠣といえば冬の風物と考えている人もまだいるかも知れません。夏場は岩牡蠣という人はかなりの食通ですけど、近年は物流と養殖の技術革新によって、暑い夏でも世界中の牡蠣を生でいただけるようになったんですよね。

  これに合わせるのは、やはりシャンパンしかないとボクは断言します。シャープな細長のシルエットが美しいフルートグラスに注がれた黄金色のシャンパンで舌と喉を湿らしながら、冷たい生牡蠣をシュルリと口の中に放り込む。これこそが夏の醍醐味だったのであります。

  なのに、ああそれなのに、今年はたった1回だけです。銀座コリドー街の専門店でそそくさと食べたくらい。とはいっても2人で1ダース+アルファなので、居酒屋の3個一皿とは違います。氷を敷き詰めた皿にズラリと並んだ生牡蠣は、味が薄い順に食すのがコツだそうです。濃い味を先に食べると、微妙な差を感知しにくくなってしまうからです。 

 こんなふうに表現すると、贅沢なグルメのように思われるかもしれませんが、シャンパンはグラス一杯だけ。生牡蠣もハッピーアワーに行けば割安でいただけます。いくら好きでも、生牡蠣を1度に20個も食べる人は滅多にいないので、そんなに高価な食事ではありません。 

 ただし、問題なのは時間なんだよね。サーブされるまで時間がかかっても、半ダースなんかあっという間ですから。1個30秒もあればきっちり咀嚼できるので、続けて6個なら合計3分。1ダースでも6分程度。ガツガツするのはみっともないので、なるべく時間をかけようとは意識するのですが、ヒョイと殻を持ち上げて肉厚の身をシュルリですからね。ボクは無駄話というか、世間話が苦手なので、時間をかけたつもりでも、時計の針はほとんど進んでいなかったりするのです。

 そんなわけで、レストランの滞在時間もせいぜい30分程度。ダメだよなぁ。もうちょっと食事と会話を楽しまなきゃ、人生が勿体ない。そこで今年こそはと意気込んでいたのに、新型コロナで外食習慣まで消滅しつつあります。ああつまらん。どんな格好をしてもマスクでぶち壊しになるので、着替える楽しみもありません。早くワクチンを作ってくれないかなぁ。

 

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2020年9月 8日 (火)

あ、味がしない!!

 

 刻みウドンって、ご存知でしょうか。油揚げを細かく刻んで具にした立ち食い店の定番ですが、なぜだか関西にしかなく、関東でお目にかかることは、まったくといっていいほどありません。

 このため、大阪出張の際に時間があれば立ち寄る心づもりはしていても、ここ15年はなかなかそうした機会が巡ってきませんでした。

 でね、先週の金曜日。大阪郊外の某市駅で取材のための待ち合わせがあり、たまたまその駅に立ち食いの麺類店があったのです。メニューを見ると、ありましたよ、念願の刻みウドンが。もちろん注文して待つことしばしで、ボクの眼前に細く切り揃えた黄茶色の油揚げを載せたどんぶりがやってきました。さっそく数本のウドンを口の中に放り込んだのですが、あれ? おや? なーんにも味がしない。「げげっ、ウソだろ!」と疑いつつ、慌てて再び数本を食べ直しても、やはり何の味も感じないじゃないですか。

 わぁお、ついに新型コロナにつかまっちまったかなと、イヤな脂汗が全身から吹き出てきました。特徴的な初期症状が味覚や臭覚の障がいということは広く知られています。心中が嵐のように騒ぎながらも匂いを嗅いでみると、湯気の中で鰹節の風味は微かに感じます。油揚げもそれなりの味がするじゃないですか。ウドンはそもそも無味といえば無味です。ということは、汁に味を感じないのかなぁ。汚い比喩で恐縮ですが、誰かが入浴した後の風呂の湯みたい。そういえば「俺のだし」という空恐ろしい名前の店が東京・銀座にありますけどね。

 無味に加えて無臭ならもっとパニクったでしょうが、どうやら原因は汁らしいと判明したので、取りあえず完食。ケチだね。念のために、その直後に喫茶店に行き、アイスコーヒーを注文しました。「こっちは大丈夫かな」と怖るおそる口にすると、コーヒーの苦みとほのかな甘味をちゃんと舌がキャッチするではありませんか。

 「ああ良かった」と、ひと安心してから考察するに、ボクは名古屋生まれにもかかわらず、30年以上も住み続けた東京の味にすっかり慣れ切っていたらしい。以前にも書きましたが、東京の立ち食いそば屋が関西に進出したら3日でつぶれます。醤油を煮染めたような真っ黒な色と濃い味は、関東以北の食習慣なのです。けれども、なぜだかそんなソバ屋しか見当たらないので、次第に慣れていきますよね。それに関東ではウドンはマイナーな存在ですから、滅多に食べることがありません。ちなみに名古屋以西ではウドン屋でソバを注文しますが、関東でウドンはソバ屋のメニューのひとつに過ぎないのです。

 それはともかく、気づかないうちにボクはそうした濃厚な醤油味に過剰適応していたようです。だから、しっかりダシを取る関西の薄味を感じることができなかった。何にしても、それから高熱を発することもなく、平熱が続いているので、感染はしていません。PCR検査をやるほどでもないですよね。

 でもなぁ、あの店の薄味は尋常ではなかったように思います。もしかしたら味のつけ忘れかも。いずれにしても、味というのは慣れていくものなのだと再認識したのであります。

 

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2019年5月27日 (月)

鶏皮

 ケンタッキーフライドチキンの皮の部分を無性に食べたくなる時があります。だから身のほうは相当におざなりでありまして、勿体ないと叱られるかもしれませんが、適当なところで捨ててしまうんですよね。それって、ボクだけかなぁ。

 以前は身がパサパサで、いかにもブロイラー的だったのですが、近年は食感がしっとりしてきたので、食べるようになったほうです。それでも、独特の複雑なスパイスで味付けされた表面の皮には勝てません。そもそもボクは鶏の胸肉が好きではないんだよな。母親が肉の嫌いな人だったので、脂肪の少ない鶏のささみをやたらに弁当に詰め込んでくれたのです。それはそれで健康に貢献したと思いますが、育ち盛りのボクはちっとも美味とは感じられませんでした。だから、ささみは弁当で一生分食べちまったと感じています。

 大人になったら自分の好き勝手がやれると信じて成長したので、あのピンク色の鶏肉を自分から買ったことは一度もありません。かわりに鶏皮ということになるわけです。そのくせヤキトリの鶏皮は何だか油っぽく感じられて、ほとんど食べたことがありません。けれども、近頃はコスト意識に目覚めてしまい、ケンタッキーのチキンで皮だけを食べるのは経済性に劣る行為だと気づいたのです。

 今頃かよと嘲笑されそうですが、食習慣を変えるには、それなりの勇気が必要なのであります。ところが、ピーコックで長い串に刺さったラージサイズの鶏皮を2本も購入。無理して一度に食べたおかげで吐きそうになり、新しい食トラウマ(ボクの命名なので無断使用を禁じます、って冗談です)を抱えてしまいました。

 健康診断の血液検査で中性脂肪の値が高いと指摘されたので、鶏皮などは控えたほうがいいんでしょうね。けれども、北京ダックのようにアヒルの皮しか食べない料理もあるので、貴族や上流階級の皆さんは「皮」にこだわってきたんじゃないかな。ボクはただの庶民ですけど、塩鮭の皮も大好きです。カリカリに焼き上がった皮に吹き出た塩が鮭の脂と相まって、何ともいえない旨みがあるんですよね。食べ物を粗末にするのは良くないと分かっていますが、皮が大好きという人は身のほうを犠牲にするケースが少なくないと思います。

 でね、この文章で何が言いたいかというと、食の好き嫌いには理由があるのかということなのです。進化のプロセスを考えてみると(大げさだね)、もしも好き嫌いが生存に悪影響を及ぼすなら、ボクの血脈なんかとっくに淘汰されているはずです。ということは逆に、好き嫌いは生き残りに何の影響も及ぼさない、単なる嗜好に過ぎないのかもしれません。なのに学校では、食の好き嫌いを矯正するのが栄養教育だと思われています。食べものが乏しい敗戦直後ならいざ知らず、今では飽食とも評されるようになりました。少なくとも、食を自分の意志で選択できる時代なのですから、健康に悪影響を与えない範囲内で、好き嫌いを解禁してもいいんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。アメリカの学校はカフェテリアというかビュッフェ方式らしいので、画一的なメニューはもうやめるべきじゃないかなぁ。

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2019年4月24日 (水)

オレンジジュース

 

 製品名を出すとステルスマーケティングと誤解されそうなので省略しますが、あるオレンジジュースがマイブームになっています。オレンジジュースなんて何だって同じだろうと、皆さんも、ボク自身も思っていたのですが、それが大違いなのでありまして、実にまったく素晴らしく美味しいオレンジシュースに出会ったのであります。

 一般的なオレンジジュースは、酸味が先に到着して甘味が後から息も絶え絶えにやってくる口内感覚ではないでしょうか。この酸味が何となくビタミンっぽくて身体にいいような気がする人が多いと思うのですが、ボクはフトコロ具合に反してワガママな男でありまして、口内炎をチクチクと刺激するような酸味はあっちに置いといて、もっと甘くできないのかという不満を持っておりました。

 ですから、オレンジジュースなんて、スーパーでは横目で見ながら通り過ぎるだけで、購入する習慣はまったくなかったのです。ミカンは爪に色がつくほど大好きなのですが、一時期だけですもんね。

 ところが、あるスーパーでたまたま購入したオレンジジュースがあまりにも旨いのでびっくりしました。パッケージを見直してみると、「成分無調整ピュアストレート」とあります。果汁100%というだけでなく、オレンジの粒々が多くて、「採り立てをそのまま絞ったんですよ」的な味わいなのです。そのせいか、一般的なオレンジジュースとは異なり、甘さとほどよい酸味が時間差なしでやってきます。このバランスがね、実に心地良くて、クセになってしまいました。

 ただし、720㎖で430円。普通の紙パッケージ(1000㎖かな)より背が低い、つまり少量にもかかわらず、この値段です。スーパーに行きつけのママさんならすぐに反応すると思うのですが、普通なら200円程度なので、その約2倍という驚くほどの強気。グラスに注いだら2~3杯程度で空ですからね。

 価格に敏感なボクとしては、つい躊躇ってしまうのですが、このオレンジジュースを一度でも飲んでしまうと、ほかはまったく口に合わなくなります。しっかり冷やしておくと、青天のもとで艶々と育ったオレンジ畑の光景が口の中に広がる、ような気がするんだよな。実際に見たことはありませんけど。

 とにかくボクには珍しいイチオシなのですが、やはり値段がね。そんなわけで、購入は週に2回程度に自制しております。

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2019年3月13日 (水)

寿がきや

 昨日は久しぶりに名古屋出張だったので、現地のソウルフードと称される「寿がきや」のラーメンを食べる気満々で新幹線に乗りました。取材しながらも、あの白いスープの湯気がふわふわと、って、これはあくまでも冗談ですから念のため。

でね、1時間後の品川行きの切符を購入して、「確かこのへんだったよな」というあたりを探したのであります。しかし、どこにも見当たらない。外食産業は新陳代謝が激しいので、とうとう撤退しちゃったかな、と。ボクがひいきにする店は、必ずといっていいほど閉店してしまうので、一瞬イヤな予感が頭をよぎったのですが、いまネットを確認したら「中華厨房」というサブタイトルがついていたので、業態転換に気づけず、見過ごしてしまったようです。ボクは大昔のスタイルのほうが懐かしいんですけどね。白い作業着のオバチャンが、どこで売っているか知りませんが、白いゴム長を履いていた記憶があります。いま思えば、飲食店なのにすごい格好だよね。

時間がたっぷりあるわけではないので、さっさと寿がきや探しは諦めて、「次善の策はやっぱりきしめんだよな」と方向転換。地下街の奥を歩いていくと「昔ながらのきしめん」というメニューか大きく出ているではありませんか。価格は500円ちょっととリーブズナブル。立地のいい店では「え、きしめんがこんな高いはずねぇだろ」という値段が多く、元ジモティのボクとしては許せないんだよな。

しばらくすると、出てきましたよ、「昔ながらのきしめん」が。たっぷりの鰹節の下に、湯がいたホウレンソウがあるのが、実に「昔ながら」なのであります。それと煮付けた油揚げの塊。味も濃いめで、無理したケレンのない田舎風味が気に入りした。

 ただねぇ、敢えて難をいえば、麺が機械打ちなのです。かつては手打ちが常識だったので、あんなに同じ大きさで、スタイリッシュな薄さ&細さのきしめんなんてありませんでした。太めで平たくて、サイズも微妙に不揃い。それに汁をからめて食べるのが醍醐味だったのです。でも、仕方ないですよね。

 いつも名古屋に行くたびに、時代は変わるんだよなと、とても切ない気分になるのであります。

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2019年2月13日 (水)

グラッパ

 

 父親から「男が食い物のことをあれこれ言うな!」と叱られて育ったものですから、ボクは基本的にグルメではありません。ただし、仕事となればもちろん別問題でありまして、3年くらい前から郷土料理関係の記事も書いてきました。なまじっかグルメならウマいのマズいのと論評したくなるでしょうが、舌が根っからの貧乏人なもので、たいていのものは美味しくいただいてきました。日常的には昨日の焼き餅のように、ホントに質素なんですよね。

 

 ただ、たまにふと思い出すのが「グラッパ」という酒です。初めて飲んだのはフランスのコルマールという駅から徒歩2分程度のホテル。とはいっても、後にも先にもそこでしか飲んだことがありません。バーゼルで開催される時計展示会の取材時に常宿にしていた時期があり、立派なレストランが併設されていたので、頻繁に利用していました。料理はアルザス・ロレーヌ風というのか、ザワークラウトという千切りにしたキャベツの酢漬けに各種ソーセージの盛り合わせという感じです。

 

 ボクは酸っぱい系が死ぬほど嫌いなので、もっぱらソーセージをやっつけていましたが、お楽しみは食後なんですよね。ある時に、ウェイターが「酒飲みならぜひグラッパっすよ」と促すので、トライしてみたのです。聞いてみるとグラッパはワインの蒸留酒でありまして、だったらブランデーとどこが違うかと問われても、そんなことボクには分かりません。仕事なら念入りに調べますけどね。ともかくアルコール分は3035%くらい。ちょいとキツくて、けれどもほんのりした甘さとぶどうの清純な香りが漂う無色透明な酒です。

 

 でね、このグラッパを最も美味しくいただく方法が、アイスクリームがけなんですよね。背の高いグラスに押し込んだバニラアイスクリームにグラッパを上からかけて、しかる後にスプーンでしゃくって口にいれます。これがね、実に気持ち良いんだよな。アイスクリームのキリリとした冷たさと甘味に、アルコール特有のキツさが相まって、いくらだって飲みかつ食べられます。実際におかわりしたこともあるくらいです。

 

 いやしいと思われるかもしれませんが、あのグラッパがけアイスをもう1度食べたいなぁ。でもまぁ、みんなでワイワイ言いながらスプーンを突っ込んだことが旨さを増幅していたのかもしれません。過ぎ去りし日々かぁ。そうした回顧のフックになるのは、やっぱり酒と食い物なんだよな。それと匂いも大いなる刺激になりますよね。だからといって何ということもありませんが、必ずしも時がすべてを洗い流していくわけではなく、痕跡は残るんだなぁ思うわけであります。

 

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2018年12月27日 (木)

PB寡占

 

 近頃のコンビニはPBばっかじゃねぇか、って思いませんか。

 

 言わずもがなでしょうが、PBとはプライベートブランドの略で「自主企画商品」と訳されています。定義ではコンビニなどの小売業者と食品メーカーなどが共同で企画・生産した商品となっていますが、ホントにそうかなぁ。ただ単にラベルをコンビニのロゴに変えることで納入価格を下げ、店舗側の利益率を高めているだけじゃないかと、ボクなんかは思うわけです。

 

 たとえば、ですよ。業界トップの某フランチャイズチェーンでは、「さけるチーズ」などは別として、一般的なチーズはPBしか置いていません。しかも、クリーミーだの何だのと軟弱なものばかりで、基本中の基本である固めのプロセスチーズが見当たらない。個人的な嗜好で恐縮ですが、ボクは某社の6Pプロセスチーズが何よりも好きなんですよね。昔からお馴染み、アルミ箔の包みで三角形にしたチーズを6個並べて丸いパッケージに収めたアレですが、これに類する商品がないのです。

 

 試しにカマンベール入りと表記されたPBを食べてみましたが、あのデロデロ&タラリ加減とチーズ臭さは、あくまで個人的な感想ですが、許しがたいものがあります。チーズマニアはそのほうが好きかもしれませんが、目下、世界的な課題になっているダイバーシティ=「多様性の確保」はどないなっとんじゃいと思うのです。

 

 かつては物流の風上、または川の上流にあたるメーカーが商品の企画から生産量、価格まで、すべてを支配していました。小売店は供給された商品を並べて売るだけの産業だったといっていい。その意味では、稀代の名経営者といわれる某氏の水道哲学は正鵠を得ており、小売店は等しく製品が消費者に向けて流れ出てくる「蛇口」だったわけですな。

 

 ところが戦後になって、価格破壊で知られるダイエーや秋葉原の家電量販店がそうした序列を崩すことに成功。消費者も熱狂的に支持したことで、主導権は市場=小売りの現場が握るようになったのです。そりゃそうです。いかに優れた製品でも、量販店が陳列しなければ、ないのも同然ですから、売れるはずもありません。特別な個性や機能を持たないコモディティ化した製品のメーカーほど、量販店の顔色を窺わざるを得ないわけです。

 

 食品メーカーも同じで、全国に2万店も展開するコンビニチェーンの本部がヘソを曲げたら、倒産だってあり得ますよね。逆にPB化されれば、利益率は下がっても一定の生産・納品数量を確保できるため、経営も安定します。

 そんな力関係で「これさぁ、今度からPBにしてよ」と言われたら、逆らうのは困難じゃないですか。ボクは、このあたりからテレビドラマ『下町ロケット』の食品産業版が書けると思っていますが、6Pプロセスチーズは、その申し出をアッパレなことに拒否したんじゃないかな。

 

「どうしてもできないっていうわけですか」

「こ、この6Pだけは、弊社のルーツであり顔であり、魂といっても過言ではない商品ですから」

「あはははは、失礼ですが、こんなものが顔ですか、魂なんですかねぇ。確かに昔はチーズといえばこの6Pがポピュラーでしたが、今はカマンベールなど消費者の好みは多様化・高度化しています。小学校の給食じゃあるまいし、こんなものは時代遅れになってきたと思うよ。それを魂と呼ぶってことは、御社もそろそろ時代遅れかもね」

 

 あ、すいません。これはボクの根拠なき完全なる創作です。登場する人物・団体・名称等は架空のものであり、「会話も」実在のものとは関係ありません。

 

「しかしながら、だからこそ原型を守っていきたいと思うのです」

「そうですか。では、どうしてもできないと」

「御社に逆らうつもりは毛頭ありませんが、これだけは大変に恐縮ですが、遠慮させていただけませんか」

「そんなことを言っていいのかなぁ。では、うちは納品を拒否させていただきます。それによって御社がどうなろうと、私の知ったことではありませんから、念のため」

 

 安直なテレビドラマのような会話になってしまいましたが、経済産業省や中小企業庁がどう指導しようが、大手企業と納入業者は決して対等ではありません。だから、大なり小なり似たようなことはあると思うんですよね。

 

 それはともかくとして、ボクは近所のコンビニに6Pプロセスチーズがないため、わざわざ徒歩15分のスーパーまで足を運んでいます。それだけでなく、様々なPB商品がどんどんコンビニの棚を占拠しつつあり、ボク個人としては、ちっとも「いい気分」ではありません。こうした寡占によって、6Pのように排除された商品も結構あるんじゃないかな。専門用語では「ガリバー」と呼ぶらしいのですが、市場の過度な支配は決して消費者の利益にならないと思うんだけどね。

 

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2018年1月 9日 (火)

HUB浅草店

 

 年に数回ほどですが、スキヤキを猛烈に食べたい時があります。焼肉も悪くはないんだけど、せいぜいサンチュで巻く程度なので、すぐに飽きてしまうんですよね。年を取ったせいか、厚く切られた牛肉も苦手になってきました。

 

 それに比べて、スキヤキの肉は人間技では不可能なほど薄く切られているほか、シラタキ、焼き豆腐、シイタケにクレソン、じゃなかった春菊などの取り合わせにバラエティがあります。これを醤油ベースの甘じょっぱい割り下で煮つめるのですから、毎日は食べられないにしても、味がクセのようになって忘れられないのです。

 

 しかもボクは何と贅沢にも、ウェイトレスでなく仲居さんというのかな、できれば和服を着た妙齢の美しい女性に下ごしらえをしてもらうのがスキヤキの基本であると信じてきました。つまり、家庭でこしらえたら旨さが半減してしまう外食中の外食、王道的な存在といっていいでしょう。

 

 お会いしたことはありませんが、瀬戸内寂聴先生も「シニアは肉を食べなさい」と話していたことがあるので、正月明けの連休ということで、思い切って浅草に行くことにしました。浅草寺の初詣からスキヤキの名店・今半へのルートを想定していたのですが、仲見世通りは相変わらずの大混雑。秒速で諦めて国際通り本店に直行しました。かなり結構な値段ではあったのですが、質素な1人暮らしの正月を過ごしたので、たまにはこれくらいの散財は許されるだろうと。はい、期待に違わず大変に美味しゅうございました。

 

 でね、本題は食後の楽しみとして足を向けたHUB浅草店のライヴなのです。この店は先週1月4日のブログで紹介したように、グループの他店とはまったく違います。大きなステージがあって毎日ライヴを行っており、このためキャッシュオン・デリバリーでなく後払いなど、店名こそHUBですけど、むしろ別の名前にしたほうがいいんじゃないかと思うくらいです。

 

 実はスキヤキよりも同店のライヴがお目当てでありまして、はるばる遠く浅草までやってきたわけです。この日の出演者は永濱昌彦とデキシーVIPにヴォーカルとして木津ジョージさん。「デキシー」とあるように、ジャズの原点とされるディキシーランドジャズを得意とするバンドで、ピアノ、クラリネット&サキソフォン、トランペット、トロンボーンにウッドベースとドラムの6人編成=セクステット。ウェブサイトがなかったので未確認ですが、クラリネット&サキソフォンが最高齢の85()で、平均年齢70歳以上というスーパーシニアなバンドです。ヴォーカルの木津さんも70代半ばですから、年齢だけ紹介するとものすごく誤解されそうだけど、演奏が素晴らしく上手なんだよな。一芸に秀でたジーサンたちがこんなにもカッコ良いとは不覚にも知りませんでした。同夜のハイライトと思われるリーダーのドラムソロも10分以上。よく息が上がらないものだと心配しつつも、その迫力とテクニックに圧倒されました。木津さんのヴォーカルもほどよく枯れた味があるというか、円熟した雰囲気と色気が漂っているんですよね。

 

 年季を経ても生き残ってきた実力派のベテランが揃っているせいか、満員の店内はシニアばかりでなく、若い男女が目立つことにも驚きました。ディキシーランドジャズは日本ではとっくにオワコンかと思っていましたが、決してそうではないようです。インテリぶった小難しいプログレッシヴよりメロディアスで楽しいですからね。このライヴも3種類のブラスが一斉に音を放つ重層的なハーモニーが耳を通して胸にまで届き、心が沸き立つほど気持ち良く感じました。軽快に跳ねるようなピアノなど、それぞれのアドリヴも余裕があるので安心して聴けます。譜面なしで基本的なメロディとコードだけでつながる、ジャズセッションの楽しさを久々に堪能させていただきました。

 

 ステージは休憩を挟んで40分×3回。これでミュージックチャージは入れ替えなしでなななななな何と1600円ですよ。オーダーはメニューに記された料金に消費税だけ。ちなみにグラスワインは一杯660円。いつもの銀座に比べて、ホントに安いよなぁとしみじみ感心しました。

 

 こんな店が渋谷や新宿にあったら絶対に行きつけにしたはずですが、恵比寿から浅草はさすがに距離があります。でもまぁ月に1回くらいは行くぞと。あまりにも人気になって混雑するようになったらイヤだけど、ライヴが好きな人には超オススメの店であります。

 

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2017年6月30日 (金)

バルサミコ酢

 

 秋田県では、いけないイタズラをした子供には酢を飲ませるそうです。

 

 だってね、なまはげ祭りでは、怖いお面を被った人が「悪い子はヴィネガー」と言いながら家庭を回るではありませんか。

 

 これは冗談ですが、男で酢が好きな奴なんてほとんどいないと思います。ということはサラダドレッシングも好きではなく、野菜そのものが嫌いという男も少なくないんじゃないかな。ボクだって健康のための栄養バランスと、脂にまみれた口直しとして仕方なくサラダを食べるくらいで、積極的に旨いと感じたことはありません。

 

 でもね、そんな男が感動したドレッシングがあるんだよな。

 バルサミコ酢。原料はワインらしいのですが、これをオリーブオイルと混ぜるだけで、上質な甘みのあるサラダドレッシングになるのです。特に和名でオランダガラシと呼ばれるクレソンとの相性が抜群。そのまま食べたら苦みと辛みで口の中がひん曲がりそうになるクレソンが、バルサミコ酢のナチュラルな甘味を加えるだけで美味に変貌するから不思議です。

 

 こんなことを書くとステルスマーケティングと思われそうだけど、具体的な品名を紹介しているわけではないので、決してそうではありません。長年にわたって野菜嫌いだった男が、バルサミコ酢で開眼したというか、それくらいの驚きがありました。

 

 ただし、ピュアなバルサミコ酢は高価なんですよね。小さなボトルにもかかわらず2500円くらいします。女性は知っている人が多いかもしれませんが、まだまだ男には未知の領域。だから彼氏にサラダを食べさせる機会があれば、このバルサミコ酢を使うと、「何これ!」という感嘆詞とともに、一気に仲良くなれるかもしれませんぜ。

 

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